見出し画像

「あの人に会いたくない」の奥底に潜んでいたもの

1年ほど前まで仲良くしていた女性Aさん。
私より少し年上だが気さくで明るくて誰にでも好かれるような人だ。
ご近所で時々食事に行くこともあった。

だがある時からふと、
「会いたくない」と思うようになった。
私の心が拒否反応を示したのだ。

Aさんはいつも話題の中心にいる人だった。
何人かで会うとつねに主役はAさん。
たとえ遅れてきてもその場の空気を一気にかっさらっていった。
おそらく本人は、
周囲の人を楽しませたり場を盛り上げることで
喜ばせたいのだろう。
そんなAさんの振る舞いが気に触ることがあった。

またAさんと会うと、
「褒めなくちゃ」という意識があった。
すごいね〜
よくやってますね〜
Aさんだからできるんだね
まあ自分でも驚くほど出る出る。
私は人を褒めるのは好きだがAさんに関してはトゥーマッチだ。

なぜだろう?

あぁ、
私が主役になりたかったのだ。

Aさんはユング心理学でいうところの私の「シャドウ」だった。

私はAさんみたいに場の空気をかっさらうほどの存在感を示したかったのだ。
でもAさんといる私は
聞き役、引き立て役、傍観者、太鼓持ち・・・
裏方の役割になってしまう。
そんな自分をもうみたくないのだ。

思い返すと以前、
私の誕生日会の席でもすぐさまAさんの独壇場になったのも不愉快だった。
いい歳して何言ってるの?と思うが、
そう思っちゃうちっさい人間なんだから仕方ない。

私が主役になりたかった。

心の奥底に隠していた欲求は
こうやって人を通して浮かび上がってくる。
これに気づいた時点でAさんの役割は終了である。
そして主役になりたかった自分をちゃんと認めることにした。
まだまだ根っこは深そうだけど、
とても大きなことに気づかせてくれたAさんに感謝だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?