私が家族でスイス旅行に行きたかった理由

初の海外旅行がスイスだった。それも一人旅。

20代の終わりに差し掛かり、周りはどんどん結婚していく。仕事は充実しているけど本当にそれでいいのか。一人は楽だから結婚はしてもしなくてもいいと思っている。でも本当に？このまま一人で過ごしていく覚悟はあるの？何か分からないモヤモヤした気持ちがまとわりつく日々。
とにかく変わりたかった。何かを見つけ出したかった。英語もできない自分が小さい頃に夢中で見ていたアニメ「アルプスの少女ハイジ」のイメージを求めて旅立った。

結果、形あるものがすぐに手に入った訳ではなかった。でも自分の中で大きな変化に繋がった。

英語ができない中で身振り手振りで伝え、それが伝わった嬉しさ。何もしないと伝わらないけど、何かしら行動すればそれが身になることが分かった。
動物が当たり前のように電車に乗ってくるなど、日本とは全く違う文化。日本で当たり前に過ごしているその状況はあくまで日本の中でしか通用しないんだということが身にしみた。
そして何より壮大なアルプスに囲まれる日々を過ごしていると、地球上の中で人間はちっぽけな存在だと思い知らされた。

自分が過ごしてきた日々は本当にちっぽけなものなんだ。世界はとっても広いし、自分に合った生き方ってもっと違う所にあるのではないか。
そう強く思うようになった。

そこから生きることがとても楽になった。無理に人に合わせることもなくなったし、自分が生きやすい生き方を考えるようになった。
自分らしい生き方ができるのであれば家族を持ちたい。世間の家族像にしばられない自分なりの「家庭」を作り上げたいと強く思うようになった。

その後結婚し、2人の子供にも恵まれた。
結婚したのも子供ができたのも、遡るとスイスへの一人旅が一つのきっかけになっている。
だからこそ、家族ができたら一緒にスイスへ行こうと決めていた。
そしてこの夏、念願かなってスイスへ家族旅行へ行ったのだ。