瞳に光が入る瞬間
「一年前に学校で1度相談にのってくれた方を探しているって〇〇大の学生さんからの電話なんだけど、話聞いてると多分前田さんっぽいんだよね。」と同僚から取次がれた電話に出た。
「あの、一年前に、学内で相談してもらって、プレゼンを見てもらって、〇〇に受かりました。明日入社します。それでどうしても…」
そーだ、そーだったわ。
二次試験がプレゼンで、「自分の好きな商品を紹介する」というテーマなので、それを見てほしいって相談だった。
「まだあんまりまとまっていなくて…紙を見ながらでもいいですか?」と聞くので、どうぞと言ってやってもらってから…
『えーと、ここの本気度はどのくらいですか?本命の前の練習で受ける感じ?それとも本命?それによって私の言うことが変わりますけど。』
と言うと、「本命です!」とムッとしたので、
『じゃあ、はっきり言われても大丈夫なタイプ?立ち直れなくなるから優しく言ってほしいタイプ?試験日まで日にちに余裕が有りそうだから、ご希望に合わせます。』
とさらにムッとさせると、「はっきり言われても大丈夫です!」
『ではあなたの選んだ商品で、私がプレゼンします。』
と位置を変わって、やって見せた。
『作文を読み上げるのはプレゼンではありません。会社が採用試験で、学生にプレゼンをさせて、その人の何が見たいのかを考えたら、その会社だったら、お客様にどのような話し方、態度ができる人なのかというのが評価の大半だろうと思います。であれば、面接官をお客様だと思って行うことが1番大切で、2番目には自分で選んだ商品の正しい知識、メーカーがオープンにしているものね。3番目には使ってみた感想と他の人にもぜひ使ってほしい理由です。話す順番はあなたが決めて良いです。その順番によって構成力が見られます。』といったら、目から鱗が落ちたみたいな顔をしたんだった。
やるべき事が腑に落ちたら、あとはもう早く帰って練り直したくなった様子で相談を終えた方だった。
「あの時の相談で私、変われたんだと思います。本番でも自信を持ってできました。」
と、明るい声を聞きながら、相談を思い返した。
12年前、この仕事を始めてまもなくの頃に見てしまった
【腑に落ちた表情】…あゝそうか…と、ストンと落ちて瞳に光が入る感じ…
やばい、もうこの仕事やめたくないって思うほど中毒性があると思ったんだわ(笑)
春ですね😊
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