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世界一でかいウミガメ=オサガメ ~種ごとの特徴①

ウミガメは世界に7種います。
日本で産卵→3種類(アカウミガメアオウミガメ・タイマイ)
日本に来遊→5種類(上記3種+オサガメ・ヒメウミガメ
日本に来ない→2種類(ケンプヒメウミガメ・ヒラタウミガメ)
・・・の、合計7種です。
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今回は、オサガメ(英名Leatherback Turtle/学名Dermochelys coriacea)について書きます!


<ザックリ特徴>
世界一大きいウミガメで、全長はざっくり2mくらいになります。一番上の写真は、横の姿は産卵に来たお母さんガメ(=成熟サイズ)。
外見がとても特徴的で、甲羅がいわゆる“亀甲模様”ではなく頭からお尻側に向けて縦長の線が7本入っているだけです。また、他のウミガメのような硬いウロコは無く、細かい骨片が集まった甲羅の上は皮膚で覆われているだけです。この特徴から英名はLeatherback(革の背中)とつけられ、和名は“長いカメ”で長亀と書きます。口元も特徴的で、主食のクラゲを食べやすい「W」のような形をしています(下写真参照)。他のウミガメとは特徴が大きく異なるため、分類上も「科」が違います(普通のウミガメはウミガメ科。オサガメだけオサガメ科)。

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<ザックリ生態&生息状況>
産卵は基本的に熱帯地域の特定の海岸で行われますが、餌を求めてウミガメの中では一番北まで大回遊します。潜水も得意で、1,000メートル以上潜ります。日本にも来遊し、稀に目撃情報があります。

大平洋のオサガメは非常に危機的状況にあり、ウミガメの中では絶滅リスクが最も高い「絶滅危惧ⅠA種(Critically Endangered)」に指定されています。タイマイやケンプヒメウミガメと同じ危機ランクですが、状況は更に深刻です。
減少の原因として、マグロの延縄漁が世界的に最も問題視されていますが、保護のための卵の移殖も悪影響を与えていると考えられます。全卵移殖&放流をしたマレーシアのオサガメ赤ちゃんは戻って来ること無く絶滅し、太平洋最大の繁殖地だった東部太平洋も今は成熟個体が約600頭しかいなくなりました※1。
※1関連記事:20年以内に絶滅するだろうという2013年の記事

<ELNAの活動>
ELNAは太平洋最大かつ最後の聖域とも言えるオサガメ繁殖地で、オサガメを人の影響から守るため活動を続けています。

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上の写真は、生まれたての赤ちゃんはELNAの活動地、西パプア州から巣立った子(この頃はまだウロコがある)。

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ウミガメ生態は分かっていないことが多く、ELNAは関東周辺で死亡漂着するウミガメの調査をしています。解剖している上の写真は、千葉県に死亡漂着した時のもので、大きいですがまだ成熟サイズではありません。

*太平洋のオサガメや活動について詳しくはコチラ
https://www.elna.or.jp/conservation-leatherback/

*世界のオサガメについて詳しくはコチラ
https://www.iucnredlist.org/species/6494/43526147
(IUCNレッドデータのサイト。大西洋で増えている箇所があるため、種全体では"危急種"に指定。ですが、太平洋の個体群はもっと絶滅が深刻な「絶滅危惧ⅠA種(Critically Endangered)」に指定されている。)

※最近の世界のウミガメ状況についてもっと詳しく知りたい方はこちら
https://www.iucn-mtsg.org/regional-reports
(IUCNウミガメ専門グループの最新レポート。こちらのレポート作成やデータ公表にELNAも協力しています)

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