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4万円で記事を書くライターが、たった5000円で記事を書く理由

タイトルのとおり、私はふだんは時給5000円以上、編集は1万円ほどのお金をいただいて仕事をしている。

(「そんな私が」という言い方は偉そうではばかられるのだが、)私は最近、記事1本5000円や無償で記事の執筆を受けた。それは「保護猫」の記事だ。

私が自分の時給を無視して、格安で仕事を受けているのはなぜか。それは、保護猫は私の「ライフワーク」だからだ。


「ライフワーク」と「ライスワーク」

みなさんは「ライフワーク」と「ライスワーク」という考え方をご存知だろうか?

ライフワーク=夢や好きなことを追い求める、自己実現するための仕事
ライスワーク=ご飯を食べる(お金を稼ぐ)ための仕事

という考え方だ。

よく、ライターさんからこんな相談をもらう。

「自分の好きなジャンルの記事だけを書くのと、需要の高いビジネス記事や自分が知識のある得意分野の記事を書いていくのはどっちがいいんですか?」

この質問に詳細に答えるためには1万字くらい使いそうなので、簡潔に書くと「ライフワークとライスワークで分けて考える」ことをおすすめする。

つまり、収入のベースは「需要が高く、報酬も良い仕事」を受けつつ、「好きなこと」は収入度外視で仕事を受けるということだ。

「好きなこと」でお金を稼ぐのは大変

なぜ「好きなことは収入度外視で」なんてとち狂ったことを言うのかというと、「お金を稼げる業界」は決まっているからである。

もちろん、ビジネスや医療、AIなどの「好きなこと=需要が高い業界」であれば何の問題もない。ただ、先の質問をしてくれる方の多くは「好きなこと=お金のない業界」もしくは「競争が激しい業界」だからだ。

たとえば旅や美容。このへんの業界は仕事をしたい人(ライターもインフルエンサーも)が多いので、働き手の競争が激しく、高いお金を出さなくても人が集まる。

音楽をはじめとするエンタメや、保護猫、SDGs関連はお金のない会社も多く、ライティングに予算が取れないことも多い。(もちろんビジネスモデルやメディアによる)

「好きな業界でお金を稼ぎたい!」は、お金のある業界・会社で、スキルがある人ができる、狭き門だと思っている。

だから私は「好きなことでは、お金を稼がない」と割り切っているのだ。その代わりに、お金がある業界・需要のある仕事でしっかりお金をいただいている。

薄給労働は“戦略的”に

格安で仕事を受けることには、もうひとつ目的がある。「その業界での実績づくり」と「ブランディング」だ。

私は今年から「保護猫ライター」と名乗っている。保護猫のために自分のスキルで貢献したいのもひとつだが、もうひとつは「あわよくば、猫関係のPR案件が欲しい」である。(正直)

以前から保護猫・猫関係のメディアには携わっていたものの、自身で記事を書くことは少なかった。そんな私が「猫商品のPRします!」と言っても、だれも仕事を頼まない。

だから、正直なことを書くと「保護猫について記事を書いている人」という実績を貯めることで、自分のブランディングにもつなげている。(もちろん、保護猫業界に貢献したい気持ちも大きい。)

私の友人も、ある業界で破格の値段で仕事を受けていた結果、メディアでの連載の依頼が来た、なんて話もあった。

ところで、私はGIVEという名目のもとにされる搾取が嫌いだ。だから「みんな、安い報酬だけど我慢して働いてね」というつもりは毛頭ない。

伝えたいことは「安い案件を受ける時は、自分へのメリットを考える」ということ。駆け出しの時は「記名記事だから」と受けるのもよし。「憧れのあの人に取材ができる」でもよし。

あくまで戦略的に、だ。


ここから編集後記的な。

えらそうなことを言っているけど、いちばんは「大好きな猫のために何かしたい」と思った時に、私ができることが「ライティング」だと思った。

ブランディングとか言っているけど、保護猫の取材に行くのは楽しいし、なにより私にできることがあって嬉しいと思う。

うまいまとめが見つからないけれど、保護猫や猫に関するお仕事、ぜひご相談ください!

もうすぐ記事も出るので、お楽しみに!


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