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30年たってから父ちゃんが好きになったて話

どうも、私です。

私な、家庭環境が悪かってん。
地方都市に産まれて、男尊女卑の長男信仰の祖父母と対立する母親って構図で育ってさ。

母親の味方でいることでしか生きられんかってん。だから母親はいつも優しく甘い訳ではなくて、いつだって母親にとって良き子供であることを求められた。

父ちゃんは影なし。
もともとは父ちゃんが浮気して仲悪なったらしいけど。

父ちゃんは本当に影なくて、私の中でもなんの印象もなかった。好きとかもよく分からん。
だから父ちゃんとの接し方もよく分からんくてさー。

私が大学出て体とメンタル壊して地元に帰ってきたある日のこと、
なんの理由か忘れたけど私の眼の前で父ちゃんと母親が罵り合って喧嘩した。

仲は悪かったけど、2人が罵り合うようなことは子供の前ではしないようにしてたみたいやから、
そんな2人を見るのは産まれて初めてやった。
(心配せんでも、見たことは無くてもいつも空気は悪かったから、ちゃんと悪い影響はあったよ)

母親は「ええかげんにしいや!」とか言うてどっか行って、父ちゃんが残った。
私は黙ってたんやけど、とてもつらかった。
その時私はとっくに成人してたし、2人の仲に期待も願いもなんも無かったけど、やっぱり目の前で怒鳴り合うのは心が粉々になりそうやった。

父ちゃんは一息ついて、
私の頭をわしゃわしゃって撫でて
「ごめんなぁ」
て言うた。

その一言に、父ちゃんは子供が傷ついていることが分かる人なんや!て驚いたし、
その心に気付いて撫でて貰ったのは、うん。
産まれて初めてやったね。
周りに大人は沢山いたけど、誰もそんなことしてくれなかった。
だから気付いて撫でてくれたんやってことに、涙がでた。

そのたった一回で、私は父ちゃんを許そうて思ったんや。
別に恨んでたとかそんなんは無いけどな、なんかもう、いいやって思ったんよ。

それで母親はどうしたか言うと、戻ってきて
「あっはは〜あんな喧嘩したん初めてやわ〜」と笑ってふざけてた。
私の心には全然気付かないし、興味もないんよこの人は。

それから、私は父ちゃんの優しさが見えてきた。

私の幼少期、父ちゃんが何もしなかったのは、
浮気の引け目なのか母親に拒否されたのか知らないんだけど、ひとつには、ものすごく恥ずかしがり屋という理由がある。
なので、私を慈しんでいることは今も昔も表立って見せない。
でも私にぽつぽつ相談してきたり、ひょっこり来ては顔を見て5分もたたずに帰っていく姿に愛情を感じてきているし、そんな父ちゃんを愛らしく感じてきている。

これが、30年たって私が父ちゃんを好きになってきた話。

因みに母親とは絶縁。

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