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(日記)富士吉田に行ってきた

 フジファブリックが好きだった。高校2年の秋、当時リリースされたばかりの赤黄色の金木犀という曲を聴いた私は、どことなくノスタルジーなその楽曲の雰囲気と、美形なのになぜか物寂しいボーカルの瞳に囚われてしまいました。

 そのボーカルは志村正彦さんと言って2009年のクリスマスイブに夭逝してしまうのですが、そんな志村さんの故郷である山梨県富士吉田市はファンにとってはもはや聖地となっています。

 私はこういう性格なので、身内でもないのに墓参りとか行けないワとかあーだこーだ言いながら、要は遠路はるばる山梨県まで足を運ぶ勇気がなかったのだが、ついにこないだ訪問することになったのでその話です。

 年明けてすぐ、東京に住む友人がこの夏グランピングに行こうと誘ってくれました。なんでも川口春奈ちゃんと横浜流星くんのドラマで使われたグランピング施設があるらしく、大変人気だと言います。(後から分かったけど予約が早かったのでまさにロケに使われた部屋だった)なんかよくわからんまま二つ返事でOKしたら、旅行2週間前となった頃、それが山梨県のしかも富士吉田ということが分かったのでした。

 行けないよな行けないな、けどいつか行きたいなと思っていた富士吉田になんかよくわからんまま辿り着いた感じ。こんなことある?って感動しながら、それでは是非とも下吉田に行きたいですということで、向かうは下吉田駅。

改札で入場券を買い、中に入れていただく。(この時点でパネルが見えるぞ!)

こんにちは


 聖地巡礼なんて・・とか言いながら張り切って写真撮りまくる私。そんな姿を沢山カメラにおさめてくれる心優しい友人たち(音楽に疎い人々)(志村さんって誰状態)


この表情がまさに彼!

 
 その後駅の隣にあるカフェ(下吉田倶楽部)に行こうとしたら、なんとclosed。仕方ないのでまた違う近くのカフェへ。風が通り抜ける素敵な店だった。コーヒーをいただく。


そういえば、駅に行く前にみうらうどんにも行きました。

志村さんが吉田うどんならここといっていたお店

 
 吉田うどんとは富士吉田のソウルフードで、私はふるさと納税返礼品で一度食べたことがあるのだが、現地で食べるのはもちろん初めて。この辺でいう牧のうどん的な活気あふれる田舎の食堂といった感じで、太くてモチモチの麺は固茹ででうどんというよりもち。うどんというかほうとうに近く、うどんと聞かされて食した友人たちは皆無言でした。吉田うどんは悪くない。むしろ最高。お店はお客が常に入れ替わっていて大繁盛でした。

 そして、忠霊塔へ。


 平日だったので観光客はそれほどおらず。梅雨真っ只中のはずなのに、天気に恵まれました。富士吉田をのぞむ美しい景色。奇跡的に富士山が姿を見せてくれました。

 そしてこの近くにはこんな札が。

 この展望デッキは今年できたもので、ふるさと納税寄付によるものだとか。てことは私も入っているのか知らん?実は富士吉田市には毎年ふるさと納税しています。いろんな自治体に納税しているけど、富士吉田市はお返しがあたたかいのです。


 さて日も暮れて、グランピングの景色はこんな感じ。

 少しずつ暗くなっていく空、見上げると一等輝く星を見つけた。

 それから真っ暗になって、ひとしきり飲んで食べてさて寝るかってなったけど、その前に寝転んでみんなで星を見た。

 私の地元もこの街以上に田舎で星がよく見えるところなんだけど、こんなに溢れんばかりの星は久々。


 そもそも私は去年までバリバリにサラリーマンをやっていて、旅行はおろか、ちょっと遊びに行くことだって躊躇われた。自分の時間も、心の余裕もなくなっていた。それがこうして、私はなぜか誰かが計画してくれた旅行によって、いつかは来たかった場所に来ている。星降る夜を見ている。覚めた夢の続きに期待をしている。梅雨なのにこの旅行はなぜか快晴なんだ。なんて奇跡なんだと思う。

 
 会社を辞めることは私にとってはやはり大きな決断だった。迷う瞬間もあった。それでも今全く後悔はしていない。こうして富士吉田に来れたことが奇跡みたいだし、福岡に居たって、家に居たって、奇跡みたいなことは沢山起こっているわけです。そういうことに気づけるようになった。だから私は、大丈夫だと思えた。

 
 星降る夜になったらをBGMに流そうとしたけど、携帯にダウンロードしていなかったことに気づく。それでも志村さんの歌声は脳内再生余裕だった。通り雨に降られることもクラクション鳴らされることもあんまり得意ではないけど、そんなことどうでもよくなってくるほどのテンションも知ってる。私は志村さんの思想にいろんな自分を重ねている。高校生の頃から。

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