つまりどういうことかと言うと私には何もない
よう。あけたな。2021年だな。
なんていうか本当は書き初めをしようと思っていたし、やろうと思えばできる時間はあったのだけれども、なんだかもう、なんかもう本当にきょむきょむなので、そろそろ語尾とかもきょむになっちゃうかもしれない。
というわけなので、年末に言ってた書き初めをするぞーという目標的予定を無視し、大学生になるべく資料請求をした。
はて?
原初の動悸、というか衝動を詳しく思い出せないのだが、ともかく去年の末に人生に一区切りがついて(嵐は消えてしまった。ライブの最後に本当に消えた。さっきまでいた嵐が消え、そこにはステージしか残されていなかった。つまり、嵐は消えたのだ。私にはそれしか分からなかった。嵐は消えた。そもそも幻だったのかもしれない。共同幻想だったのかもしれない。私はたぶん共同幻想という言葉の使い方を間違っている)ふと思い立ってみると私には何も残っていなかった。
残っていなかったというのはちょっと違う気がする。何も積み上げてきていないのだから、残るもクソもない。ここに私という存在がある。ザッツ・オール。マジでそれだけ。
一体どういう経緯があってこんな年になるまで何も持たずに生きてこられたのかは分からない。周りの人間たちが優しいから生きてこられただけのような気がする。そうじゃなかったらマジ骸だと思う。
それで、そう。元旦にまた近代的自我に苛まれて安定剤を飲んで「やっぱこれだぜ!」と思ったあと、ふと虎から人間に戻った瞬間があった。
大学に行けばいいんじゃないのか?
まさに人間的閃きといってよいだろう。私は私しか所有しておらず、これから何かを所有するということはどうも難しいように思われた。たとえば犬とか、家とか、手取り16万円とか。どう考えてもちょっとむずかしい。
ならば、人間をどうにかもっと強化するしかあるまい。唯一の所有物である私の質がちょっとでもあがれば、どうにかこうにか、何かなるんじゃないか??
盛り上がってきたので、お習字キットを出せなかったけれど、筆ペンで急いで書き初めをした。
これだ。
歴という字を書く時にいつも止を史と書いてしまって「この字、なんかちがう……」っていつもなるんだけど、今年の私はひと味違うので初手から間違えなかった。
大卒の資格を手に入れる。それしか道はない。むしろ、それが道だったのかもしれない。多くの大学生は、二十歳未満にしてその道を歩いていたのだ。すごいこと。
とはいえ、私は自分がプチブルインテリゲンチアだという夢をみていたので、二十歳未満にして大学に行こうと考え、早稲田の二文に落ちて、国立を目指さない限り浪人は許されないと言われたため、滑り止めの、全然まったく行きたくない大学に入り10日で発狂して辞めたのだった。
この話しましたっけ? したかもしれないけどもう一度どうぞ。
人間関係に円があったとしたら、大きな外枠には私「高卒なんで。大学とか行かなかったんで」といってます。これは詐称。で、もうちょっと小さな枠には「半年しか大学行ってないんで割り算とかよくわからないです」といってます。これはまぁ嘘。で、もうちょっと円が小さくなるとだいぶ素直になって「10日しか大学行けてないんで、暗黒期だったんで記憶がないんで何も分からないです」といってます。これはまぁ、本当ちゃあ本当。嘘っちゃあ嘘。
実際には私が大学に行ったのは4日間で、もう全然、あの電車とか乗れるような人体ではなく叫びを押し殺した「ghx~~~」みたいなよく分からないうめきを上げながら「あ、あっ!」みたいな小声を出しながら大学に4日行きましたけれども、もう自意識がほとんど爆発してましたので、あともともと病的な人見知りだったので人間に向けて「おはようございます」というだけでもう600ミリくらいは発汗してまして、何か演劇を学ぶ大学だったんですけれども、前の席にいた女の人とはじめての会話、みたいなときに「竹中直人」という言葉が聞こえましたのでとっさに「いいですよね~竹中直人」と口走ったところ、その女の人が音を立てて椅子を引きずりこちらを向き直り「本当ですか?私大好きなんですよ竹中直人いいですよね本当に唯一無二ほんとうに唯一無二なんですあの人は笑いながら怒るやつ私本当に好きでえっ友の会入ってます?私入ってるんですけどこの前」
気がつくと私は駅で倒れており、だからといって、家人に「倒れました」ということもできず、普通に帰ってきましたみたいな顔で家に帰り、朝、家を出て大学にいくふりをして鎌倉に向かい、鎌倉文学館に一人で入り、お金を払うときにまた600ミリの発汗をし、靴を脱ぐのに大変手間取り、ようやっと中に入って太宰治という文字の前で「うぅ」と言ったきり何も出来なくなって、外のベンチで3時間じっとしていたら足が痛くなり、え、帰らなきゃいけないのか、でも一体どこに??? 人間には帰る場所があるのか? と哲学的煩悶を繰り返した結果、脳に異常をきたしてその後3年間は立ち上がれず、汗で畳を腐らせる仕事に従事していたのであった。
つまり、どういうことかというと、私は正しくは高卒ではなく大学中退なのだ。
しかも4日しか行ってない。4日で大学のなんたるかが分かるはずはなく、私が覚えているのは竹中直人の幻と、なんかワークショップ?みたいなやつで、大勢の人間が一人の人間の足を支えて空中を歩く(「はい!雲のうえ!雲の上を想像して!もっと軽く歩く!そう!」)という講義があったときに、わらわらした人間の中に入れず、ただ手を上げて群衆の進むところへうろうろついて回っていたことと、バレエの授業で股を広げたこと、しかないのである。
思い出すだに気が狂う。今ももうだいぶ虎です。気が狂う。
でもな、それを解決する方法がこの世にはあるんだよ。それは何かって、そう、大学に行って大卒になること!!
幸せになるって簡単なことね!
まぁまぁまぁ、気持ちは分かるよ。私は落ち着いている。わかってるわかってる。手取り16万を夢見るようなクソどうしようもない生活者が大学にいけますか?どうやって?え??
そこで私はインターネットに聞きましたよね「大学 社会人 どうすれば」とね。社会人受験のことしか出てこなかったので、だいぶ回遊しましたけれども、どうも奨学金というものがあるらしい。で、調べている途中でまた思い出しましたね私は。
高校のころ、私は大変に頭がよく大変に頭が悪かったですので、国語は学年で一番くらいの成績でしたけれども、数学が学年でビリ2くらいであったわけです。そしてビリ1はすぐ高校を辞めてしまったので、なんとすべりこみビリ1を獲得しまして、高校二年に進学させるわけにはいかないと担任に言われました。
え? そんなことある? ていうかこのメモリーいる? って感じですけれども、なんとか謝り倒し、三者面談をして、あとこっちは別件だったかもしれないけれど校長先生と面談して「どうか!!お願いします!!」と言って進学そして卒業させてもらった人間なので、何が言いたいかっていうと、成績が悪くて第一種の奨学金がもらえなかったわけであります。
いまバイト頑張ってるからちょっとくらいよくない? 無利子で貸してくれない? と思ったのですが、全然そんなことはないらしく、高校の成績が悪いとやっぱり奨学金は利子つきのものになるらしく、あとなんかもうちょっと調べたけれどそもそも奨学金もらえないんじゃねーの? みたいな曖昧な情報もあり、ていうかそもそもバイトしながら大学行けなくね? と気がついたのでありました。
すぐに積むよな、教養がないとよ、すぐに積むんだわ、人生。
でも今年のわたしは一味違いますので、だってもう嵐はいないわけだから「でも嵐がいるからハッピー」論法は使えないわけで、どうにかこうにかごねつきたい、私は大卒の資格が欲しい! といった情熱が止まらず、そこでやっとある可能性を発見したのでした。
通信制大学があるじゃない!
といいますのも、本屋でバイトしてますのでよく「通信制大学の願書ありますか?」的なお問い合わせを受けていたのです私は。「放送大学のテキストありますか?」みたいなお問い合わせもどや顔で対応してたのです。すごいよな、世の中はな、我々の望んだものは実はもうどこかにあるんだよ。既出なんだよ。人類ってすごいよ。
というわけで、通信制の大学ならばまだ大卒の可能性があるということに気づきまして、じゃあどの大学にするかという問題が残っているわけです。
そりゃあもう慶應義塾大学通信教育課程ですよね!
理由は押して知るべしって感じですけれどもヒントとして私は嵐が好きということなんですが、まぁまぁそれは理由の半分として、もう半分は早稲田の二文に落ちた恨みが勝手にあるからですね。やっぱり時代は慶應だよ。慶應ボーイになってやるぜ私は。女だから難しいかもしれないけれど。
あとシェイクスピア研究って講義? 授業? があったので慶應にした。シェイクスピアが好きだから。
4年で卒業する気まんまんでいるけど、なんか10年くらいかかるんだって! 早くても7年とか言ってる人いたけど、どうなんだろうね! そもそも早稲田の二文に落ちる学力で卒業できるのかは大いに謎だけれども!
謎だけれども、夢があるのはいいことなので私は大学に行きます。
志望理由書? とかいうやつ書かなきゃいけないみたい。たいへんだ~書評? みたいなものも書かなきゃいけないみたいだ。たいへん~。小論文めっちゃ苦手だったな~という記憶が思い出された。
そんなこんななので、もし大学に合格したらまたお知らせするね!
何も音沙汰がなかったが落ちたってことだから、なぐさめてあげてね。あと3月末の公募にも出すつもりで頑張ってるから応援してあげてね。
という感じで、今年の書き初めは終わり。ついでに去年の書き初めもおいておくね。
なにも叶わなかった!
そんなこんなで、今年もなにとぞよろしくお願いいたします!
あるか分かりませんが、サポートがあったら私はお菓子を食べたいと思います!ラムネとブルボンが好きです! あと紅茶!