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富士と樹海と虹と

三線弾きの中川樹海ちゃんと最近仲良くさせてもらっており、先日樹海ちゃんの実家のある山梨県に遊びに行った。
今回、目的があって、それは淡水魚専門の水族館、さかな公園にある富士湧き水の里水族館へ行くことだった。

今年の夏ごろから生きもののことをもっと知りたいという気持ちが高まり、なんか面白そうなものあったら教えてほしいと樹海ちゃんに話してたことから。
樹海ちゃんのお父さんは動物写真家の中川雄三さんで、そういうこともあって樹海ちゃんは生きもののことに詳しい。
地元に水族館やフィールドセンターや生物多様性センターもあるから、いこうよと声をかけてくれた。

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到着してすぐ、河口湖の紅葉祭りに連れて行ってもらった。
この日は皆既月食で、紅葉と皆既月食をみるというなんとも神秘的なはじまりに。

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夕方から夜に移ろう河口湖。私は湖より海のが身近だったので、移動中の車から見える湖の景色が新鮮だった。波がないから、家々の光がまっすぐに落ちている。

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朝の散歩。この、山並み。
当たり前だけど、山梨は大自然だった。
私の地元の山口も大自然だが、なんていうか、質が違う。
空気が澄んでいて、しんと冷たく静かで、光はやわらか。木々はとても美しくて見とれてしまう。いちばんいいタイミングに行けたのかもしれない。

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朝の明見湖。二人で水鳥たちの声に耳を澄ました。
樹海ちゃんがカワセミの声が聴こえる!というので、声を頼りにそーっと近づいていったけど、残念、みることはできなかった(樹海ちゃんは飛び立つ瞬間をみたそうな)。
カワセミはフィ、フィ、フィと小さくて繊細な声だった。
鳴き声を覚えたので、今度は見つけようと思う。

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明見湖には樹海ちゃんのお父さんが撮影されたカワセミの写真があった。
読売新聞の記事も飾ってあり、そこにもお父さんの本のことが書かれてあった。

帰り道も耳を澄ましつつ、双眼鏡でいろんな野鳥を観察した。
鳥の声がどこから聴こえてくるのか耳を澄ましたり、どんな声色か、木の枝のどこらへんだろうか、カワラヒワか?シメかも?などと話しながら、見ながら、考えながら二人でゆっくり歩いた。とても楽しい朝の時間。

樹海ちゃんちへ帰って、お父さんが撮影されたカワセミの四季という写真集をみせてもらう。明見湖のカワセミだ。
頭でっかちな、なんともアンバランスな姿。すっかりカワセミが好きになった。

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そして、樹海ちゃんちの実家はお父さんのいきものの木彫作品で溢れてた。
ずーっと眺めてられるお家だった。かっこいい壁!

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お手洗いの壁。

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ミーバイ

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コウモリ(アブラコウモリかな?)

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大量のゴンズイ

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セマルハコガメの孵化から成長の様子

ほかにもたっくさん木彫り作品があって、圧倒された。

その後、河口湖フィールドセンターの船津胎内樹型という洞窟へいった。
溶岩が樹木型に冷えて固まってできた穴なのらしい。それが人の胎内のようで、歩いて通ることを胎内巡りの体験とあった。
洞窟は狭くて、結構こわかった。
大きな何者かに飲み込まれたような、クジラに飲み込まれたピノキオのような気分。
生物多様性センターは熊出没につき終日閉館とのこと残念ながら今回は諦めることに。

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写真は西湖コウモリ穴。奥の方にコウモリたちの寝床があって、そこは野生のコウモリが暮らしてるから立ち入りが禁止されてたんだけど、樹海ちゃんはそのへんにもいるかもときょろきょろ見回していた。
私も一緒になってきょろきょろしたものの、見つからず。
人も結構通るところだし、明るいし、いないだろう、と諦めかけてたとき、いた!と大きな小声で樹海ちゃんがみつけた。冬眠中の野生のコウモリ。はじめてみた。
壁と同化して、最初は全然わからなかった。ようく目を凝らしてみると、くぼみの少し奥に身体をきゅっと縮こまらせて、ぶら下がって寝ていることがわかった。高いとこじゃなくて、目線の辺りで手で触れるくらい近いところにいた。これはなかなか気づかないレベル、さすが樹海ちゃんだ。
野鳥もコウモリもばったも、本当にわからないように暮らしてるんだなあと改めて思う。(最近近所でばったが大量にいる場所をみつけたけど、パッと見るだけだと全然気づかない)
野生のコウモリをこんな近場で見れるとは〜と感動しながら出口へ向かうと、ちょうどコウモリたちが餌を探しにいくぞとたくさん飛び交っていた。

フィールドセンターでもコウモリ穴でも、講習会などができるスペースに、樹海ちゃんのお父さんが撮影された富士山麓の野生動物の写真がたくさん展示してあった。お父さんがコウモリについて解説しているビデオも流れていた。

帰宅して、樹海ちゃんが出してきてくれたえほん。
これも樹海ちゃんのお父さんの写真。

えほんの裏に、日本のコウモリたち八種類の、アップ目の顔写真が載っていた。犬みたいな、ぶたみたいな、猿みたいななんともいえない変わった顔。まじまじとみたことなかった。

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次の日に行った、富士湧き水の里水族館。
山梨県内の河川・湖沼環境に生息する淡水魚を中心に展示している水族館。
わくわくする館内の様子。
淡水魚をじっくりみたかったので、うれしい。

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マスの違い。水槽で観察したけど、なかなか難しかった。
これをみてなんとなくわかった気がしつつも、ちょっと幼いやつだとまたちょっと雰囲気違ってもう、違いが全然わからん。

さかなクンがYoutubeで紹介していた富士ノ介という、ニジマスとキングサーモンの掛け合わせの魚も展示してあった。(食べるためだけに品種改良された魚のようで、なんとも微妙な気持ちがした。)

水族館は随所に説明があり、丁寧ですごく満足だった。
これまであまり水族館には興味が湧かなかったんだけど、これを機に、いろんな水族館に行ってみたい気持ちが湧き上がってきた。

最後の日、山中湖のくりの木の下というペンションに1泊した。
ここのオーナーさんは野鳥の会で樹海ちゃんのお父さんと仲良くなり、それ以来、樹海ちゃん家族と長いお付き合いがあるそうな。

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夕食はフレンチのコース料理。これがとっても美味しかった〜!
山中湖で、優雅にフレンチ料理なんて、私たち大人みたいじゃない?って恥ずかしくなっちゃって、舞い上がっちゃって、二人でめっちゃ笑ってしまった。

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すごい笑顔。

そのあと、部屋で散々ビールをのんで、ぐっすり寝た。
朝、不思議な心地で目が覚めた。
ペンションの天井を見ながら、樹海ちゃんのお父さんのことを考えていた。

樹海ちゃんのお父さんは今年の6月に亡くなられた。
私は一度もお会いしたことがなかった。
だけど樹海ちゃんのお父さんの気配が町中に溢れており、もういないのに、いるみたいだった。
たくさんの作品からお父さんの力強さみたいなものを感じて、とてもとても不思議な気持ちになった。
そんなことを、目が覚めてぼんやり考えていた。

樹海ちゃんが窓を開けると、すごく綺麗な富士山がみえた。

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この日は雨予報だったので、見られないと思っていた。
二人でおお〜!と見つめ、ひとしきり眺たあと、5分もすると富士山は雲で真っ白になった。

そのあと少し周りを散歩した。野鳥を観察するも、双眼鏡でみてもなんの鳥なのかわからないくらい高いところにいて、だめだねえと話しながら退散。
そのあと荷物をまとめて座っていたら、ペンションの窓から樹海ちゃんが「アカゲラだ!」と叫んだ。
指差す方をみると、すごく近いところでドラミングをしていた!
アカゲラは富士吉田の市の鳥らしい。また樹海ちゃんが見つけた。すごい。
山梨ならではの野鳥をみることができてとてもうれしかった。

関東へ帰る直前、樹海ちゃんと樹海ちゃんのお母さんと、虹が出ているのをみつけた。

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皆既月食に、富士山、虹、いきものたち。お父さんの作品たち。
晴れて思ったほど冷え込まず、雨予報の日もほとんど濡れずにすんだ。
とてもいい条件で各地巡ることができた。野鳥もコウモリもみられた。
富士山もいつもきれいにみえていた。
風の中に樹海ちゃんのお父さんがいるような気がしてならなかった。

なんだか強力なパワーを浴びたような気がして、身体がびっくりしながら帰宅した気がする。笑

このような機会をくれた樹海ちゃんに、大きく感謝。

樹海ちゃんのお父さんについてのブログ。

エマル






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