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【書評】『不機嫌は罪である』 穏やかな上機嫌を目指して

 皆さん、こんにちは。えむ@非常勤講師&大学受験アドバイザーです。

 本日は三連休の中日の土曜日です。土曜日といえば書評です。今回取り上げるのは、昨日のnoteでも少し言及しましたが、齋藤孝著『不機嫌は罪である』(角川新書、2018年)です。

 ここ最近、いろいろな雑事や想定外のことに振り回されて消耗したり、思い通りにならないことや他人のちょっとしたマナー違反みたいなものに猛烈にイライラしたりと、とにかく無意識のうちに眉間にシワが刻まれていることが多い私です。

 また、腰痛からくる痛みにも苦しめられてますます顔が歪んでしまっているのだって、うっすら自覚してますし。つまり、悲しいかな、放おっておくと「不機嫌」が常態化しやすいというのが最近の私だと思います。

 そして、この私という人間が醸し出す「不機嫌さ」、はたから見ると本当にみっともないですよね。まず美しくないし(眉間の縦シワだけでなく、口角が下がり、ほうれい線だってバッチリ…)、負の念をまき散らしているので、周囲もかなり迷惑。そんな自分もなんとなく客観的に理解できるため、イヤ気がさして本当にガッカリな気分になってしまうことが多いのです。

 そんなとき突き刺さるのが、

 「不機嫌は罪である」!!

 もう、このタイトルだけで私にとっては致命傷です。まさに痛いところを撃ち抜かれた感覚。本書は2018年に書かれた新書で、私は初版のものを持っています。

 ということは、ずいぶん前から自分の不機嫌常態化に危機感を持っていたとみえます(笑)。つまり、全然改善されていない…。ということで、最近また手にとって読んでいるところです。

 本書前半(第一・ニ章)の要点は以下の3つ。

 ①現代社会は24時間他人の不機嫌にさらされる時代である
 ②にもかかわらず、現代では「職業としての上機嫌」が求められている
 ③職場で不機嫌でいることの不利益は図りしれず、天才と子供以外は上機嫌でいるに限る

 これらを覚えておくだけでも、上機嫌に近づいていると齋藤先生は述べておられます。

 本書後半(第三・四章)は、どのように上機嫌を作り出すのかについて書かれています。

 不機嫌は「性格」ではなく、あくまでも「状態」なので、どんな人も不機嫌を治せるとのこと。そして、初心者は「穏やかな上機嫌」を目指しましょうというのが齋藤先生の提案です。モデルはズバリ半跏思惟像。

 いやぁ、素晴らしいです。この境地、たどり着けるものなら本当にたどり着きたいです…。

 さて、では具体的にどうやって不機嫌を直していくかというと、体を適切に動かすこと。つまり、凝り、冷え、固まった閉じた体から、柔らかで、温かく、イキイキとした体に変えていくことで、上機嫌を作り出すことが可能なのだそうです。

 特に第四章では、様々な「上機嫌を保つこころの習慣」が挙げられていますが、ゆったりと落ち着いて温かい体が、穏やかな心を作り出す。このことを肝に銘じたいものです。

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