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日記:2024年3月25日 雨のち曇りのち雨

・人を殺して家族ぐるみで隠蔽するといった悪夢を見た。もちろん当の「被害者」は現実では元気に存命中である。バラバラにして焼却した頭部を抱えながら良心の呵責に苛まれるという非常に険しい内容だった。我ながら毎度手を替え品を替え、様々なパターンで精神的自傷に及ぶものだと感心さえするが……。

・そんな事もあって午前中の業務は終始うつらうつらと憔悴していたため、もはや記憶にない。挙句、電車の遅延で朝食を食べ損ねたので空腹ものしかかり、パフォーマンスとしては劣悪この上なかった。社会人失格。ただ、何故かノルマ分はこなした形跡があった。よかったね。

・あまり振るわない一日だが、今日はきちんとモチベーションを保つためのイベントがあった。「アイドルマスター」は765プロ、高槻やよいちゃんの誕生日である。となればやる事はひとつ。

仁後さん当日は外しがち

・高槻市のやよい軒、通称「高槻やよい軒」に二年ぶりの来訪。毎年ごった返しになっているイメージで実際に整理券も配布されるほどの臨戦態勢であったが、外した時間帯だったためか並ばずにすっと入れた。去年は別のイベントと重なってしまったのでやむなく見送ったが、ほぼ毎年のように訪れている。正直、ご近所なのでその気になればいつでもふらっと立ち寄ることは出来るのだが、職場からは正反対の方角に位置するので平日の今回はやや難儀した。この「聖地巡礼」はアイマスPの間でもかなり有名な話で、この日のためだけに全国津々浦々からやよい担当が押し寄せてくる一大イベントだ。元は有志がネーミング一点張りの当て擦りで始めた完全な非公式活動であったが、今では地元住民や当該店舗の従業員の間でも「やよいちゃんパニック」として風物詩と化している。

・自分がこの列に参加し始めたのは2015年頃からだったと思う。当時はただの定食チェーン店にさながら百鬼夜行じみて並ぶオタク達の異様さに地元の方々もたじろいでいた。ついには訝しんで「これはなんの列ですか?」などとこちらに問い掛けてくるのに対して、一から高槻やよいちゃんの説明をする事もなく、ただ奥ゆかしくシラを切り通すオタクを見て感心した覚えがある。まさに知る人ぞ知る密かな催しであった。当のやよい軒側もこの奇祭の事はそれとなく察知していたようで、いちいち告知とかもしないが、ある時から分かる人にだけ分かる立て看板や整理券でささやかに寄り添ってくれるようになった。もちろんアイマス公式とはなんの関係もないのでキャラクターにも言及することはない。お互い必要以上に騒ぐことはせず、ただ慎ましやかにご飯を食べて帰るだけの雰囲気はファンコミュニティの在るべき姿のようで好ましい空間だった。

・そんな地道な活動が身を結んだのか、ついに2022年にはアイマスと高槻市が正式にコラボ。高槻やよいさんはめでたく「たかつき観光大使」となった。今でも街中では彼女のラッピングバスが走行し、地元の人々にも「やよいちゃん」として広く認知されるまでになった。このような事になるとはつゆとも思っていなかったため流石に感慨深いものがある。

・このように観光大使として独自にデフォルメ化までされているのを見ると、「らき☆すた」の柊かがみが鷲宮神社の「かがみん」として半ば独立した形で地域に根付いた例を思い出さずにはいられない。信仰が日々遠のく現代日本において、新しい土着信仰の形成過程を目の当たりにしているようで神妙な面持ちになる。実際、地元の子供たちにとって幼少期の傍らにずっと「やよいちゃん」が居たとしたら、それが当たり前のように日常へ溶け込んでいくのではないだろうか。

・閑話休題。この日にやよい軒を訪れるPの暗黙の了解としては彼女の好物……というより専らの主食である「もやし」を多く使ったメニューを頼むのが通例である。いちばんオーソドックスなのはずばり「しょうが焼き定食」であろう。見ると周りの同業者も一様にしょうが焼きを食らっている。人のことは言えないが皆見た目が完全にオタクなのですぐに分かった。あまりに切ないのでせめてもの抵抗に眼鏡は外して食べた。

ζ*'ヮ')ζ<うっうー!!

・うーん美味しい。これの為に一日絶食してたのでなおのこと沁みる。どちらかと言えば千切りキャベツの付け合わせなのだと思うが、濃いめのタレの生姜焼きにマヨネーズが添えてあると嬉しンだ。味噌汁を豚汁に変える魔法は190円もしたが具沢山だったので良しとしておく。あと、やよい軒で欠かせないのは無料の漬け物。これだけ別に売ってほしいくらいのブツで、毎度一人で卓上に置かれた分全部食ってます。

毎食これがいい

・トドメに無料のだし茶漬けで有終の美を飾ろうと思ったが、卓上のポッドに入っていたのは普通に水だったので完全に失敗してしまった。無念。

・やよい軒を出て、私鉄の駅を背にして少し歩くとそこに駿河屋がある。ここも毎年やよい誕生日を店先でお祝いしているので一見の価値がある。寄せ書きにあるイラストが上手い。パネル横のモニターでは一生アニマスの「キラメキラリ」だけがループで流れていた。

来年もまた来られるといいな


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