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NZ観光業界勤め、解雇になる腹を括った話

COVID-19関連や勤めている会社とその業界の経済状況、また雇用法などさまざまな情報を整理してみた結果、このままだと数ヶ月後には職を失うやんの結論に辿りつきました。

未曾有の危機によってNZではロックダウン3週目、世界に目をむけてもアメリカの大統領トランプが「これは戦争だ」と宣言するなど散々な状況であるなか、わたくしごとを題にあげるのはセンスないなと思いつつもキーボードを叩くことにしました。

というのもこれまでnoteではポジティブで役立つ情報をシェアする記事を書いてきたわけですが、いいことばかりではないのが現実だし、そこを視覚化してないのは誠実じゃないな、えぇ格好しぃかよと思った次第です。
仕事の探しかたを記事にしておきながら、仕事の失いかたを記事にしないのはフェアじゃないなと。

というわけで具体的にこの記事をだれに見て欲しいといった想定も特にしていませんが、頭のなかの整理もかねてなぜ解雇にむけて腹を決め、これからの動きをシュミレーションしていくことにしたのか書き残していきます。

※センシティブかつ日々アップデートされていく情報を取りあげつつ自分なりの解釈によって導きだした結論です。ご了承頂ければと思います。( 現在 2020年04月10日 )
また、現段階で解雇を匂わされるような出来事があったわけではなく、会社や上司との関係も良好なので、この記事はただひたすら妄想に任せるがままに書かれています。


1. COVID-19 vs 人類、シナリオが描けない現状?

人類がCOVID-19に打ち勝つにはにはどのような策を打てばいいか世界中で議論がおこっています。イギリス首相ボリス・ジョンソンが「みんな一発ずつ感染して集団免疫つけよう。(多少の犠牲はしゃーない)」と発言したのは印象的ですね。ほかにも「夏になるとウイルスは勝手にくたばる」 「ワクチンを待つしかない」「根絶やしはムリ。うまく付き合っていくしかない」、とりわけ衝撃を受けたのはおなじクローズドなコミュニティに所属している医療関係の仕事に勤めるかたが、個人でできる感染症対策として「感染してしまったらとっとと諦めよう」と意見をあげていたことです。

有識者たちのさまざまな議論をみて、僕自身は「だれも、なにも、わからない」と解釈しています。とにかく現段階で明確なのは医療崩壊を防ぐことで、ヒトヒト感染を避けるためにもステイホームがもっとも効率的のようです。身を危険に晒しながら働いてくれているひとのことを思うと、家にいることくらいどうってことないですね。

2. NZにおけるCOVID-19の状況

さてNZでは死者1名、感染者100名が確認された時点で「48時間後にロックダウンする。遠方にいる人は直ちに自宅へ戻って引きこもり期間への備えを」と発表があり、世界的にみてもめちゃくちゃ早いフェーズで4週間の事実上鎖国を決めた政府のガチっぷりがうかがえました。

日々増やせている検査数に対して感染者の確認数は減っているためこの調子でいきたいですね。NZ首相ジャシンダ・アーダーンも角を曲がりつつあると手応えを口にしています。

またジャシンダ率いるNZ政府の手腕は世界各地で称賛されていて、ツイッターを覗くと「彼女のようなリーダーをもつNZ国民が羨ましい」「うちの首相と交換してくれ」などといったツイートが目立っています。

このように現時点でのNZのCOVID-19状況は他国と比較してもトップレベルで良くなりつつあり、アウトブレイクをNZで迎えたのは間違いなく幸運だったと言いきれます。NZ国内のCOVID-19関連の数字は政府が運営する公式サイトから確認できます。

余談ですが先日彼女が会見で「Essential workerのリストにイースターバニーとトゥースフェアリーを加える」とロックダウンでストレスを抱えているであろう子供達へたちに向け粋な発言をし、国民のハートをがっちり掴みました。国民に配慮し安心を与えてくれる素敵なリーダーですね。
( ※Essential workerとは : 対COVID-19警戒レベル4で労働が許されている業種 )



3.NZへ入国するハードルはこれからも高いままでは?

さて、ロックダウンの甲斐あってこのままNZ国内ではCOVID-19を抑えていけたとしても、はいハッピーエンド!とはならないのがCOVID-19の恐ろしいところです。ひとたびボーダーを解放しひとの出入りを自由にしてしまうと、ウイルスを持ったひとが紛れ込みそこからまた爆発感染し、ウイルス第二波とまた戦うはめになります。
ワクチンができるといわれている1,2年後までロックダウンとボーダー解放を繰り返すなんてマヌケな真似をNZ政府がしでかすとはこれまでの実績からも考え難いです。

このように海外からNZ国内へひとの流入については世界各国の状況次第なので、対COVID-19において優秀な対応をみせているNZ政府や国民たちといえどもこちらからクリアできる課題ではないといえます。

よって今後ロックダウンが明けて、国内での移動がフレキシブルになったとしても鎖国状態は続ける。あるいは一部の対COVID-19で上手いことやってる国からだけ入国を認めつつ、ガチガチのSelf Isolate期間は設ける。
いずれにせよロックダウン突入の前に入国者に対して二週間セルフアイソレーションの義務が設けられた時点で入国者数は激減したため、事実上鎖国の状態がこれからも続くと解釈してもズレはなさそうです。

というかセルフアイソレーションってめちゃくちゃ残酷ですよね、もしNZで1週の滞在を予定しているとすると、2週間の自己隔離期間とあわせて3週間も時間を確保しなければいけない。そんなんできひんやんフツー。もちろん国内に滞在している立場としてはいいぞもっとやれって感じです。


4. 観光業界には苦境が続く

人命に重きをおきウイルスを寄せ付けないといった視点では鎖国の策は効果絶大で世界が平和になるまでずっと鎖国したままでいるのが理想です。しかしヒトの流入を止めてしまうとカネの流入も同じように止まるわけで経済的視点ではダメージとなり、特に観光と飲食業界などはその煽りを真正面からくらってしまいます。

勤めている会社のサービスを利用する客の8割を海外からの旅行者が占めていて、アウトブレイクの影響により中国が出国制限をした時点で稼働率100%から60%、さらにNZ政府が設けたセルフアイソレート義務をきっかけに20%あたりまで落ちてしまい、ロックダウンの報道があった時点では瀕死状態だったため、Essential workに含まれる職場ですがCEOの決断によりロックダウンと同時に営業停止となりました。

たとえロックダウン明けに営業を再開し、国内集客のみでやりくりしても立地やビジネスモデルなど踏まえるとこれまで通りの収益をあげるのはまず不可能と考えるのが自然で、事実上鎖国といったかたちで海外への導線を断たれてしまった以上、ほとぼりが冷めるまでは規模を縮小して細々と運営せざるを得ないだろうとみています。またNZではこれから閑散期である冬を迎えようとしているのもかなりのマイナス材料です。

ロックダウン報道の数日前にワークビザ組と役職持ち以外の全員が解雇されてしまったのですが、これからも鎖国によって集客が見込めずヒマな状況が続くと仮定すればまだ従業員を抱えすぎているといえます。

さて、ここまでで集めた情報をもとに想像をめぐらせると「あれ?この職場に俺もういらんやん!」の結論に辿り着きました。会社は人件費を抑えるべくさらに解雇する必要があるのでは?と解釈し、実際のところ合法的に解雇ができるのかを調べることにしました。


5. 雇用法に基づいた解雇は難しくない

まず下記のサイトを参考にしながら解雇の理由としてCOVID-19による業績の悪化、規模縮小のため余剰人員の整理解雇とすれば正当性があると解釈しました。法律の専門家にきいたわけではないのであくまで自分なりの解釈でしかないです。


Redundancy : 余剰従業員

Workplace change : 方針転換

すこし話が逸れますが、現在収益がストップしてしまっている会社に勤めてるほとんどのひとのお給料は政府がCOVID-19経済対策で用意した賃金補助制度によって支払われているはずです。会社が政府に申請して12週間分の給料となる補助金を受け、そこから従業員に支払っているかたちです。
但し申請にはひとつ条件があり、この12週間のあいだ雇用主は従業員の雇用を守ることです。失業者を出さないために打たれた策によって、現段階では職を失うことなく自宅待機といったかたちをとりながらでも継続して収入があるわけですね。

この政策により向こう3ヶ月の雇用と収入を維持させたことで、政府のガイダンスに従う環境を早々につくりあげCOVID-19感染拡大を防いでいるわけですね。スムーズにステイホームさせる環境を整えたうえでステイホームと指示しています。

↓勤めている会社が賃金補助制度を利用しているか確認できます

↓こちらの記事たいへん参考になります。

↓NZ労働法が日本語でまとめられている資料。


6. 腹をくくって、これからのことを考えよう

さてここまでの考察的妄想から生まれた材料を箇条書きにすると

・対COVID-19、NZはまぁいい感じ。他の国はまだまだ苦しい。
・海外からの集客はしばらく見込めず、観光業界は雇用の維持ができない
・雇用法でガチガチに守られてるわけではない
・いま雇用が守られているのは賃金補助制度のおかげ

補助金が尽きる7月頃までに会社が今抱えている全従業員の給料を払える体勢が整うくらいの経済回復が見込めるとは考え難いです。雇用を守るために政府がまたなんらかの策を打つかもしれませんが、政府はオカンではないのでなんでもかんでも期待、要求するのはちがいますし、たった数ヶ月の期間でみんながこれまで通りの生活をとり返せるとは思えないので、やっぱり腹はくくっておこうと。

当然雇用主が従業員を解雇するまでに踏まなければいけないプロセスがいくつかあって、イメージとしては給付金が切れる数週間前に通達と同時になんらかのベネフィットの提示があって円満なかたちでの退職になるかと。どっちにしろビザの期限である11月に退職してNZを去るからビザ延長申請のお願いはしないと今年のはじめにGMに伝えているので円満ファイアー。

雇用法などいろいろ調べましたが、この自宅待機期間をぼっと過ごすのは勿体無いし、これからに備えあらゆる想定をしておかなければと手が動いたわけです。

元々立てていたNZを去ってからの計画がCOVID-19ショックによっておじゃんにされてしまい、解雇となれば宙ぶらりんになってしまうのですが、政府が設けてくれたこの12週間のあいだに退職後COVID-19が蔓延る世界でどのような動きをとっていけるかまた妄想を巡らしつつ、NZひいては世界がこの危機を乗り越えるために自分がいまやれることをやっていきます。ステイホーム!

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