わたしはノブナガ
生きてきた中で、何でもいいです。ペットって飼ったことありますか?
私は結婚してから、リクガメとモルモットを飼っていたことがあります。
幼少期に、ミズガメを飼ってる友だちを見て、お世話の大変さを感じ、カメを飼うことは絶対にないだろうと思っていましたが、長女が2才の頃、リクガメとの出会いがあったのです。
…と言っても、ペットショップで選んで家族に迎え入れた子ではなくて、主人のいとこから譲り受けた子でした。
主人のいとこの家には、猫が2匹ほどいて、その猫たちがリクガメをいじめてしまって危ないから飼わないかってことでした。
一度、悩みはしましたが、リクガメを飼ったことがないのと、水で過ごすカメたちより、断然お世話がしやすいということもあったので、家族に迎え入れることになったのです。
当時、主人のいとこの家にいた時の名は「かめきち」だったのですが、我が家に来る前から、主人がずっと「ノブナガって名前にするんだ」と言っていたので、我が家に来てからは名が変わり「ノブナガ」になりました。
しばらくずーっと「ノブナガ」と呼んで可愛がっていましたが、私はふと思ったのです。
この子、性別聞いてなかったな
いとこの家にいる時に「かめきち」と名前がつき、我が家に来て「ノブナガ」と名前が変わり、「男の子」として扱ってたものですから、性別をそもそもそんなに気にしてなかったのに、突然気になりだしました。
ネットで検索して、リクガメの性別の見分け方を調べたら…
何と「女の子」ではありませんか。
「かめきち」や「ノブナガ」とつけられ、きっとこの子は「私、女の子なんだけどな」って思ったことでしょう…。
だって、人で言うと女の子で産まれて、男の子につけるような名前をつけられてるようなものですからね。
そんな事実を知る前から、「ノブナガの次は蘭丸だな」とか言ってたので、夫婦の頭の中は完全に「オス」だと思っていました。と言うか、なぜかカメは「オス」しか考えてなかったのかもしれません。
主人にはすぐに伝え、驚きはしていましたが、結局はそのまま「ノブナガ」という名前で呼んでいました。
カメが懐くってあんまり聞いた事ありませんが、我が家にいたノブナガは懐いてたように感じています。
嘘かと思われるかもしれませんが、私がソファーに毛布をかけて寝転がっている時、部屋の中で放し飼いにしていたノブナガに向かって「おいで〜」と言うと、私の毛布に入って寝ることだってあったのです。
放し飼い中に、名前を呼べば出てくることが多かったので、可愛くてたまらないリクガメでした。
でも、彼女との別れは突然でした。
朝、ゲージを覗いて「おはよう」と声をかけてた時、ノブナガはシェルター(小さい家みたいなもの)に頭を突っ込んでいました。
寝てる時によくある行動だったので、いつものように寝ているのだと思いました。
一日仕事して、娘を保育園に迎えに行き、娘と帰宅し「ただいま」と声をかけた時に異変を感じました。
朝と同じところに頭を突っ込んでいるのです。
慌ててシェルターから出すと、頭や手足を引っ込めることなく、目を開けたまま亡くなっていました。
亡くなっていたのは理解しつつも、未だ信じられなく温浴したり、タオルで温めたり、色々と手を加えていました。
でも何も変わらないノブナガを見て、少しずつ自分の中で整理がついた時、タオルで包んでゲージに戻してあげていました。
主人は会社の飲み会があったのですが、亡くなったと気づいた時、そんなことお構い無しに電話して、必死で説明していた自分がいました。
至って冷静な主人でしたが、帰宅後はタオルで包まれたノブナガを見て、ゲージの前で目を押えながら泣いているのです。私も一緒に泣きました。
翌日、火葬できる施設を見つけ、義兄と一緒に行ってました。
お別れの時間や、お花や亡くなったペットのお布団も用意してくれる施設でした。
とっても綺麗なお布団をかけてもらっていたノブナガの横に、みんなでお花を置いてお別れをしたのですが、亡くなった時は目が開いていたのに、お別れの時には目をつむっていたのです。
とても安らかでした。
その後は施設の方にお願いをして、お別れをして帰宅してきました。
ノブナガとお別れしてから約5年くらいになるかと思います。
病気だったのか、寿命だったのか、未だに分かっていないのですが、彼女は我が家に来て「幸せだった」って感じてくれてたら良いな
新しい世界で、沢山、美味しい野菜や野草、果物を食べて、元気で過ごしててほしいなって思います。
ペットとのお別れって本当に悲しいのですが、私たちはノブナガに出会い、ノブナガを引き取って良かったって、今も感じています。
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