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RCJレスキューライン新ルール対応 FDM方式3DプリンターInfill Densityによる軽量化

ロボカップジュニア レスキューライン追加ルール 傾斜路の交差点

この追加ルールは、ハード・ソフト両面からの対策が必須となり、とても難易度の高いハードルとなります。
ハードウエア側の対策は
・低重心化
・軽量化
・ワイドトレッド化
・タイヤ接地面積の増加・タイヤグリップ強化
お手本ロボットを設計・製作するにあたり前回記事の ” Infill Density " の効果を積極的に活用してホイールを軽量化する事にしました。
FDM方式3Dプリンターで平歯車を作る|あるちざんラボ (note.com)

アクリル板の積層構造ホイールを3Dプリンター用に設計変更

以前紹介した通り、加工時間が圧倒的に早いのでアクリル板にてホイールを製作していました。
レーザー加工機を用いた立体物の作り方、ホイールなど回転体の組立方法|あるちざんラボ (note.com)
アクリル板は応力集中した場所からガラスの様に割れる性質があるので、軽量化の為に穴を空けるなどの " 抜き " を行うのは不向きです。
そこで、下図の様に一体成形を前提にしたホイールに設計変更します。
動力伝達用の平歯車をねじ止めする " ついでに " アクリル板を纏める長いネジを平歯車をねじ止めする為だけの短いネジに変更し、鉄部の軽量化を行います。

左:アクリル板積層構造ホイール 右:FDM3Dプリンター用 一体成形ホイール

更に、この塊のホイールを " Infill Density 15% " 設定とすることで下図の様に中を空隙にして樹脂部の軽量化も行います。

Infill Density 15% の断面

2mmのオーバーハングはサポートがないと形が崩れてしまいますので、サポート除去作業が大変ですがサポートは必ず付けましょう。

左:サポートあり 右:サポートなし

結果
1個プリントに3時間40分必要でしたが、以下の通り大幅に軽量化できました。
アクリル板積層構造ホイール     :35g
FDM3Dプリンター 一体成形ホイール:15g

タイヤ接地面積の増加策として6輪駆動にする予定ですので、ホイールの設計変更のみで120g( 20g×6=120g )の軽量化ができました。
設計・製作したのはスポーツタイヤセット(56mm径)の両側をベアリングで支える構造を構築する際に必要なスペーサーや平歯車取付ネジ部を一体成形化したホイールです。

一体成形ホイール使用例:6輪駆動 左側

※返金不可設定になっておりますので、ご注意ください。
有料部分では、以下のデータがダウンロードできます。

一体成形ホイール ダウンロードデータ 
左:外側ビュー 中:内側(ギヤ側)ビュー 右:内側(ギヤ側 タイヤ非表示)ビュー

※平歯車はレーザー加工前提の為、M3ネジ止め部4か所穴径2.5mmになってます。平歯車を3Dプリンターで製作する場合はスライサーの丸めを考慮して穴径を調整してください。
・FDM3Dプリンター用 一体成形ホイールのFsionアッセンブリデータ
 スポーツタイヤホイール組立 v8.f3z
※一体成形ホイール使用例のデータは含まれません。

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