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2022 012:メアリー・ハルヴォーソン - Amaryllis/Belladonna

実は近年のジャズ・シーンはギタリスト活況の時代で、ジュリアン・ラージやパスクァーレ・グラッソ、ペドロ・マルチンスなど、様々な才能が出ていている。それ以前からいたマシュー・スティーブンスやギラッド・ヘクセルマンも良作をリリースしていて、その意味でも面白い時代だったりする。その中でもメアリー・ハルヴォーソンは通の間で特に人気が高く、今やリリースするたびにそれなりに話題になる。

彼女の個性的な演奏はこれまでになかったタイプのもので、しかも、誰が聴いても、これは新しいと感じられるもの。こういう可能性がまだ残されていたのかって感じのある種の発明みたいなものなので、未聴の方はぜひ聴いてみてもらいたい。彼女がマーク・リボーのグループの一員として来日すると聞いたときは、マーク・リボー自体にはそこまで関心がなかった僕もすぐにチケットを取って観に行ったりもした。そのくらい僕も彼女の演奏に驚いたし、なんとか実際に生で観たいし聴きたいとも思っていた。

そんな彼女がノンサッチと契約をして、EPを2作同時でリリースした。『Amaryllis』『Belladonna』というタイトルがつけられた2作はそれぞれジャズと、弦楽四重奏とのコラボになっている。

『Amaryllis』
Patricia Brennan (vibraphone)
Nick Dunston (bass)
Tomas Fujiwara (drums)
Jacob Garchik (trombone)
Adam O’Farrill (trumpet)
The Mivos string quartet

『Belladonna』
The Mivos Quartet
Olivia De Prato (violin)
Maya Bennardo (violin)
Victor Lowrie Tafoya (viola)
Tyler J. Borden (cello)

これまでのメアリー・ハルヴォーソンが好きだった人にとってはどうかはわからないが、僕にとってはこの2枚のEPはかなり好きな作品で、かなり良いと思って、愛聴している。

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