no.41 実現 ― コーディネート(適応)
ブランドビルディング(マーケティング=トータルなブランドづくり)
Brand Building と進行型、活動型で言う以上、これはプロデュースにかかわるすべての人々による、活動として寄与される。今日のマーケティングは、この活動が調和をもって一つの大きな目的の為に作用しあうことによって達成されるのだ。これがプロデュースの最終ステップ、コラボレート(協働)の重要ポイントである。このため、5つのPの最後にあげた、Person<人>の要素が、成功するマーケティング、ブランドづくりには欠かせない。
ブランディングは言い換えると、顧客/消費者にとっての価値<善:Where to play>を How to win<真&美>で作り出そうという活動だ。このビジネス活動については、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が企業戦略の競争優位性を提唱した著作(㊼)の中で、価値連鎖とその活動として説明している。
彼はこれらの活動を9つの領域:
全般管理
人事・労務管理
技術開発
調達
購買物流
製造
出荷物流
販売・マーケティング
サービス
に分けているが、この9つの領域全てにおいてプロデュースの目的が共有され、人々が同じ目的に向かって活動することが求められるのだ。
ブランディングにおいて、顧客/消費者の心に強い記憶を残し、プロデュースされる商品・サービスの「ブランド」価値を高めるのは、まずこのP<PERSON>の活動のシナジーなのだ。そのためプロデューサーは、これらの活動のベースに常にプロデュースの目的の浸透を計るべきだ。
強力なブランディングはまた、プロデュースされたP<PRODUCT>のターゲット顧客/消費者の五感に対して、そのProductの名称・パッケージ等のトータル要素を通じて、強力なブランドイメージ
強い印象
明確な理解
好感・あこがれ
を育成すること。
あるいは、製品・サービスの価格、P<PRICE>をそのブランドイメージや性能に見合った適正なものに設定し、ターゲットとする顧客・消費者に購入してもらえる可能性を高めること。
また、すでにこのテキストの35週目で説明したP<PROMOTION>において、さまざまな機会を捉えて製品・サービスの効果的な利用のための購買顧客への情報提供、教育、トレーニングを通じ、プロデュースされた製品・サービスのパフォーマンスを強化すること。
そして最後に、プロデュースの Where to play, How to Win にフィットした、出荷・配送、および売り場づくり<PLACE>(例えば化粧品は直営店、百貨店、化粧品専門店、美容室、ドラッグストア、ディスカウントストア、通信販売等のルートで販売されているが、どのルートのどんな特性をもった売り場が適しているのかを選択し、その流通を強化する、など。)がトータルなブランディングにつながるよう、常にチェックを怠らないこと。
以上5つのP<PERSON, PRODUCT, PRICE, PROMOTION, PLACE>のシナジー、統一性、継続性によって達成されるのだ。
初回購入・再購入・購入頻度アップのベースとなる製品・サービスへの指向性と、顧客・消費者の購入量の増大を生み出す5つの要素である。特にこの指向性(商品・サービスの「ブランド」価値)は、顧客/消費者の心に強い記憶を残す効果がある。
ブランドビルディングはマーケティングそのものであり、ビジネスの中枢なのだ。
参考文献:
㊼: 「グローバル企業の競争戦略」M.E. ポーター著(ダイヤモンド社)
エクササイズ
M.ポーターによって説明された9つの価値連鎖の領域を担当する人々<PERSON>にプロデュースの目的をしんとうさせるには、何かその活動ごとに特有な課題があるだろうか?それらは彼らに対する課題、実行戦略の一つとなるかもしれない。
全般管理
人事・労務管理
技術開発
調達
購買物流
製造
配送ロジスティクス
販売
サービスPLACE>について、プロデュースの Where to Play, How to Win に沿って実施すべきアクション、課題について考えてみよう。
それらは重要な実行戦略の一部となるかもしれない。
PRODUCT
PRICE
PROMOTION
PLACEまた第38週・39週のエクササイズでまとめた実行戦略及び、この41週目のエクササイズで新しくリストアップされた実行戦略を振り返りながら、それぞれの戦略を9つのカテゴリーごとに、大枠の組織をイメージしながら割り振ってみよう。
全般管理
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人事・労務管理
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技術開発
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調達
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これらの実行戦略のグルーピングから、プロデュースのための組織イメージを描いてみよう。