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本「世界史を大きく動かした植物」を読んだ感想

高原野郎と申します!
標高1000mの高原のような村で暮らしている23歳です。
Youtubeで細々と活動しています。
今回から、こちらをブログ代わりに使っていこうと思います。

本の紹介です

今回紹介するのは「世界史を大きく動かした植物」という本です。
著者は稲垣栄洋さん。
出版社はPHP出版です。

人類の歴史の裏側を支えた植物についてフォーカスして解説した一冊です。

本書の特徴

本書は、タイトルの通り「世界史=人間の歴史」を大きく変えた植物ということで、植物のなかでも農作物を多く取り上げています。

全体的に専門用語が少なく、平易な文章で書かれているため、誰にもおすすめできます!

また、14章構成となっていますが、それぞれの章で1つの植物が取り上げられているため、どの章からでも好きな植物から読み始めることができます! 
1つの植物に対して数ページくらいの文章量なので、サクサク読めました。

僕が読んだきっかけ

ここで、少し僕が読んだ理由に触れておきます。
個人的にブドウ栽培を始めたので、いま植物に対する興味が増しています。

僕がこの本を読んだきっかけは、こんな感じです。
①歴史を学びたかったから。
②最近農業を始めたので、植物に興味を持っていたから。
③今年読んだ「エネルギーをめぐる旅」という本の中で、農耕が人類にもたらした影響が凄まじかったということを学び、農耕に関連した本を読みたかったから。
④最近登録したkindle unlimitedの対象本だったから。

14種の植物を解説!

本書では、14種の植物を解説しています
特にサクラ、ジャガイモ、トウガラシの章が個人的に面白いと思いました。
サクラの見物客が、東京の堤防や埋立地の地盤を固めるのに一役買っていたのは笑いました。

【本書で紹介されている14種の植物】
コムギ、イネ、コショウ、トウガラシ、ジャガイモ、トマト、ワタ、チャ、サトウキビ、ダイズ、タマネギ、チューリップ、トウモロコシ、サクラ

今回、このnoteでは、14種の中から3種をピックアップして紹介していきたいと思います!

イネ

イネ

連作障害のないコメ

イネは、日本にもともとなく、東南アジアが原産です。
戦国時代の日本の人口は、同じ島国のイギリスと比較して、なんと6倍多かったといいます。
人口を支えることができた理由は、「田んぼ」です。
当時、コムギは1粒の種から3~5粒しか収穫できなかったのに対して、イネは1粒の種もみから700〜1000粒も収穫できました

普通、作物は連作することができません。
(連作=作物を同じ畑で連続で作ること)
コムギやジャガイモや豆類などは、3年に1度畑を休めるなどして、栄養素がを回復させないといけないんです。
ただし作物によっては、化学肥料をまけば連作できたりします。

イネは、毎年栽培できますね
しかも、東南アジアなどでは三毛作といって、年3回イネを収穫することもあります。
これはすごいことなんです!
理由は、水田の水を引くときに栄養を山から補給してくれて、水を抜くときにミネラルや有害物資質を洗い流してくれるから

そして、コメは栄養満点です。
玄米とダイズを合わせれば、必要な栄養素を補完することができます。

イネの種もみ と コムギの種

ジャガイモ

芽がでたジャガイモ

悪魔の植物から、大凶作ヨーロッパの救世主へ

ジャガイモは、南米のアンデス原産です。
コロンブスがアメリカ大陸が発見したのをきっかけに、16世紀にヨーロッパに持ち込まれました。
アリゴやニョッキなど、今ではヨーロッパ料理でもメジャーな芋ですが、もともと芋はヨーロッパにはありませんでした!

毒ある芽が生える醜い姿から「悪魔の植物」というレッテルが貼れれてしまいましたが、冷涼なやせた土地でも育つ特徴からヨーロッパ中で栽培されます!
大凶作を救う作物として、ドイツやアイルランドを中心に重宝されました!

そして、ジャガイモは大航海時代の必需品となります。
当時は原因不明の壊血病で多くの船員が死んでましたが、航海の食糧としてビタミンCを含んだジャガイモを食べ始められると壊血病はおさまりました。
日本のカレーライスにジャガイモが入っているのは、カレーが日本に伝わるときに、イギリスの海軍のカレーにジャガイモが入っていたから、だそうです!(笑)

トウモロコシ

トウモロコシ

トウモロコシなしでは、もう世界は成り立たない。

トウモロコシは中米原産の植物。
ジャガイモと同じく、大航海時代に発見されて、世界に知れ渡った。
一度ヨーロッパに持ち込まれるものの、食糧にはならなかった。
「穀粒が花のついた場所と全く違うところにできる自然の法則に反している珍しい植物」だということで、奇妙がられた。

現在、トウモロコシは、そのまま食べられる以外に本当にさまざまに使われています。
ビールやかまぼこ、コーラ、スナック菓子、チューインガムにも、コーンスターチやコーンシロップとしてトウモロコシが入っています。
牛乳を飲んでも、豚肉を食べても、家畜のメインの飼料はトウモロコシだから、間接的にトウモロコシを食べていることになります!
なんと、一説によると「人間の体のおよそ半分はトウモロコシから作られているのではないか」とも言われてほどです。

【トウモロコシの使用用途】
・工業用アルコール
・バイオエタノール
・コーンスターチ
・コーンシロップ
・家畜の飼料
・糊(のり)
・段ボール
・コーン油  など
フエキのり とうもころしのデンプンからつくられてる!

著者について

稲垣栄洋(いながきひでひろ)さん

著者は稲垣栄洋(いながきひでひろ)さん
静岡大学農学部教授で植物学者です。
植物に関する一般書を多く書いています。
「面白くて眠れなくなる植物学」は、僕が高校生のときに読んだ記憶があります。

稲垣さんの著書例(Amazonより)

読める媒体

本書は「単行本版」「文庫版」「Kindle」とあります。
残念ながら、オーディオブック Audible版はありませんでした。(2022年7月現在)

単行本版(紙の本)

定価1400円。2018年に発売。
Amazonに新品の在庫がないので、おそらく廃盤になっています。(2022年7月時点)
新品が欲しい場合、文庫本版を買いましょう

文庫版(紙の本)

2021年に文庫版が発売されたようです。
タイトルが「世界史を変えた植物」に変更されています。
値段も安くなっています!
内容は基本的には同じようです!

Kindle(電子書籍)

ばっちり電子書籍化されています!
2022年7月現在、Kindle Unlimited対象です。
僕はKindle Unlimitedで読みました。

Unlimited対象!

おすすめの関連した本・映画

本「エネルギーをめぐる旅」

エネルギーの視点から歴史を解き明かした一冊です。
5度のエネルギー革命のうち、「農耕」と「肥料」が新しい分類の仕方だと思いました。
こちらでもトウモロコシの凄さとかも解説されてます!

手前味噌ですが、先日こちらの本の紹介動画もUPしたので、よければご覧ください!


本「世界を変えた50の植物」

多分、今回紹介した「世界史を大きく動かした植物」の元ネタ
こちらでは、さらに多い50の植物をピックアップしてます。
イラストたっぷりの図鑑みたいにずっしりとした一冊。
とても重いので、図書館で開いてみるのがおすすめ。

映画「フードインク」

食糧生産の裏側にせまった2009年公開のドキュメンタリー映画。
家畜の飼料にもジュースにもなる「トウモロコシ」を知るのに良い作品。
かなりショッキングな事実も。
2022年7月現在、Amazon Prime Videoの対象です!


さいごに

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

実はこのnoteはYoutubeの台本として書こうとしたのですが、思いのほか書くのが楽しく、3時間以上かけて3000文字も書いてました(笑)
卒論もこのぐらいかけたらいいんですが…(笑)

3000文字を超えました

2022年4月に標高1000mの村に移住して、高原暮らしをしています。
Youtubeなどで情報発信活動をしてきたいと思っています!

今後も本に関することを書いたりしていきますので、よろしくお願いします!