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山奥のある村での調査報告

こんにちは
最近夏バテなのかお疲れ気味で、主食が果物になっています。
そもそもタイに夏バテがあるのか不明ですが、
体調的な理由で機動力が損なわれるのは確かです。

今日は高校時代、タイの山奥にある村に行った話をしようと思います。
村があるのはチェンライ県。
近年放送された「千の星の物語」のロケ地にもなっています。
山いっぱいに美しい茶畑が広がるカレン族の村です。

この村=ヒンラートナイ村の人々は自給自足の伝統的な生活をモットーとしているため、あえてタイ国籍を取らず独自の言語で会話を行い、経済活動をしない生活をしています。
街で茶葉を売ったお金で、生活に必要なものを購入してはいます。
村には学校があり、そこでタイ語を学ぶので子供達の多くはタイ語が使えます。
宗教は仏教ではなく村独自の精霊信仰。女が大黒柱として働き、男は子供や家畜の世話と家事をする女系な文化があります。

雄大な茶畑の景色が広がるこの村の農業手法は「焼畑農業」です。
と言っても「持続可能な焼畑農業」ですので森林破壊ではありません。
大きい木よりも小さな木の方が実はCO2の吸収量が多く、古い木を燃やして新しい木に変える作業はカレン族の伝統的な森を豊かにする方法でもあります。
ですが山の下の街人や政府にとっては街に灰が降ってくるんじゃないか、自然破壊じゃないかと焼畑だけに少し煙たい存在でした。
私は強者(国家)に叩きのめされるこの痛々しいこの村の歴史に同情をしたのか忘れましたけど、日本に帰ってすぐに小論文を書きました。
その小論は偉い人の目にとまり、あるプレゼンコンテストでも発表することになりました。

それは今はどうでもいいのですが、(そもそも本当に衝撃を受けたのは農業の話ではなかったが、農業の話なら食いつきがいいと思い選んだテーマだったから)本当に関心があったのはここからです。

この村を後にした翌日、チェンマイ県に移動しました。
チェンマイはタイの第二の都市です。
この日は地元の博物館に行ったり路上生活者向けのNPOに行きました。

チェンマイのストリートチルドレンたちの多くは身体を売って生活していることを私は知っていました。
でもなぜ身体を売っているのかまではわからなかったです。
NPOに話を聞きました。
ストリートチルドレンの親は元々山岳民族たちです。
若者は田舎に飽き飽きして都会やお金に目が眩んで山を降りてきたそうです。カレン族の村で頑なにお金に目がくらまないように決まりを作っていたのは若者が村を出ていってしまうという理由があったからだとわかりました。
しかし山岳民族ほとんどの人は国籍を持っていませんので働くことができません。そこでいわゆる立ちんぼになり身体を売り始めました。
これは男女関係ありません。男性も女性もです。
性を売る若者たちは地元マフィアに世話になることが多いです。同じ界隈のコミュニティに入るなら避けることはできません。
地元マフィアは彼らの孤独や心の傷を麻薬の力で癒やし、生活を麻薬で支配しました。
こうなればもう村には戻れません。
村に戻れず寂しい思いをし、同じ境遇にある娼婦(男娼)と恋に落ち子供が生まれます。それがストリートチルドレンです。

今度は子供が自分の体を売って親の麻薬代を稼ぐようになるのです。
そしてストリートチルドレン同士の子供が新たなストリートチルドレンになるのだと言います。

幼い頃から性的なことに触れているので、ストリートチルドレンは人間関係がバグりがちです。
保護をして小学校に入れることが簡単にはできません。
理由は様々ですが、よくある理由を紹介します。

まず大前提として小学校のクラスメイトに性的な悪戯をしてしまいます。体のどこをどう触れば気持ちいだとかを知っているのでクラスメイトと仲良くなりたい時のアプローチとして身体を触ります。
親としてはたまったもんじゃないですよね。だから簡単には小学校に入れさせられない。
ストリートチルドレンの心境としては親の仕事を見てきて、それを自分も仕事にして、性的なことが生活の中心にあれば友達のなり方なんてこれしか思い浮かばなくてもしょうがないわけです。

もう一つよくあるケースが自分の仕事やパフォーマンスに自信があるケースです。ストリートチルドレンたちは自分の身体を売ると言う商売において、自分の腕前や経済力に誇りを持っている場合があります。
学校に行かなくたって、自分たちは稼ぐことができる、賢いと思っています。こう言った子供は小学校には通わず、麻薬目的に身体を売り、そのあとは自分の子供を働かせるといったサイクルの中にとどまり続けます。

この話を聞いて、思い浮かんだのは昨日の村の人の顔でした。
今まで何人の若者が村から出て、このようになってしまったのだろう…。
自分よりも年下の子供たちが麻薬中毒になって子供を産み育てる状況に静かに衝撃を受けました。

こう言った子供たちの保護や更生支援を世界中NPOが行っています。
アートセラピー、避妊具の支給、エイズなどの粘膜系の感染症の予防接種、教育、配膳、性病の治療、活動は団体によって違います。

私が事態を目の当たりにしたのは17歳の時。
この時のことは鮮明に覚えています。
この記事を読んで、あなたはどんな気持ちになりましたか。
自分は幸せな世界に生まれたと思ったんじゃないでしょうか。

あまり世に知られてないことと接した身として
知識を共有することで村や子供達、さらには読んでいるあなたにとって有益なことが起こるかもしれないと思い、烏滸がましいですがお話しさせていただきました。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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