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カシミールでお茶を#2_ピンクチャイ・イン・プラクティス

先日リサーチと仮説を立てたピンク色のカシミールチャイ,試行錯誤を重ねたので忘備録として報告します.速報値的なものです.最適化ができたら追って更新します.

【用意するもの】

材料
茶葉:ティースプーン 1 (約2 g)
水:400 mL 
重曹:ティースプーンの柄 2杯
牛乳:30 mL程度,適宜
塩:軽めの1つまみ
(水温が高い時期なら氷水:1 L程度用意)
道具
コンロ,小鍋,茶漉し,ティースプーン,ヘラやテーブルスプーン(鍋攪拌用)

何の変哲もない百均の茶葉.茨城県産.
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重曹はこの程度を2杯

【手順 / 色の変化】

1) 小鍋に茶葉と水を入れ火にかけ,最初に入れた水が200 mL程度になるまで煮詰めた.今回は目盛り付きの小鍋を使ったので煮詰め加減が掴みやすかった.

重曹なしの煮詰め1回目.至って普通な緑茶の色と香り

2) 重曹を加え,よくかき混ぜた.

重曹を加えた直後,若干色が濃くなった.

3) 煮詰める前のラインまで冷水を注ぎ,再び200 mLまで煮詰めた.この間,絶え間なくヘラやテーブルスプーンでかき混ぜ続けた.

重曹を加えての煮詰め2回目後.ほうじ茶っぽい色合いで赤みはまだ少ない.ちなみにこの時点で牛乳を混ぜると普通のミルクティー色になった.

4) 煮詰める前のラインまで冷水を注ぎ,再度200 mLまで煮詰めた.3)と同様.

重曹を加えての煮詰め3回目後.だいぶ赤みが出て紅茶っぽい.

5) 色味を見つつ牛乳を小鍋に注いでかき混ぜた.

色味がわかりやすいのでガラス容器で.これが↓


こう!
鍋はこんな感じ.

6) 塩を適宜.牛乳を入れてから少し煮詰めると,それだけで塩味を感じるようになる.

【補足と雑感】

  • 色味の変化を観察するために茶葉のみ最初に煮出したが,最初っから茶葉と重曹を入れてもよさそう(参考にしたYouTubeではそうしてた)

  • 茶葉はティースプーン2杯の方が風味が濃く出て美味しい気がするが,5-6回ほど煮詰めないと赤色が出ない.茶葉に合わせて重曹を増やすと,匂いがきつすぎて飲めなくなるので禁忌.

  • 赤みが出てきたころから,小鍋の泡立ちが強くなった気がする.重曹からの二酸化炭素…?

  • 牛乳は乳脂肪分のしっかりある無調整のものが合う.茶葉自体に紅茶ほどの風味がないため,牛乳が薄いと物足りなく感じる.

  • しょっぱいお茶に抵抗があったので塩の代わりに砂糖も試したが,上述の通り風味が弱いので味がぼやける感じがした.

  • 重曹は本当に少しでいい.色の出が悪くても煮詰める回数を重ねてじっくりかき混ぜればフッと赤みが出てくる.(失敗例は↓の写真)

初回挑戦時.重曹を入れて1回目の煮詰めからもうこの色.重曹特有の匂いが鼻をついた.
性懲りも無く5回ほど煮詰めたら醤油になった.シンプルに苦くて重曹臭くてまずい.
YouTubeの「小さじ 1/6」の表記に従って失敗した時の重曹量はこの程度.

【課題と沼の予感】

前回立てたピンクチャイの仕組みとコツについての仮説がこちら.

カテキンは水に溶け出しにくく,熱水には溶け出しやすい
→Point 1: 熱水でよく緑茶を煮出す

カテキンが酸化して縮合すると紅茶と同様の赤色色素テアフラビンができる
→Point 2: かき混ぜてよく空気と触れさせる

テアフラビンはアルカリ性で色が濃くなる
→Point 3: 重曹でしっかりアルカリ性にする

冷却がゆっくりだと色が濁る
→Point 4: 途中で加える水はしっかり冷やしておく

テアフラビンは鉄イオンとも反応する
→Point 5: 鉄やステンレスの鍋を使う(?)

https://note.com/element_cu/n/nb7944988e8f3#DOhsO

今回はあくまで実践してみただけ(それでもコンスタントな成功までは深夜に3回のトライアルを要した)で,前回提示した

  • 上記仮説の検証

  • 茶葉としてのKahimiri teaの正体とは何なのか

  • 紅茶でも同様のことができるのでは

といった疑問解決には何ら触れていない.片足突っ込んだ沼には率先して沈んでいく愚かな人間なので,カシミールチャイを巡る思考と試行は止まるところを知らない…

そんな人間を呆れるように始終眺めていた猫からは,ピンクチャイは不評だった(※カフェイン,塩,砂糖はいずれも猫に極微量以上与えてはいけません)



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