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日記:京都での3本のイベント 2024:京産大/下鴨ロンド/黒茶屋

京都で3本のイベントをやってきました。


◉5/31:京都産業大学 国際文化学科 舞台芸術文化論 特殊講義「ジャズとアメリカ」

昭和音大でやっている「ジャズ史特殊講義」の中から「ジャズとアメリカ」のプログラムを持っていきました。

アメリカ特有の音楽、例えば、ゴスペルやカントリー、ブルースなどについて話をしました。それらをジャズミュージシャンがどう取り入れているか、つまりアメリカ音楽とジャズの関係の話なんですが、今年はビヨンセのアルバムにバンジョー奏者が参加していたりしたので、そんな話も加えたり、去年の昭和音大の講義をアップデートしてお届け。

基本的には植民地主義、三角貿易、奴隷として連れてこられた人たち、移民などの話。外から来た人、外から連れてこられた人が持ち込んだものによりアメリカの音楽の多くは構成されているって話がしたいので、タイミング的にはぴったりだった気がします。アメリカ音楽って何なんでしょうねって話から、アメリカってなんだろねって話に関心が向かってくれると、話した買いがあったかなって感じです。

講義の後、いろいろ質問をいただけたんですが、そこにいろんなヒントがあったので、それを考慮しつつ、昭和音大のプログラムを考えたいなと思いました。

◉6/1:下鴨ロンド 「インタビューを受ける側のためのインタビュー講座」

音大の学生のために、インタビューとは何か、なぜやるのか、どうやるといいのか、インタビュー記事をどう活用したらいいのか、プロモーションに使えるインタビューにするにはどうしたらいいか、活用できるようなインタビュー記事にするためにはどうしたらいいか、などなど、インタビューを通して、メディアとの付き合い方を考えたりする講座です。

主に僕が取材相手に対して、どのような配慮をしているのか、どういう気遣いが望ましいのか、からの逆算で話しています。あとは、記事化した後に公開したらすごく読まれて、レーベルやアーティストからも喜ばれたケースから逆算して、いい結果に結びつくためにはどうしたらいいかを考えるって感じでもあります。

要は僕が取材する側として考えていること、感じていることを基に、インタビューをやる側も受ける側も、関係者も、ファンも、リスナーも全員がハッピーになるにはどうしたらいいかみたいな話をしたくて始めたものです。東京でやったら好評だったので、京産大の田中先生が京都でもぜひ、とのことで、京都に持っていきました。

ちなみに会場は下鴨にある築90年とかの古民家をリノベしたスペース。正確にはリノベしながら、イベントやゼミなどに使って、その直すプロセスも含めてみてもらおうみたいなコンセプトのスペースみたいです。今でも十分素敵なんですけど、これが徐々に変わっていくこと、そして、極力変えずにその良さを残すために修復することなど、その建物にふさわしい改修が行われていく過程を見られるのはとても面白いなと。箱の魅力だけでテンション上がる企画でした。

講座の中身に戻ると、このインタビュー講座って、メディアに関わる人がどんなことを考えて、どんな仕事をしているかって話なので、インタビューにまつわることだけではなく、記事を書くこと、メディアに記事を載せること、その記事をどう使うか、はもちろんなんですけど、メディアを使って宣伝をしたい側にも使えることだと思うし、そもそも宣伝って何だろうって話だったり、すこし拡張するとブランディングみたいな話にも繋がるものだと思うんですよね。なので、メディアと関わる人にはいろんな面で役に立つ話があると思っています。

あと、大学生や大学院生的には、我々の業界を通じて、「仕事」「働くこと」みたいなものを考えるヒントもあったのかなと。学生さんも来てくれて、いろんなフィードバックをもらえたのはいいヒントになりました。これもさらにブラッシュアップできるなと

スライドを使って話をして終わりじゃなくて、その後の質疑応答をしっかりやれると意義が全然違うなってのも感じたことで、今回の良さを次回やるときにも引き継ぎたいなと思っています。

◉bar 黒茶屋「midnight SHELTER」

築100年くらいの古民家にいいオーディオがあって、おいしいコーヒーやお酒を提供していただける最高なスペースで去年からやらせてもらってるイベントです。

ここでのイベントではDJとはいってもパーティではなくて、どちらかというとジャズ喫茶的な場を作るもの。レコードやCDをそのまま再生して2,3曲流す感じなので、お客さんを踊らせるのではなく、空間のムードを作って行って、みんなが気持ちよくそこで会話をしたり、ゆっくりしたりできるような選曲します。それに合うようにコーヒーやお酒も提供します。だから、みんなゆったりと、ただただゆったりと過ごします。

その感じがすごく楽しいんですよね。普段聴いているものはもちろんですが、この黒茶屋みたいな空間に合うものってことで考えるのも楽しいし、去年は午前中から昼の4時ごろまでみたいな感じだったんですが、今回は夕方から深夜まで。

なので、今回はまだ明るい時間から徐々に日が落ちて行って、夜になる黒茶屋に合わせた選曲ってところで、前回とは全く異なる音源を持っていきました。バラードが多いジャズヴォーカルのアルバムとか、ちょっとスペース多めの即興ものもハマるので、いわゆるDJのための選盤とは全く違うものばかりかけられるのも楽しいです。他にもピアノソロだったり、クラシックや室内楽よりのもの、ラージアンサンブルやオーセンティックなジャズもいける。

おそらく逆にそれを縛りだと感じる人もいそうですけども、僕はこのほうが楽しい。というか、こっちのほうが自由を感じるし、選曲にも喜びがある。こういう企画に読んでもらえるのは本当にうれしいです。

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