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自分の子どもを脅すのかと思った話
友達が出産した。
とにかく可愛いみたいで、子どもの話をするときのテンションが高い。
その友達が、
「子どもがぐずってるときの動画を残しとく。
それで、反抗期になったらその動画で脅して反抗できないようにするわ」
と言った。
友達は笑ってたので、100%冗談だったかもしれない。
言ったことも忘れてるかも。
でもそのとき私の中で、冗談やろ?と、まさかホントに子どもを脅迫すんの?がガス爆発ぐらいの勢いで膨らんだ。
それは私が、おかしくなってメンタルクリニックに通うぐらい反抗期に我慢してしまったから。
うちの母親は、その日の気分とか自分の都合で言うことがコロコロ変わる親だ。
コタツで食事するなと言うけど自分はする。
この前怒ったことを今日は怒らない。
子どもの思い出話でも、そのときの気分で子どもを褒めたりけなしたり。
等 等 等。
私は中学生の頃から反抗期が始まったけど、こんな母親に何を言ってもムダだと思って、一切口をきかなくなった。
ずっとそうしてたら調子がおかしくなって、高校生のとき初めてメンタルクリニックへ行った。
夏の暑さとダルさで、通院だけでエネルギーがなくなった覚えがある。
急に涙が出たり、何もないのに悲しくなったりするので、自分では情緒不安定かと思っていた。
先生に聞いたら、
「あなたは情緒不安定の反対です。
ギュ―ッと押し込められた感じがします」
と言われた。
今なら、母親への不満を我慢しすぎたのが原因だとはっきり分かる。
自分の感情にブレーキをかけてギッチギチになってた。
ちなみに、私が母親に何を言ってもムダと思ったのは、間違いでもなかったらしい。
先生にいろいろ相談したら、そんな親は縁を切っていいと言われたから。
我慢のしすぎで病気になるとは思わなかった。
私は自分で我慢してしまったが、我慢させられる方がダメージが大きいんじゃないだろうか。
反抗期は親も大変だろうけど、子どもだってものすごく苦しい。
その反抗を抑えつけるのは、トイレをさせないのと同じじゃないのか。
母親は、自分は何も悪くないと考える性格でもある。
先生に相談して、何回か母親と話し合ってみたこともある。
けど1ミリも変わらなかった。
このときを思い出すと、いまだに苦しさが手足を突き破りそうで体が震える。
自分は悪くないと思ってる人間が変わるわけないわな。
それでもう母親に関わらないことが自分のためだと確信した。
5年くらい会話をしてないおかげで、前より心が平和だ。
母親は当分死にそうにないけど、どうやって母親の葬式をサボるか考えるとちょっと楽しい。
自分でブレーキをかけた私がこのレベルなので、ブレーキをかけられた子の反動はもっときついんじゃないか。
今の心は前よりラクになった。
でも、苦しい記憶はちょっとしたことでイモづる式に出てくる。
そんなときは涙が出るし、怒りの温度も下がっていない。
自分が抑えた感情はまだ生もので、ミイラにも骨にもなってないことを実感する。
感情を生き埋めにすると、土に還るどころか爆弾になってしまう。
友達とは長い付き合いだけど、母親のことは話していない。
友達は親子仲がいいし、自分のこういう話をするのはけっこう疲れるので。
だから、動画を撮って脅す~のセリフを聞いたとき、冗談みたいに「え~それはやめといたら~?」とも言えなかった。
でもこの先、友達がほんとに反抗期を抑えるつもりならこの話をしてみる。
我慢で死にかけた私からの頼み。
私を増やさないでくれ。
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