2022年11月7日

新海誠監督最新作「すずめの戸締まり」のIMAX先行上映に行ってきた。
まず始めに、先行上映という普通の上映とは違う形式の放映に初めて参加したので、映画が始まる前のお知らせや予告が無いというのがとにかく新鮮だった。僕はあまりお知らせや予告が嫌いではないのであっても無くてもどちらでも良い人間なのだが、あれが気に入らないという人からすると快適な映画体験になりうるだろうと思った。
そしてIMAXという形式である。IMAXで映画を観るということはこれまでに何度もあり、今更特別に感動するということはないが、改めてIMAXの導入ムービーのダサさにはある種感動を憶えた。映像美、音響の素晴らしさが売りなのだが、それ以上に、導入映像のダサさで客の気分を一定レベルに引き下げてから本編に入ってくれるので、緩急を付けてくれるという意味でとても良かったと感じた。あの映像が流れている間は観ているこちらが恥ずかしくなってくる。
2つも大きめの感情を憶えてしまい、雑念だらけの頭で本編を迎えた。僕は今回、新海誠著の小説版を読んでから映画鑑賞に向かった。小説を読んでから映画を観るというのは初めてのことで、新鮮な感覚だった。何が新鮮かと言うと、「話の内容は知っているのに映像は初めて観る」ということが新鮮だった。2度目の映画鑑賞とはまた違う独特な感覚。文字とアニメーションの情報密度の差や重心の位置の違いが大変興味深かった。文字で読んでもイマイチ情景が理解出来ないシーンを絵で一瞬で説明し切ってくれる部分があったり、反対に映像にするには削ぎ落とさなければならない隅々の小さな実在性を文字では拾い上げてくれていたりと、両面の違いを感じることが出来た。原作小説を読んでから映画を観るというのも悪くないなと感じた。そして映画そのものについては、やはり面白いと感じた。内容については触れないが、分かりやすく面白く、まとまりがあって満足感がとても大きかった。やはり圧倒的映像美というのが新海誠作品で一番目を引くところで、それはスケールの大きさだけでなくディティールの細かさであったり写実性であったりする部分の素晴らしさとして現されていると僕は感じた。1人では流石に観に行かないが、誘われでもしたら上映期間中にもう一度観たいと思う作品だった。
個人的には「天気の子」より好きだったので、公開されたら色んな人に観てもらいたいと感じた。その時はぜひ、IMAXで。

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