スーツケースに詰め込んでいるのは夢じゃなくて、中年のおしゃれ心と現実です。【Short letter】
どんな人にも「よくわからないけれど好きなもの」があるのではないかと思います。
わたしのそれは黄緑色。
だからついつい黄緑色のグッズを見つけては買い、家に置いて満足しています。
最初に買ったノートパソコンであるクラムシェル型iBookも、スペックの関係でグラファイトになっちゃったけど本当に欲しかったのはキーライムでした。
サッカーチームのユニフォームカラーでいうと、湘南ベルマーレや鳥取ガイナーレの色。そして鈴鹿ポイントゲッターズの「ゲ・G」の色。
特定の贔屓チームを持たない私でも、ちょっとユニフォームが欲しくなってしまうような色です。
ポゲほんとうにかわいいよ。ポゲ。
さて、今日はスーツケースとパッキングの話。
もちろん私のスーツケースは黄緑色です。
安物だし、持ち主の性格が雑なので今では傷だらけですが、空港で預けた時ベルトコンベアにチラ見えしただけでも目立って見つけやすいのと、可愛い色が気に入っているのとで手放せずにずっと使っております。もう一度言いますが可愛いんです。
丈夫でお高そうなリモワのキーライムに浮気しそうになりましたが、やはり私が好きなのは上品な光沢のリモワではなく、ペカペカのカーボンが光っている愛用のスーツケースだなと思いなおし、壊れるまで使おうと思っています。
外見はいい。問題は中身なのだ。
「予想ではもうちょっと人間的に成熟してるはずだった。」
20歳の誕生日を迎えたときにうっすら浮かんだその言葉は、30代になってより鮮明になり、40を過ぎたところでどーんと全身にのしかかってきました。
子供の頃思っていた大人はもっともっとなんでもできて素敵なはずだったのに。素敵な大人になるってどんなことなんだろう。
かつて私は、中村慎太郎氏にこう言ったことがあるそうです。
「自由なおじさんの文章じゃないと若い人は読まないよ!」
全く記憶にないということもないけれど、ばっちり覚えている決め台詞ではない。でも似たようなことは常日頃から思っているので言ったのは間違いないでしょう。
私は誰よりも自由な中年でありたいと思っています。
歳を重ねるごとに抜けなくなる固定概念や、アップデートできていない知識たち。そういうものをそういうものだとちゃんと理解して、束縛されすぎないようにっていつも思ってます。
だけどそれが「自由なおじさん……」のセリフに行き着いたのは、ちょっとした教え子の言葉が印象に残っていたからかもしれません。
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