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山口県長門に移住する(32):暮らすように滞在する宿ComeShineその2

民泊ComeShineは、
関係人口と、
インバウンドと呼ばれる
外国人訪問者がターゲット顧客層。

インバウンドだって、
関係人口になりえる、
是非、なってもらおう、と思っている。

いくら遠くても、
自分の役割がある場所、
会いたい人がいる場所に
人はやって来る。
何度もやって来る。
家族がそう。
親友がそう。

観光地を訪れて、
写真を撮って、
名物料理を食べる。
それだけじゃ、ツマラナイ、
と思う人はたくさんいる。

私もそのひとり。

2000年代に始まったばかりの
Airbnbにすぐ飛びついたのも、
誰かのお家に泊めてもらって、
その暮らしぶりを体感できのが、スゴイ!
と思ったから。

そのずっと昔、分裂直前のユーゴスラビアを
旅行したとき、クロアチアで民泊に泊まった。

バス停で客引きをしていたおばあさんに連れられて、
民泊まで歩く。

初めて訪れたコルチュラ島が、何故か懐かしい。
おばあさんが一緒にいたからだろう。

おばあさんのお家は、
ごく普通の石造りの家で、
障害者の娘さんらしき方と
2人暮らしのようだった。

あてがわれた部屋は、
質素だけれど、清潔で風通しの良い部屋で、
ホッとする心地よさがあった。

私は、クロアチア語を話さない。
おばあさんは、英語を話さない。

でも、ゼンゼン問題なく、
私はその民泊で一週間ほど快適に過ごした。
観光はせず、
散歩をしたり、本を読んだり、
海辺で酔っ払ったり。

朝市に行けば、
何故か、燕尾服にシルクハットを被った
おじいさんがいる。
その横でバイオリンを弾く人もいる。

「踊りましょう」と
ジェスチャーでおじいさんに誘われた。
踊れない私を、おじいさんが、
見事にリードして下さって、
異国の地の公衆の面前で、
踊る私がいた。

民泊は海のすぐ傍にあったので、
海岸で長い時間を過ごした。
スーパーらしきお店には、
僅かな商品しかなかったけど、
ワイン(100円!)と
オイルサーディンの缶詰を買って、
ちびちびやりながら、
日がな一日海を眺めてた。

時折家族連れが来て、
楽しそうに泳いだり、遊んだりしている。
波の音と、笑い声だけが聞こえる
青い空間。

平和、そのもの。

共産圏の国の人って、
抑圧されてるんじゃなかったっけ?

だけど、会う人会う人、
みんな健やかで、穏やかで、
シアワセそうな顔をしている。
ドウシテ?
シアワセって何?

当時27才だった私の、
あの「?」は、
今も私の中に在る。
私らしい、私だけの幸せの形を
ずっと探してる。

自分の目で見て、感じて、体験して、
暮らすように滞在できる宿。

見知らぬ土地で過ごす日常の中に、
気づきやご縁が芽生える宿。

そんな宿をつくろう、と思ってる。

(冒頭の写真は、湯本のまちの湯、恩湯にて。民泊ComeShineに滞在する方々に通ってもらいたい源泉掛け流しの温泉。)


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