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スソノハジメ/ ITサッカー小説家
2020年8月5日 22:25
赤を基調としたカーペットの広々としたミーティングルームに、14名が2つのグループに分けられた。 久し振りに会った感覚は、誰の心にもなかった。それもそのはずだ。この4か月間、オンライン上で何度も会話を重ねてきた。定期的に中岡からテーマが与えられ、延々とディスカッションをするなかで、互いの考えを理解できたことも少なくない。 ディスカッションのテーマはいつも決まって「答え」のないものだ。「人
2020年8月4日 22:29
青坂慶は、不思議な感覚を抱いていた。伊予北駅で合流した時に、あれだけ嫌悪感を持っていた拓真や空翔に対し、自然と声をかけることができたのだ。 「久し振りだな」 短い一言だったが、曇りのない、落ち着いた心で発せられた言葉に、拓真や空翔の方が驚いたほどだった。 変化の兆しは1か月ほど前からだった。特別意識していたわけではないが、両親に対して「ありがとう」の一言が自然に出るようになった。気恥
2020年8月3日 22:19
電子選手証をタブレットに登録し、メンバー用紙も3枚揃えた。ユニフォームは事前に全員に郵送し、受け取りの確認も取れている。 「いよいよ、明日か」萩中の胸は高鳴った。Cyber FCにとって初の公式戦である、全国クラブユース選手権四国予選が明日の11時にキックオフを迎える。 「ミーティングとコンディショニングを兼ねて」と金丸から提案があり、明日の試合会場からマイクロバスで20分ほどの場所にホ