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【お題日記】 「我が家のペット自慢」

 我が家には三頭のポメラニアンがいる。かれこれ10年以上も前の話。病気で生活の改善を余儀なくされた頃のことだ。これまでの楽しみが大幅に減らされて気が滅入っているときにたまたま妻と入ったペットショップでほとんど一目惚れ同然で男の子のポメラニアンを我が家に迎えた。お店に入るまでは猫を見るつもりだったのがすっかり心奪われ、何度かお店に通って迎えたのは犬だった。これまで犬を飼ったことがなかったので最初に揃えておくものも一緒に準備した。名前は「チャイ」と命名。トルコ語で「お茶」のことである。新婚旅行でトルコに行ったときにチャイばっかり飲んでいたからだ。

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我が家に来て1ヶ月くらいのチャイ

 続いて翌年の五月、日頃共働きで一日中チャイに留守番をさせ寂しい思いをしているだろうからともう一頭ポメラニアンを迎えた。最初のペットショップでだいぶ大きくなってセールに出ていた元気な女の子が愛嬌もあったので迎えようかという話になる。ちょうどその時iPadを買うための予算があったので急遽iPadは二頭目のポメラニアンとなってわが家にやって来た。ちょっと成長してはいたがそんなことは問題ではなかった。名前はエルマと命名、最初の子がトルコ語の「お茶」だったので次の子も同じトルコ語で「りんご」という意味だ。

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我が家に来た日のエルマ

 ここで寝ちゃいけないとでも思っていたのか、我が家にやってきた晩はこんな風に眠気を堪えていたのを覚えている。エルマのおかげでチャイも留守番中退屈はしないで過ごすことができたと思う。もちろんできる限り早く帰るようには心がけていた。

 エルマを迎えた翌々年の2月に三頭目のポメラニアンを迎えた。チャイ、エルマを迎えたペットショップで小さいときからいたブラタンの女の子がいて、色も珍しいのですぐに誰かに迎えられるだろうと思っていたらずっと売れ残っていた。お店に行くたびに遊んでいたのでいつしか情も移り、三頭目として迎え入れることにした。

 先の二頭がトルコ語から名前を取っていたのでそこは三頭目も同じようにしようと「ラーレ」という名前をつける。トルコ語でチューリップのことだ。

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我が家に来た日のラーレ

 こうして今でも我が家は三頭のポメラニアンが居る賑やかな家庭である。ペット自慢というのがどうにも苦手で。できるだけ普通の犬として育てるのが我が家の考えだったのでアイドル犬だのモデル犬だのとも全くの無縁だった。

 ただ一つ他のペットにはないものといえば、我が家は四国巡礼がライフワークにもなっているのでペットの彼らも四国八十八カ所をすべてお参りしている(犬の立ち入り禁止のお寺が数ヶ寺あるが)「お遍路犬」である。何度もお寺に連れて行くにつれ主人がお経を唱えているときはジッと大人しく待っているものと心得るようになった。おかげで札所の納経所では一緒にお参りしているようだと褒められる事もあった。これまでの遠出は北は北海道から南は九州までいろんな場所に行っているが、その中でも四国が圧倒的に多い。

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札所一番霊山寺

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札所四十五番岩屋寺

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札所六十番横峰寺

逆打ち2016夏_0076

札所八十八番大窪寺

 四国八十八箇所を結願できたペットなんてそうそういないのではないかと思うのだけど、自慢できる事などと言ったらこんなことくらい。あとは写真を撮るときはじっと静かに並んでいてくれるのも我が家では当たり前と思っているけれど他の人から見るとなかなかできないことと言われる。これを利用して商店街などで写真をよく撮っていた。

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谷中銀座

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戸越銀座商店街

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鎌倉・御成通り(このお店は2020年11月で80年の歴史を閉じました)

 我が家に犬がいる。それだけでも家庭の空気は和らいだと思っている。本当は猫好きだった僕も妻もいまでは犬好きにすっかりなってしまったくらいだ。またポメラニアンを通して本当に素晴らしい人たちとも繋がりができたことも自慢の一つでもある。全く違う世代、職業、居住地の人たちと数多く知り合えたこともまた彼らが我が家にいたからこその事だと思っている。三頭の彼らだけでなく、そこからつながった全てのことが今の僕にとっては自慢と言えよう■



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