2022年8月28日

内側が左右差でひっくり返りそうな時ほど、音楽は何の役にも立たない。日頃何でもない時には心を和らげてくれるのだが、肝心な時に役に立たないというのは本当に、たかがエンタメということを強く感じさせられてしまう。


絵画は本当に難しい。
教養のない人間が美術館へ行くと、「いかにその気になれるか」みたいなゲーム感覚になってしまう。今日見たのは17世紀のオランダの絵画。特に関心を惹かれたのは風俗画で、何気ない日常のワンシーンと思いきやそこには姿勢、服装、表情、絵に描かれている小物等あらゆるものにメッセージ性が示唆されているということがキャプションに書かれていた。ただ絵を見るだけでそんなことが読み取れるわけがない。学がない僕はしばしば「はぁ?」と思いながら見ていた。
この展示の最大の目玉は、フェルメール作「手紙を読む女」である。最近になってこの絵には画中画が描かれていたが何者かによって後から塗りつぶされたことが明らかになり、それを最新技術で取り除いて復元することに成功したというのである。画中画に描かれていたのはキューピッド。個人的に、絵の中でかなり大きな割合を占めているこの画中画は、無い方が絵全体の落ち着きがあって良かったなと思った。それぐらいに存在感のあるキューピッドだった。
昨日の神戸市立博物館に続き、大阪市立美術館に行って2日連続で絵画鑑賞をすることになった。普通に生きていては絶対にこんな機会に巡り合わないので、旅は道連れ、偶然に感謝である。


いつの間にか口の中に血の味が広がっていた。疲労困憊。胃は荒れ動悸は怪しく、何でこんな事になってしまったのか。気がつけば2時間程あてもなく彷徨っていた。相変わらず音楽は役に立たなかった。
ようやっと脳に酸素が回りだして、大阪駅内の551蓬莱に行った。蓬莱の豚まんは不思議だ。コンビニでも買えるホットスナックである豚まんが何故こんなにも美味しくなるのか、僕にはよく理解できないが兎にも角にも美味しい。ここ数年大阪に来られず食べていなかったので格別だった。

単純な生き物なので、美味しいものを食べて元気が出た。心斎橋の商店街へ戻り、安めの価格帯の服屋を巡った。別に旅行に来てまで買う必要のない服を買ってしまった。財布も痛いし荷物も増えるし、困ったものだ。帰り際に寄った和菓子屋さんでも和菓子を買ってしまった。
大阪の人は本当に売り込むのが上手い。上手いというか僕に耐性が無いから買わされてしまう。服に和菓子に買わされて、財布は既にすっからかん。何度口座からお金を引き出せば良いのか。かなり予算をオーバーしてしまっている。戻ったら厳しく節制しなければならないと思い、帰りたくないなぁとウジウジしている最終夜だ。

明日は海遊館に行く。僕は「海遊館に行きたいな。大阪行くか。」と思ったので今回関西旅行をするに至った。つまり明日が唯一最大の目的である。水族館と聞くと沖縄の美ら海か大阪の海遊館というイメージが個人的にあるので、とても楽しみだ。

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