見出し画像

私のフォルケ体験記(デンマーク留学)

今日は、デンマークに手芸留学をしたときのことについて。ボイシーで話した台本をこちらにも。


私が留学したのは2009年でもう随分前なので今とは変わっていることもあるかもしれませんが、これから刺繍留学したい人の参考になれば嬉しいです。

スカルス手工芸学校は刺繍をする人には有名だけど、それ以外の人は知らない学校ですよね。

フォルケホイスコーレは大学とか大学院、専門学校とは違う17歳以上だったら誰でもいける学校です。語学、建築、農業、デザイン、スポーツなどいろんな種類の学校があります。
ディプロマはもらえないので、テストや卒業試験とかもないです。私はサーティフィケイトはもらえました。フォルケについてはまた別の会でじっくり語りたいなと思ってるんですけど、簡単にいうと自分がやりたいことを探すための場所みたいな感じです。

私が行ったスカルス手工芸学校は、手芸に特化したフォルケで刺繍、編み物、洋裁、革細工、陶芸などのいろんな手工芸が学べる場所です。

費用の3分の2は国が出しているので、学費がすごい安いです。今は円安で1クローな20円くらいになっているのですが、私が留学した時は16円代後半とかそのくらいだったので、飛行機代と学費と寮のお金を入れて全部で50万円でお釣りがくるくらいでした。

フォルケはデンマーク人のための制度なので、外国人の受け入れに制限があって、私が行った時はクラスの3分の2がデンマーク人で外国人は3分の1まででした。なので、デンマーク人が少ないと外国人の受け入れる人数も減るみたいな。私が行った年は日本人が多くて私を含めて6人。日本人以外だとアイスランド人、フェロー諸島の人とかもいました。アイスランドもデンマークに統治されてたし、フェロー諸島はデンマークの自治領なのでデンマーク語ができる外国人が多かったです。

学校の場所

学校はすごい田舎にあります。
スカルスはユトランド半島という、ヨーロッパ大陸に繋がってる北の方に位置していてコペンから電車とバスを乗り継いで5時間くらいです。
留学当時(2009年)は、iphoneだったんだけど今みたいなグーグルマップも発達してなくて、印刷した地図を持っていったのを覚えてます。時代!!
日本からの便だと午前中につくフライトがなくてコペンハーゲンで1泊してスカルスに行きました。
スーツケース2つ持って、電車乗り継いで、最寄りの駅からはタクシーでいいやって思ってたのにタクシーもいなくて、結局バスで行きました。

学校での生活・1日のスケジュール

寮に入るんですけど、1階が学校で2階が寮。私は運良く一人部屋でした。4~5畳かな。ベッドと机と小さなクローゼットがあって。トイレとシャワーは共有のもので、ご飯は3食学校の食堂で無料でたべれます。

2ヶ月に1度くらいクッケンというキッチン当番があって、テーブルセットとか食器のお片づけとかがあるんですけど、それ以外は自分のお洋服のお洗濯とせまいお部屋のお掃除くらいしかDutyがなくて最高でした。

朝は朝会みたいなのがあって、9時くらいから授業が始まるので、教室に行って15時過ぎまで授業があります。
お昼以外に10時くらいにも休憩があって、コーヒーとにんじんとか食べたりして。
学校では毎日のようにケーキやクッキーを焼いてくれるんです。授業が終わったらケーキとかクッキーとか食べながら休憩して、そのあとにお友達と近くのフィヨルドにお散歩に行ったり、ヴィボーっていう町に手芸の材料の買い出しに行ったり。お夕飯まで自由に過ごしました。

で、お夕飯食べ終わるとリビングみたいなお部屋に集まって、キャンドル炊きながら編み物したり刺繍したり、たまに夜のワークショップがあって先生が来てくれて小物作ったり。
疲れたらシャワー入って寝る、みたいな生活でした。

授業のあとはみんなでフィヨルドへ散歩

授業について

日本との大きな違いだと思うんですけど、授業が受け身ではありません。
もちろん、カリキュラムみたいなのはあるし、刺繍だったら覚えるステッチとか習うステッチはありますが、何をやりたい、どんなものを作りたいというのは、こちらから提案するんです。
先生も何を作れとは言わなくて「何を作るの?」って聞いてきます。「これを作りたい」というと、先生が「ここはこうしたほうがいい」とか「材料もこれがいい」とかアドバイスをくれる感じです。なので、完全な受け身な人は行っても困惑しちゃうかも。授業中もじーっとだまってたらスルーされます。

そういう意味でも、自分探しのための学校なんだなって思います。学校の中にも本も図案も材料もたくさんあるし、刺繍といってもいろんな刺繍があって、白糸もあればもっとデザイン性の高いアートっぽいものもあるし、古典的なフランス刺繍もあるし、いろんな技法をミックスして作品作る人もいるし。
自分の好きなこととか、好きなデザインとかを知るためにフォルケに行くというのはすごく理にかなってるなって思います。


リビングの一角

刺しゅうもたくさん刺したし、レザーやカゴ細工などなかなか日本では習えないことも体験できました。

Voicy
刺繍ラジオfromデンマーク
よかったら刺繍や編み物の作業のお供に聞いてください〜。
リンクは再生回数が多かった手芸留学のエピソードです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?