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フリーランスになりたかったはずだった。【エッセイ】

2022年の8月に勤めていた会社を辞めてフリーランスになった。

最初のうちは何をやっても思ったように稼ぐことが出来ず、バイトと掛け持ちで生活をしていたので、実際の暦は2年目になる。

1. 頭の中のモヤモヤ

最近はメンタル面での体調が悪く、毎日頭の中のモヤモヤと戦っている。
それは何かのきっかけで来る日もあれば、突然やってきて心臓をバクバク鳴らしてパニックにさせることもある。
予定していたスケジュールに一つも手を付けられない日があるくらいだ。

考えられる原因として、
生活をしている中でのストレスや仕事への不安はもちろんあるが、そんな悩みでここまでやられてしまうのかと、そんな自分に驚いてしまう。

大切な人と幸せに過ごしたい時間や、やりたい仕事を進めたい時間が、ことごとく頭のモヤモヤに潰されてしまう。

今回はその中でも『仕事に対するモヤモヤ』について書こうと思う。

2. フリーランスになりたかった

僕には夢があった。

会社で働いていた頃、フリーランスになることを夢見ていていた。

会社を辞めていざ自分で事業を始めたが、うまくいかずにアルバイトを掛け持ちしていた頃、フリーランスになることを夢見ていた。

朝早く起きて満員電車に乗ることなく、家でパジャマのまま仕事がしたかった。

毎日カフェでMacBookを開いてスタイリッシュに仕事がしたかった。

今日、僕は上に書いたことが全て出来ている。

実際に僕は今、目の前に絶景が広がるカフェでMacBookを開いてこの記事を書いている。

2年前の自分が見たら「最高じゃないか」と言うと思う。

CAFE B&BAY (カフェ ビー&ベイ)

外から見れば「何が不満なのか?」「何が不安なのか?」と思うだろう。
これについては、おおいに不満であるし、おおいに不安でもあるのだ。

会社を辞める前やバイトを掛け持ちしていた時は、
「この仕事だけで生活が出来るようになれば良いなー」ぐらいなもんだった。
それは仕事内容も収入についても同じだ。

人間の目標、いや、もはや社会的なノルマのようなものは年を追うごとに高くなっていく。年齢を重ねることで、社会的視線がどんどん痛くなる。

「25歳にもなるのにそんなフラフラしていて恥ずかしいぞ」
「いつ無くなってもおかしくない仕事だぞ」
「結婚はどうなるんだ、彼女を一生守れるのか」
「将来こんな状態でどうするつもりなんだ」

普通に働いている同級生や家族と話す度に、直接こんな言葉を言われないまでもそう言われている気がする。
自分でも自分に対してそう思っている。

実際に僕はフリーランスと言っても、
最近YouTubeなどでよく見る令和の虎の社長たちや、その辺の事業家たちの足元にも及ばない。
かといってアーティストやフリーのカメラマンなどのような自分にしか出せない才能で仕事をしている訳でもない。

家族に「何の仕事をしているのか?」と聞かれた時には
「ネットで物を売ったり、宣伝したりしている」
と答えている。

本当の事なのだがふわっとしすぎている。
説明しても分からないと思うし、僕の仕事なんて20個やって1個当たるようなものなので、次会った時には違うことをやっているかも知れない。
(家族とは遠く離れたところに住んでいるので年に1回会うかどうか)

人に誇れる、堂々と説明できる仕事をしないと。
安定した収入を稼げるようにならないと。
将来を見通せるような生活をしていかないと。

どれも近い将来に出来そうになくて気が遠くなる。

3. 「ちゃんと進んでるよ」

今の彼女は、僕が新卒で入った商社を辞めて正真正銘の「無職」だった時に出会った。このアカウントの「エリート無職」という名前はその時に付けた。

僕が落ち込んでいると、彼女はよくこう言ってくれる。

「ちゃんと進んでるよ」

完全に無職だった僕、アルバイトを掛け持ちながら事業を始めた僕、今フリーランスとして自分で働いている僕を最初から見ていた彼女ならではの言葉だ。本当に感謝してる。

確かにそうだ、進んでいる。2年前のあの頃に比べればすごく進んでいる。
今後どうなるかは分からないが、とりあえず今は生活が出来る収入もある。

2年前の付き合いたての頃、デートに行く度に、裏で来月の支払いや借金の返済が出来るかどうかの心配をしていた。
クリスマスにディズニーに行こうと予定していたが僕のお金がなくてキャンセルになってしまった。
とても悔しかった。情けなかった。

今はささやかではあるが、少し多めに稼げた月には二人で高めの焼肉屋さんに行くことにしている。
僕はこの会が結構好きだ。とても美味しそうに肉を頬張る彼女の顔を見ると仕事を頑張って良かったと思える。
そしてこの「ちゃんと進んでいるよ」という言葉を実感する。

黒毛和牛 淀屋橋 「牛の膳」

彼女の必死な励ましで、その時は「ゆっくりではあるが進んでいるのだから良いじゃないか」と思えるのだが、またふとした瞬間にはそんなことを忘れて不安に駆られてしまう。

頭では分かっていても何度もこれの繰り返しだ。
このnote記事に【これによってモヤモヤが解決した】という結論はない。
今も尚、モヤモヤと戦っている最中なのだ。

いつかまた自分の人生が次のフェーズに進んだ時に、この記事のアンサー記事を書きたいと思う。








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