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3歳 幼稚園に入園した私の話

3歳、私は遊ぶのが大好きな子どもだった。

3歳になった私は念願の幼稚園に入園した。
兄と一緒の幼稚園に通う私は、自分のことを兄と同等に思っていたし、
両親も私と兄を対等に扱っていた。

何事にも積極的に取り組む私はすぐに幼稚園に馴染み、
お遊戯会でも主役のつもりでいた。
年少クラスのお遊戯会はダンスだったけど、
私のなかでは私がセンターで私が中心だった。


この頃になると、友達と一緒に遊ぶ時間がぐんと増えた。

遊びと言えば専らダンゴ虫をつついて丸めて一か所に集めたり、
ひたすら滑り台を滑ったりしていた。
あと、子どもの頃に誰もが一度は通る道だと思っているんだけど、
アリの巣を埋めたり水をかけたりして、
アリがたくさん巣から出てくるのを見て楽しんでいた。

だけど、ある日、事件が起きた。
幼稚園バスを待っているときに
アリを手に乗せて遊んでいたら手を噛まれてしまった。
それまではアリは自分より弱くて抵抗されないものだと思い込んでいた私は、まさかのアリの逆襲に心の底から驚き、恐怖心が芽生えてしまった。

当然、大泣きして、それ以降はアリを触ることもしなくなったし、
アリの巣を埋めてる友達を見たら
「やめなよ!アリさんかわいそうだよ!」
と偽善者ぶった注意をするほどアリへの見方が変化したものだった。


私は同じクラスのAちゃんと仲が良く、よく一緒に遊んでいた。
Aちゃんとのエピソードで1番強く印象に残っているのは、
ある日のAちゃんの一言。

「あのね、Aちゃんね、でべそなんだ!」

私はそれまで「でべそ」というものを知らなかったし、
聞いたこともなかったので、
Aちゃんが何を言っているのかわからず戸惑っていた。
すると、その様子を察したAちゃんは服を捲り上げて
自分のでべそを見せてくれた。衝撃だった。

それが、私が生まれて初めてでべそを見た瞬間で、
それ以降、私はでべその人に出会ったことがない。
(ちょっと調べたら、でべそは2歳までに治るものが大半みたいですね)

Aちゃんとは高校で再会したけど、
可愛い人が多くて目立っているグループに所属していたAちゃんに
他クラスの普通な私がでべその話をしに行くことはどうしても出来ず、
結局あのでべそがどうなったのかいまだにわからない。

Aちゃんのでべそは、無事治ったのだろうか。
まあでも、元気そうだったし可愛かったし、
きっと治っているんだろうと思うけれど。


また、私は、近所に住むSちゃんのことが大好きだった。
幼稚園のクラスが別々だったので遊べる時間は限られていたけど、
時間の許す限りは常にSちゃんと一緒に遊んでいた。
Sちゃんはとても優しい子で、たくさん友達がいて男の子たちからも好かれていた。
私はそんなSちゃんと仲良く出来る自分が好きだったのかもしれない。

私は事あるごとに幼稚園の先生にお願いしに行っていた。
多分、相当しつこかったと思う。

「年中さんにあがるときは Sちゃんと おなじクラスがいい!
 せんせ、ぜったいだよ! やくそくだよ!」


私の周りは優しい人たちがたくさんいて、
だからこそ私の自己中心的な性格は留まることを知らず
どんどん自分中心の世界が作られていった、そんな感じだった。

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