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大切な人に本を贈る/4月23日はサン・ジョルディの日

4月23日は「世界 本の日」「サン・ジョルディの日」。本にまつわる素敵な記念日です。


本と花を贈るスペイン発祥のイベント

 4月23日は「世界本の日(世界図書・著作権デー)」。1995年にパリで開催されたユネスコ総会で宣言されたそうです。この日は「サン・ジョルディの日」という本にまつわる記念日でもあります。
 スペイン・カタルーニャ地方では、この地の守護聖人であるサン・ジョルディを祝う日。恋人同士が贈り物を交換し、男性は本を受け取り、女性はバラを受け取るのだそうです。ロマンチックな記念日ですね! 今では男女問わず、本と花を贈ることが増えているそうです。

 人々を苦しめるドラゴンから生贄にされた王女を救った騎士サン・ジョルディの伝説に由来するイベントだともいわれています。騎士が倒したドラゴンの体からは美しい赤いバラが咲き、騎士はそのバラを王女に贈ったといいます。
 この日はまた、『ドンキホーテ』の作者、スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテス、『ロミオとジュリエット』『ハムレット』などで知られるイングランドの劇作家シェークスピアなど文豪の命日でもあります。

 日本では日本書店組合連合会と日本カタルーニャ友好親善協会などが、1986年に4月23日を本とバラを贈る「サン・ジョルディの日」とし、プロモーションを始めたそうです。恋人同士に限らず、友達や家族、お世話になっている方に本や花を贈る日として、バレンタインデーのように広まっていくといいですね。

「サン・ジョルディの日」に贈りたい本

 本好き、本屋さん好きとして、このイベントがもっと盛り上がるとよいなと思い、プレゼントによさそうな本を考えてみました。

『ミトンとふびん』 (吉本ばなな 著)

 このnoteを一緒に作っている友人Norikoに薦められて読み、ぼろぼろ泣いてしまった吉本ばななさんの短編集。台北、ヘルシンキ、ローマ、八丈島などが舞台になっていて、旅するような気分も味わえます。神保町の共同書店「PASSAGE」に棚を借りてから、私たちの棚で一番売れている本でもあります。文庫本も出ていますが、正方形に近い形、美しい装丁の単行本がおすすめ。付き合いの長い女友だちに贈りたい1冊です。

『カンガルー日和』 (村上春樹 著)

 23の小説を集めた村上春樹さんの短編集。400字詰で8枚から14枚くらいの短い話が多く、旅先や移動中などにさらりと読むことができます。とはいえ、短くともしっかり「ハルキ・ワールド」を味わえます。「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」というロマンチックでちょっと切ない1篇も。片想いの相手に栞を挟んで贈る、なんてどうでしょう? 佐々木マキさんの素敵な絵と共に楽しめます。

『あたしとあなた』 (谷川俊太郎 著)

 谷川俊太郎さんの37の書き下ろし詩集。なんと、「この詩集のためだけの特別な紙を作る」ところから始めたという美しい装丁の本。手触りもやさしい水色の紙に散りばめられた言葉たち。
 谷川さんはあとがきに、「〈あたし〉と〈あなた〉が登場するのだが、特定の人物を思い描いている訳ではない。性別も年齢も、物語のかけらのような情景も読者が自由に、その時の気分で想像して楽しんでくれることを願っている。〈I〉と〈YOU〉はあらゆる人間関係の基本なのだから。」と書いています。
 帯には「贈る詩集」と書かれています。贈りものにぴったりの特別な1冊です。

eliaの本棚に並ぶ本

 神保町の共同書店「PASSAGE SOLIDA」に借りている棚にも、私たちのおすすめ本を置いています。最近、古本も置き始めたので、少し雑多な感じになってはおりますが、お近くに来られた時にはぜひ覗いてみてください。
(九州芸術祭文学賞受賞の記念パネルは運営スタッフの皆さんが作ってくださいました!)

(Text:Shoko, Photos: Mihoko & Shoko)

🔳参考ページ
サン・ジョルディのお祭り、バルセロナ (スペイン観光公式サイト
世界 本の日 サン・ジョルディの日 (本屋さんへ行こう!)
サンジョルディの日 (Flower Service)
・ウィキペディア(Wikipedia)


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