友だちに対するリスペクトの言語化
所々、頭がカタイ自負がある。200種類の毛糸が絡まってる状態で目の前に置かれている、頭の中のモヤモヤは私にとってそんな感じ。「この絡みを解くのか…いや、見ないふりを…いや…ほぐすか…」そんな感じで長年頭でモヤついてたんだよ。「友だちへのリスペクト」というトピックが。
私はいささか「やりすぎ」なとこがあって、基本金額も予算も、己の時間的なキャパも度外視で、人にぶち当たっていくところがある。んで、ま、自分がやった分だけ返ってきたと実感したことは正直ないんだよな。一時期それが寂しくってやんなっちゃってたけど、ある人に「いや、あんた軽々やることが人にとっては軽くないから無理やで」と言われて「ま、私の愛情表現ってボルケーノ並みだもんな」と納得した。
そもそもなんだけど、私は学校というシステムが合わなくて、そこでできた友だちという存在が本当に友だちなのかと思うときがあった。同い年というだけで一括りにされて、同じ箱に並べて座らされただけ。長い年月かけて削ぎ落とされ「アタイら超友だち！」という数人が残った。
保育士辞めてバズフィードに入って出会った同僚も友だちっていうか同僚だったし、フリーになって出会った人は何かしら仕事が関わったりする友だちって感じではなかったような気がする。
ひょんなことから出会った子がある日「あきちゃんちに友達つれてくわ」と言って現れたのが柴崎まどかちゃんだった。もう5、6年経つのかな。
別に仕事仲間でもなく、利害関係もなく、1人の女の子を挟んでの繋がりだったが、気づけば私はまどちゃんにたくさん写真を撮ってもらい、人生全てのイベントに立ち会ってもらう関係になった。
まどちゃんはプロのカメラマンで、腕一本でお金を稼いでいるのに、私は彼女に無料で写真を撮り続けてもらってた。結婚式は5000円払った、娘のお宮参りも5000円払った。もっと安かったかも。
ふとしたときに、でも「これって、甘えだよな」って思った。フリーで仕事してると「友達だから安く」とか「友達価格で…」と言ったり言われたりしてた。そこにずっと「？？？」と思いながらも「そんなもんか」って思って生きてた。
でも、ふとまどちゃんのことを考えると、やっぱりなんかそれは違うなって思った。だから、今回まどちゃんが主催する撮影会に正規の金額を払って参加してきた。
指定されたスタジオに行くと、メイクさんとスタイリストさんが待ち構えてて、かなりたじろぎながらプロによるメイクを受けました。シンビヨウの撮影以来でワクティカしていた。
隣でメイクしていた麗しい人が「まどかさんに写真撮ってもらうとオーディション通るんですよ、事務所も決まるし。だから、今日の撮影会、本当に気合い入れてニキビ作らないようにしてきました！」と話してた。
まどちゃんが後から登場して、ニキビを作らないように頑張っていた女の子を撮っている姿を私は眺めていた。すごくかっこよかった。我が家で私の娘の写真撮ってる姿と全然かわらなかったのに職人を感じた。
「まどちゃんは本当に写真を撮って人を幸せにして、お金を稼いで、猫のへいすけを養って、ご飯を食べているんだ」当たり前なんだけど、働く彼女を見て尊さを感じた。
「はいよーあきちゃんの番よー」とまどちゃんに呼ばれて、普段通りたくさん写真を撮ってもらった。めちゃくちゃ楽しかった。スタイリストさんが選んだ服を着た私をみて「ねえ、首長くない？あきちゃんそんな首長かったんだね」「脚なっげー！身体の2/3脚やん」「てか、痩せたねー」と、長い付き合いなのに気が付かなかったこと、私は私として生きてきたのに気が付かなかったことが浮き彫りになり、それで笑い合う時間。めちゃくちゃ平和だった。
「あきちゃんってどんな子とか何やってる子とか説明しづらい。だから聞かれたら『友だち』って答えてる」めちゃくちゃシンプルな一言だったけどすごく嬉しかったんだよね。
何やってるかとかどんな子とか、そういうのどうでもいいから「友だち」。そうだよな、それでいいんだよなって。
今回まどちゃんにきちんとお金を払ったことで、まどちゃんとの関係がしっかり見えた気がしたし、彼女の働く姿を間近でみたことで今までとは違った尊敬の気持ちが生まれた。
友だちだから「友だち価格」じゃなくて正式な金額でお願いする必要があるなと思った。だって絶対提示されてる価格以上の価値がある人間なんだよ、みんな。たまに甘えるのはいいかもしれない。でも、それは「甘え」だと理解すべきだった。
友だちへの甘えだって成立するのは相手が受け止めてくれてるから。それは親やパートナーも一緒だ。甘えと敬意、この二つが完璧に整理された一日でした。みんな私のことを愛してくれてありがとう。私もみんなのこと愛してる。まどちゃんの写真が楽しみだな
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