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1-5「物語の全体構成について」/キャンペーンデザイナーズノート

祝、第一部完!

ストーリーラインはこちら

2019年4月にスタートしたこのキャンペーンも、6回の会を重ね、同年の6月下旬をもって一つの区切りをつけることが出来ました。

きっとプレイヤー達は思ったことでしょう。

ここで終わっておけば、普通のヒロイックファンタジー物語だったんだろうなと…

えるしぃは異常者で悪い大人だからね、しょうがないね。



今回はキャンペーンの全体構成のお話です。

まず前提として、このキャンペーンの会は

「2019年4月から2020年3月まで」

という約束でスタートしました。

理由は、ゴールを設定せずにスタートして、途中で空中分解するのがイヤだなと思っていたからです。

ライフステージの変更などの理由で、物理的に会に参加出来なくなる人が出てくることは、長くやればやるほど可能性が高まります。実際に、第一部終了時点(6月)で既に1名のプレイヤーが7月で離脱することは決まっていました。

そしてこの時点で新たに2名のプレイヤーをスカウトして再構成することは決まっています。プレイヤー・キャラクター紹介の記事で、第二部から加入するメンバーがいるのはこのためです。

会は原則として月2回。1年間12ヶ月で、全24回の予定でした。

これらを前提条件として、全何話の、どんな構成のキャンペーンにするか?

このことを考えた時、様々な場所で言及される「起承転結」の原則を使用することを思い付きました。

※余談ですが、物語の構成にこの考えを用いるのは日本だけのようですね。発祥である中国の起承転結は別の意味のようです。

一般的に、

起:世界観や状況の説明、物語の導入となる段階
承:状況に変化が起こり、ストーリーが展開し広がっていく段階
転:物語のキモとなる大転換が起こり、多くの伏線が回収される段階
結:起こった出来事を元に結果を収束させ、物語を終結させる段階

というイメージで語られることが多いと思います。この記事でもそれを元に記述します。

さて、全24回として、これを4つのステージに分けると各6回。

この時点で、キャンペーンの全体構成を

起の第一部
承の第二部
転の第三部
結の最終部

という4部構成にすることを構想していました。

全24回なので各部6回という扱いですが、メインゲームマスターであるえるしぃ自身もプレイヤーとして1回は参加しようと考えており、各部1回ずつ、メインストーリーを進めずにプレイヤー参加する会を混ぜています。

よって、えるしぃがメインストーリーのシナリオを書くのは各部5回ずつということになります。

第一部が全5回になったのはこのためです。

そして、各部の5つのシナリオに関しても、その中で起承転結の構成を導入しようと考えていました。つまり、起承転結の入れ子構造という形になります。以下の図を見るとわかりやすいかもしれません。

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一部あたり5話構成で、起承転結を1話ずつ当てはめると1回分余るため、その分は上階層の役割に合わせた部分を1回分増やす。

これを基本路線に、全体の構成を詰めていきました。

第一部第3話のシナリオを書いているくらいの時期で、この構成論を元に第二部ラストぐらいまでのおおまかな流れと、タイトル(※)を決めています。

※えるしぃはシナリオを書くとき、まずタイトルから決めます。原則として直近のセッションが終わってから次回のシナリオ細部を書いています。

第三部のみ1回多いのは、元々第三部も5話構成だったのですが、途中でどうしても1エピソード挟みたい事情が途中から発生し、プレイヤーの皆さまと協議の結果、開催数を増やすことにしたため(※)です。

※このため、全開催数が2*12=24ではなく、1回増えて25回となりました。


第三部以降の展開はまだ未定ではありましたが、大まかな方針としては3つありました。

・第一部は、なるべくオーソドックスで理解しやすい展開にする。

キャンペーン開始時点で、ソードワールドが始めてという方がそれなりの割合いらっしゃいました。まずは世界観に馴染んでもらうため、王道のファンタジー物語を意識した展開にしました。ライバルキャラとの因縁、封印された巨大な財宝の鍵、一度敗れた相手がラスボスで再戦で勝つカタルシス、といった要素で構成しました。

・プレイヤーキャラのためのセッションが全部で10回ほど必要。なるべく第三部までに終わらせる。

これはいつぞやも述べましたが、この後の展開を知らないプレイヤーのための物語を組み込もうと思うと終盤ほど苦しくなると考えていたためで、最終部ではなるべくフリーな状態でシナリオを書けるようにしたい、と考えていました。そのため、1人ずつどんな物語にしたいかをあらかじめヒアリングしたあと、各部の全体構成を決めようと考えていました。

結果として1回だけはみ出しました。

・第三部で本気出す

さて、プレイヤーのための物語が理想とはいっても、ゲームマスターだって人間です。卓の満足度を構成する構成員のひとりです。僕の好きなタイプの物語がプレイヤー達の理解を得られるかどうかというと、まったく自信はない。

(※ぶっちゃけ11人のプレイヤーの萌えポイントを抑えるとか無理ゲー)

というわけで第三部は自分の好きなように展開しよう。なるべくプレイヤーに寄り添うのは前提にしても、第三部だけは自分のエゴを出そうと考えていました。まず自分が楽しみ、なおかつ他人を楽しませる。これが理想ですよね!


この3つを基本路線に、第二部はタージ到着までを描く展開期、第三部以降はもうちょっと話が進んでから考える、という方針でこのキャンペーンは進んでいきます。


さて。

第二部第1話は、ライフステージの変化で離脱してしまうプレイヤーキャラクターのためのシナリオを書くよ、と前々から宣言しており、担当プレイヤーとヒアリングをしたところ。

「サカロス(※)を街の人々に布教するシナリオ」というオーダーをされました。

(※サカロスはソードワールド2.0にのみ登場するラクシア世界の神。ソードワールド2.5には原則登場しない)


お、おう…?


続きはまた次回。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

次回からデザイナーズノート本編は有料になりますが、投げ銭頂けると幸いです。

ストーリー部分は最後まで無料公開の予定です。もしご興味がありましたらお付き合い頂けると。

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