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日記:2024年2月28日 晴れ

・久しぶりの晴れ。このところ睡眠が破滅していたのは長らく陽の光を奪われていた事によるセロトニンの分泌不足のせいだと勝手に推察している。いや、そうであってくれなければ困る。

・来月にはひとつ下の弟が寮を引き払って一時的に戻ってくるらしい。俺にとって嫌いな人間とはもはや天体を数えるのにも等しい規模で存在するが、彼はその中でもいっとう折り合いが悪く、存在そのものを呪詛しているため極めてストレスフルだ。向こうとてそれは同じであろうが、なにしろ10年以上はまともに口を利いた覚えがないので推し量る他ない。つまるところ年子の兄弟などというものこそ、生後間もなくから身内間での競走を強いられる資本主義の申し子であり、お互いにとって不幸でしかない。まったく唾棄すべき親のエゴだ。もっとも筋合いから言えば長兄である俺の方こそ速やかに実家を出て然るべきで、しかし今のコンディションで独居などしようものなら直ちに野垂れ死ぬこと相違ないのでもう2〜3年ほどはこのままご厄介になるしかないとみている。諦めて塩でも撒いとこ。

・昼はサイゼリヤ。このところは行く度、着実に不便さが増している。原価率が高いからってなんにでも唐辛子フレークを振り回していたツケが回ってきたとでも言うのだろうか。特に最近は企業努力だけで価格を維持しようと努めるあまりコストカットが著しく、結果としてあまり芳しくない日本の経済状況が露骨に反映されるようになっていて切ない。カントリーマアムなんかもそうだが、量を減らす実質的値上げをそうとは言わず「お客様のご意見を反映してさらに食べやすくなりました!」などという御為倒しで顧客の側に転嫁してくる企業の不誠実さたるや、信義則に照らして許される域を確実に越えている。

・そんな内心穏やかならざる思いでメニューを睨むと、なんと俺がサイゼで唯一こよなく愛しているイカ墨パスタにさえ改定のメスが入っていた。これには愕然とする。確か「30年続くこだわりメニュー」がお前の売りではなかったか。写真を見るとジョジョ2部で「このホテルはインク入りのスパゲッティーを食わせようってのかァあぁ〜ん!?」と主人公を唸らせたあのドス黒さがすっかりと漂白されている。俺はそこに黒歴史、過去の瑕疵を一切許さぬ現代社会の縮図を思わずにはいられない。こいつはメチャゆるさんよなあああ。しかしまぁ、他に食べたいものもないのでひとまず注文してみる。

うーむ

白い。とはいえ、なかなかサイゼリヤに来てまでお歯黒を塗りたくるような奇矯な人もあまりいないだろうし、読み手の存在を考慮して比較用に以前までの物も載せておく。ツイッターランドの連中は相互も含めてなにかとサイゼリヤを叩きやがるが、それを見る度に俺は静かに心を痛め、じゃあテメェ、イカ墨パスタを500円で出す店ほかに知ってんのか?と胸ぐらを掴みたくなる衝動に駆られている。確かに初デートのアプローチとしては落第点なのだが。
以下が改定前のもの。この時期の俺はうめぇうめぇ、ボーノボーノと言いながら喜んで一人で二皿を平らげていた。

こちらが以前のもの(二皿あるのはおかわりの分)

食べないうちからどうこう言っても始まらないので、いざ実食。

ズビズバー

……。

 

あ、普通に食えるね。前までの物と比べると明らかにニンニクやトマトの主張がなくパンチに欠ける所は否めないが、その分イカ墨本来のシンプルな磯の旨みを引き立たせている。いけるぜッ グーーーー。

・思いのほか美味かったのでもうひと皿頼んだ。ランチタイムで混雑していたのもあって極めて機械的に接客していた店員も、まさか平日の昼間からイカ墨パスタを二皿食う人間の出現などは想定していなかったらしく、一見して重複した注文に面食らって俺の伝票を二度見するなど、あからさまに困惑している様子を暫し楽しんだ。すると向こうから笑顔で「びっくりしました」と声を掛けられたので、こちらも「美味しかったのでまた頼んじゃいました」と軽く微笑みながら、ついドラマ版の井之頭五郎みたいな返事をしてしまった。忙しい時間帯にこのような事で申し訳なく思うが、ほんのひと時でも和やかな瞬間を提供できたのならよかった。

・日記を始めてからというもの、X(Twitter)にわざわざ書くことが無くなった。嘘。昨日はちょっと書いてしまった。とはいえ有り体に言って人に好かれるような運用はしてこなかったし、今後ともその気はないので、続けるほどにうっすらと人から嫌われていく感覚に精神を削られていたため減らしていくのは良い事。これがいい機会と思う。正直どうでもいいネットの有象無象にブロックされるのはともかくリアルで面識があると流石に堪えるし、なにより会うと気まずいので殊にアニクラ関係は最初からアカウントを分けるべきであったな、とやや悔いている。ともあれこれでくだらないゴシップや論争とはサヨナラだゼ! 書くのに飽きて帰ってきたら、そん時はまたヨロシクな!

・今さら毎日更新を始めたきっかけは特に無いが、一貫したテーマのない箇条書きなら無理なく続けられると分かってきた。本当は最低限エッセイとしての体裁を保った上で続けたかったのだが、なにごとも出来もしない形に拘るよりは手の届く小さな所からこつこつ実践していく方が良いという事にようやく気付いた。およそ万象一切に当てはまるであろう普遍かつ当然の真理だが、こういうのは実感を得るというのが大切なんだ。「体験」とか「体感」といった字面の通り、フィジカルを通さぬ内はただの知識でしかない。つまりはそう、Lesson5はこの為に。
ありがとう、ジャイロ。それしか言葉が見つからない。

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