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ルドン、ロートレック展_2021_01

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皆さん、「ルドン」「ロートレック」という名前やその作品をご存知でしたか。

私の中では、ルドンは暗い印象で悪夢みたいな作品が多い印象で、ロートレックに至っては存じ上げず。正直、この美術展に行くかどうかを、ギリギリまで迷っていました。

だけど、三菱一号館美術館の初代館長 高橋明也氏の著書(とても良かった)を最近読み、取り上げられていた「三菱一号館美術館」に実際に行ってみたい…あわよくば企画展を楽しめたらいいなあ…というきっかけで行きました。

このような背景で行った美術展に関する個人的な記録です。

展示全体

1894年(三菱一号館の竣工年)前後に活躍した画家の作品が多く展示されていました。その中でもルドンとロートレックを重点的に、といった構成です。

ルドン、ロートレックエリアは特に「ほ〜」の連続でしたが、その後にあった、仏の印象派に影響を受けた日本人画家による作品群も印象に残っています。

なんだろうな。仏の印象派の流れが、世界の反対側の日本で着実に継承されている。文化が入り交じる瞬間を目撃したようで良かったのかもしれません。

一番の推し作品

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック «『彼女たち』横たわる女─目覚め»

娼館の女性たちの日常を描いた「彼女たち」シリーズの一作です。
社会的に自分と近い位置にいる女性たちに対する、ロートレックの柔らかい眼差しと、ベッドと女性の身体を柔らかさを表す曲線の組み合わせが良い。

大変な夜を過ごして、起きてこれからまた変わらない(どうしようもないような)一日が始まる、そんな想像が広がる力が抜けるような作品で好きです。

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おまけ

「おまけ」というタイトルの割に、4つものトピックを話しています、ごめん。

1. 初 三菱一号館美術館

外壁や階段、廊下から所々の真鍮部品まで、ビジュアルがお洒落な印象の美術館でした。

高橋氏が著書で述べていたとおり、展示室の壁の色が赤みがかったグレーブラウンで、著書でその目的や決定までの流れを知って見るとグッとくる。(書いていて思ったけれど、聖地巡礼みがあるね。)

2. モローの作品が展示されていた

展示室の一番初めの作品を見た瞬間、この作品好きだぞ…この作風見たことあるぞ…と思ってキャプションを見たら、モローさんの«ピエタ»でした。道理で。

主役が浮かび上がっているような明暗差や、緻密なくらい細かいタッチ、あと金色の表現;好きな詰め合わせです。

国立西洋美術館にも同じタイトルの作品があるのですが、今回展示されていた作品(岐阜県美術館所蔵、岐阜すごい)の方が大きいサイズ。すごい。

3. ロートレックさんの作品を以前に観ていましたわ

冒頭に「ロートレックについて存じ上げず……」と書いたのですが、実は以前に作品を拝見していました。それも本場のオルセー美術館で。

作者名を全然覚えずに、漠然とよかったな〜と思い買ったお土産のマグネット。毎日、ロートレックさんの作品を冷蔵庫の扉で見ていました。帰宅してから気がつきました。無知は罪。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック «ベッド»

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*«ベッド»シリーズについて、ここで見れます。

一番の推し作品と上の作品と、私はロートレックさんが描くベッドが関わる作品が好きなようです。
描かれている表情の無防備さとベッドの皺のリアルさ艶めかしさが好きです。

4. ルドンさんの«グラン・ブーケ»について

最後に、おそらく三菱一号館美術館の推し作品について。

作品の迫力もさることながら、他のシリーズ作品はオルセー美術館にあるのに対し、この作品だけ日本にあることがすごい。思わずキャプションを三度見しました。
「この作品を入手するまで」みたいな記録があれば是非読んでみたい。

行くきっかけは聖地巡礼だったけれど、しっかり展示を楽しめてよかったね!
以上、「1894 Visions ルドン、ロートレック展」に関する記録でした。


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