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「今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略」田中健之輔

私はアシスタントプロダクトマネージャーとして、一年前に現在の会社に入社しました。
でも、この職種が自分に合っていて、自分の強みが最大限に使えているのかを日々疑問に思っています。
なぜなら、私が好きな情報を収集してまとめて共有する、ということを日々やっていないからです。逆に、苦手な戦略的な決断や予期せぬ状況への対応を日々やっています。
そこで、先日本屋に行った際に、転職コーナーでこの本を見かけてすぐに購入しました。

この本に紹介されている、キャリア戦略を考えていくためのエクササイズや発想を紹介していきます。

1-自己認識


キャリア概念


・キャリアで重要なのは、結果ではなくプロセス。
・仕事に対して心理的満足度が高い人→キャリアのプロセスを大切にしている。
・次の3点を考えることが鍵を握る。①過去(これまでの経験)を受け入れる。②現在(今置かれている目の前の状況)を客観的に捉える。③未来(これからどうなりたいのか)を構想する。
・組織から独立するのではなく、関係を深める。
・ファーストキャリア形成期(22歳~35歳)で大切なことは、現場でもとめられるスキルを身につけ、ビジネスパーソンとしての基礎固めをすること。ここでの経験が長く働いていく際の足腰となる。

キャリア視点

・DX(デジタルトランスフォーメーション)とCX(キャリアトランスフォーメーション)
・コロナ禍でやるべきは、DXとCXの視点で、働き方や生き方を改善していくこと。その際に認識するといいのが、「空間の視点」と「時間の視点」。

キャリア戦略


・「現代版プロティアン・キャリア形成」
・アイデンティティ(自分らしくあること)xアダプタビリティ(変化適合力)
・ポイントは、キャリア形成を閉じないこと。キャリア形成を個人と組織の諸々の関係性の中で「開いて」考えることを意識する。
・「自己の強み」は、これまで投資した期間(時間)x積み重ねてきた経験(中身)から見出すことができる。
・「経験の質」がズレていてはダメ。

トレーニング・キャリアナレッジ分析シート
蓄積したキャリアナレッジ「強み分析シート」
強み・投資した時間・積み重ねてきた経験→3つ書き出す
(自分の中で「やり方が理解できていて、アウトプットまでコミットできる」強み)
②伸ばしたいキャリアナレッジ「今後のキャリア計画シート」
伸ばしたい強み・投資する期間・積み重ねていく経験→3つ書き出す

・言語化することの効果は、意外に大きいもの。シートに書き込み、それについて意識し始めると、日頃の情報収集のなかで、伸ばしたいキャリアナレッジ関連の情報が自然と目に留まるようになるから(「カラーバス効果」)。
・「計画的偶発性理論」+「戦略的実践(Strategic Practice)」
・行動を起こしておくことが偶然の出来事の活用につながる。
・キャリアの8割は戦略的実践によって決まる。

トレーニング・3S分析
①自己(Self):あなたがこれまで働いてきたことでどんな自己資本を蓄積してきたかのを把握し、そして、今の仕事でどのような資本を形成できているのかを考えてみる。
②状況(Setting):あなた自身が今置かれている状況を捉え直す。自分の位置を把握するために、自分をとりまく状況を冷静に分析することがポイント。
③社会(Society):今何が起きているのか、これからどうなっていくのか、自分なりの仮説を持つようにする。働く自己の社会的存在を意識できるようになる。その業務がどんな社会的インパクトにつながるかを考えられるようになる。

・セルフビジョン=あなたがこれからどう生きていきたいのか、どうなりたいのかの未来像。
・セルフビジョンを定めるには、2つの方法がある:内的対話のアプローチとキャリアデッサン・アプローチ。

・これからの働き方で大切なことの一つは、「作業時間を減らして、思考時間を増やす」こと。
・「作業時間」ワークは、「あなたでなくてもできる」類のもの。
・「思考時間」ワークは、「あなたでなければならない」類のもの。これを一つでも増やし、一つひとつ形にしていく。ここに働く意味がある。

トレーニング・「思考時間」ワーク(10~15分)
①今置かれている状況を客観的に分析
②これまでの取り組みの自己精査
③これからの方向性の算定
④実現に向けたキャリア資本分析

意識改革

・4L理論(サニー・ハンセン教授)
ライフキャリアをうまく形成するのに大切な「4L」:
①Labor(仕事)
②Learning(学習)
③Leisure(余暇)
④Love(愛情)
→各項目を1~5の間で採点する。コンディションが最良であれば5、最低であれば1となる。
5が並ぶようであれば、お金の悩みも軽いもの。しかし、1や2が並んでいる場合には、それぞれ改善していかなければ、今の悩みが軽減されることはない。
・稼ぎ方ポートフォリオを作成する。
職種/求められるスキル/かかる時間/収入
・自分のタイミングで「経済資本」へと転換できる「ビジネス資本」を日頃から蓄積しておくことが不可欠。
・働くとは、生きること。組織にぶらさがることはできない。仕事は自ら創り出していくもの。
・セルフアントレプレナーとして生きる:
①休暇資産を売買する(メルカリやラクマ)
②自分が「つくったモノ」を売る
③自分の「スキル」を売る
④自分の「強み」を伸ばす(自分だけの「オリジナル価値」をつくっていく)
ここでのポイントは、「稼ぎぬく生き方」の練習を、組織に「雇われ続けながら」積み重ねておくこと。
・キャリア形成期には、いただいたチャンスには全力で取り組むべき。どのような仕事であっても、キャリア資本が蓄積されていく。信頼も獲得できる。
・仕事で成果を出すと次から次へと声がかかるようになる。社内で成果をあげれば、次から次へとプロジェクトにアサインされるようになります。また、社外での活動が認知されるようになると、全国各地からオファーが舞い込むようになる。
・好きなことで稼ぐために必要な3つの方法
①好きを嫌いにならない、ハイブリッド・ワークスタイル
②キャリアエフォート・マネジメント
③現在の「消費」ではなく、未来の「戦略」
・キャリアの不安を可視化する
①過去→キャリアの悩み・悩みの解消方法
②現在→キャリアの悩み・悩みの解消方法
③未来→キャリアの悩み・悩みの解消方法
・無我夢中にやるのではなく、「何をやるのか」「何をやらないのか」を明確にする。「選択」と「集中」を戦略的に練り上げる。
・まず不可欠なのが、自信の「ブランディング」。「何ができるのか」「何をしていきたいのか」をソーシャルメディアを通じて発信するようにする。
・現状維持はリスク。特に新しい選択をしたい人には、新たな「武器」があると「安心」。「強み」を育てていきましょう。
・キャリアは何歳からでもブースト(活性化)できる。

2-日々の行動

「自分らしく生きる」を作り上げるためのキャリアナレッジ。
一つひとつのトレーニングを実践していくことで、自己生産性を伸ばす。

トレーニング1:瞑想とメモで、セルフパーパス(自己の存在意義)をイメージする

所要時間:起床時に10分
やり方:①数分間、できるだけ静かな場所で気持ちを落ち着ける
    ②2分間、イメージが浮かんだことをメモ書きする

・思考を整理する時間を意識的に設ける。
・自分は何のためにこれをやっているのか。
・ビジネスで成し遂げたい自己像。家族やプライベートでありたい姿。
・身体は過去と現在の構築物ですが、思考は未来に集中させる。
・瞑想の内容は、これからありたい姿をイメージしていくのに対して、メモ書きでは「そのためにはいま何をすべきなのか」を落とし込んでいきます。未来のありたい姿に向けて、今のアクションを見つめていく。
・内容の重複部分に、自分の大切にしていきたい軸が浮かび上がってくる。
・瞑想とメモは、過去への執着から事故を解放させるトリートメント。
・思考が整理され、周りの情報に惑わされなくなる。
・仕事との出会いによって、経済的にも精神的にも豊かに過ごすことができる。考えられる選択しは3つある。
①今の仕事に夢中に取り組み、その過程でやりがいや生きがいを育てていき、自らの「天職」にしていく。つまり、「天職」とはめぐりものではなくて、自ら「天職」にしていくものだと考える。
②今の仕事に取り組みながらも、他の分野で自分にあった職種を探していく。この場合、副業が最適に手段になる。本業を経済的・精神的な支柱にしながらも、副業で様々な分野でチャレンジしていく。
③今の仕事は「天職」にはなり得ないと判断して、他の職種や職場へと転職する。しかり、転職しただけで、「天職」が見つかる人は、ほぼいない。「天職」を期待するのではなくて、「転職」後に、その仕事を「天職」にしていくことが不可欠。

トレーニング②:一日のイメトレをする

所要時間:歯磨きをしながら5分
やり方:①今日一日のおおよそのスケジュールを頭の中に浮かべていく
    ②パフォーマンスをあげるタイミングを浮かべ、一日のリズムを確認する
    ③(余力があれば)重要な場面のシミュレーションをする

・今日をより良く過ごすためのイメージトレーニング。
・まず、一日のおおよそのスケジュールを頭の中で流していく。会議、商談、新規事業案検等。
・次にパフォーマンスコントロールをイメージする。一日どの予定にピークを持って行くのかを定める。

トレーニング③:思い通りにいかないことで、レジリエンスを鍛える

・レジリエンス=思い通りにいかない出来事に対して、しなやかに対応する状況適合力。
・まず行うべきは、目の前で生じている出来事と自ら置かれている状況を的確に判断すること。

トレーニング④:ネガティブ癖を直し、ポジティブを習慣化する

・「失敗は次なる成功への財産。結果に一喜一憂するのではなく、過程を大切にしよう」
・人生とは思い通りにいかないもの。思い通りにいかないからこそ、うまく行った時に大きな喜びを感じることができる。
・ネガティブは癖。ポジティブは習慣。癖を直し、より良きキャリア習慣を。

トレーニング⑤:セルフアウェアネス(自己認識)を磨く

・日々過ぎていく毎日は、自分たちの手でデザインしていくことができる。
・意識しておくのが、「セルフアウェアネス(自己認識)」。

トレーニング⑥:今日の達成に感謝、自己肯定感を育てる

所要時間:毎晩、5分間
やり方:自己達成シートに、自分が今トライしていることを書き込む
一日の終わりに、「ビジネス」「ライフ」「チャレンジ」の3つに分けて。
ビジネス項目には仕事について、ライフ項目には、プライベートでの今日の自己達成について、チャレンジ項目には、自分が今トライしていることの自己達成度合い。

自己達成シート

・日記は一日の出来事の記録であるのに対して、自己達成シートは一日の達成の集積。

トレーニング⑦:セルフメンテナンスをする

所要時間:金曜日の夜に10分間
やり方:①一人になれる空間を確保する
    ②一分間、目をつぶり、気持ちを落ち着ける
    ③手元に紙や手帳を置き、一週間でうまくいったこと、うまくいかなかったことを3つずつ書き出す
    ④セルフメンテナンスチェックシートで、状態を可視化する

セルフメンテナンスチェック チェックシート

・週末の休みに入る前のセルフメンテナンス
・まず1分間、目を瞑り、深呼吸を繰り返す。次に、1週間の出来事の振り返りをする。うまくいったこと、うまくいかなかったことをそれぞれ3つずつ書き出す。
・マインドメンテナンスの狙いは、ビジネスのストレスを週末に持ち込まないようにすること。
・自分自身のマネジメントもできないのに、プロジェクトのマネジメントはできない。

トレーニング⑧:ビジョンワーク

所要時間:日曜夜に15分間
やり方:ビジョンワークシートに書き込む

ビジョンワークシート

・セルフビジョンを遠い先の姿として思い描くのではなく、できるだけ具体的なイメージとして確認しながら、キャリア形成していく。
・キャリア戦略とは、「どうなりたいか」の理想を語ることではない。これまでの自分、そして、今置かれている状況、それらを取り巻く社会トレンドとの関係性を緻密に分析したうえで定める、中長期での「働き方と生き方の行動指揮・計画」。
・自らのキャリアにオーナーシップを持ち、より豊かな人生に向かって戦略的に舵取りしていくのに役立つ。

トレーニング⑨:SNSをキャリア分身として活用する

・SNSはキャリア分身。自分の考えていることを、伝えてくれるデジタル伝書鳩。
・意識するのは、読んでくれた人にとって、少しでも有益な情報を発信すること。自分目線ではなく、相手目線で知っておくといい内容を発信するようにする。
・プロフィール
①「嘘」は書かない。
②「これまでのキャリア資本」を見える化する。自分のことを知らない人に向けてプロフィールを書いているという自覚がポイント。
③「活躍できるフィールド」や「実績」を書く。
④ソーシャルメディアでの「有機的連動」を構築しておく。
・まず、自分の「ビジネス資本」を書き出してみる。そして、どうなりたいかを具体的に思い描いたうえで、何が足りないのかを明確に導き出し、逆算的に行動していくようにする。
・Twitterやnoteで「今取り組んでいること」や「これから目指すべきところ」を発信し、自分の「ファン」を獲得する。
・自分と異なる「業界」にいる人とのネットワークをつくるように心がけておくようにする。
・個人が「稼ぐ」方法は、格段に増えていく。行動するか、しないかが大きな分かれ目。
・ポイントは、「本業x副業・複業」。複業で稼げなくても、「キャリア資本」は貯まっている。
・プロフィールを上書きしながら、価値を高めていく。「ビジネス資本」を見える化し、社会関係資本を活用して、新たな世界へと踏み出していく。

トレーニング⑩:書く力を高めながら、アウトプット型キャリア形成へ

所要時間:15分間
やり方:①誰に向けて何を伝えたいかを決める
    ②まずは10分間、書いてみる
    ③noteなどに公開し、公開してから改訂を繰り返す

・書きたいリストを日頃から溜めておく。書くことを前提に、聞いたり、読んだり、話したり、しておくようにする。アウトプット型の過ごし方。

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