これからの仕事人の要件を考える。BTCモデルは既存のオールドエコノミーの会社にこそ、必要な考え方かもしれない…

「BTCモデル」という言葉をご存知の方も多いと思う。Bはビジネス、Tはテクノロジー、Cはクリエイティブの頭文字で、今後の人材要件はこの分野を越境できるような人材が求められているという考え方である。

この考え方はいまではスタートアップ企業にクリエイティブ職掌のトップがCXOとして就任するなどデザインの地位があがることや、新規事業立ち上げ時にビジネスサイドとエンジニアとデザイナーがスクラムを組んで、プロトタイピングをしていくなど、にわかに浸透していっている考え方だと思う。

さて、ただ、これらの新興企業や新興チームに限らず、BTCの考え方はブレイクダウンすると、既存企業、既存のビジネスをやっているチームにこそ求められている考え方だな、と最近強く思うのである。

というのも、いま業務フローの変革、再編をおこなっているが、紙でやっているアナログな作業をデジタルに落とし込み、スムーズに流れるようにすることや、AさんとBさんが異なる拠点で同じような入力作業をやっている(しかも前工程と後工程で…)みたいな話が少なくない。

だが、オペレーション型の人材はどちらかというと、俯瞰して物事を考えることよりも、目の前の作業をこなすことに長けており、物事の問い直しをすることが苦手なことが多い。また、バックオフィスの修正に関しても、ユーザーインターフェースのわかり易さ的視点にとぼしく、「ごちゃごちゃ」した雑多なレイアウトにとにかく必要なコマンドを追加して、目の前の課題を解決して回るようにする、という思考の人が多い印象がある。

このような状況の中で、このデジタル化をドライブさせるのに必要な視点がBTCモデルの考え方であると考える。つまり、オペレーション型の人間である程度社内システムはいじれる(T:テクノロジー)なのであれば、自分の前後のフローや考え方(B:ビジネス)を学んでもらって、さらにより良い解決策を引き出せるようになってほしい。

また、解決策をインストール際も、このフィールドはレイアウトのどこに表示をさせて、何色でくくることでフィールドとフィールドの関係は【手入力値】と【計算値】の主客関係を整理する(C:クリエイティブ)、といった考え方を習得していってほしい、と考える。

この手のことは昔からやっていたよ、と思う人は少なくないだろうが、いまはそのスピードが急速に早く、細かくなっているのが現状だろう。いちいち要件定義を3ヶ月設けて、3ヶ月開発期間にあて、その後、使ってみたらちょっと違った…というのでもないし、現状は要件定義にあたるのも現状のプラス1ぐらいのシステム改善しかできず、実装されたタイミングでは世の中の動きはプラス2も3も先に進んでいた、なんてことになりかねない。なぜなら、既存のオペレーションを改善するのに、腰が重いなんていっているうちに、新興企業ははじめは人材がいないので(一人の営業が管理部やオペレーションも掛け持ちしていたりするので)、即RPAなどで回すなどの動きができてしまう。はじめはそれが顧客それぞれのニーズにかなわない、などと顧客が回ってくることもあるだろうが、いつかそこに「イノベーションのジレンマ」が起こることは想像に難くない。

サブスクリプションモデルが浸透していくにつれて、人は顧客との対話やニーズのヒアリング、価値を提供する発想と実装に力を入れた方が、互いに心地よいんじゃないかと思う。なので、通り一遍的な作業はできるだけ、時間とストレスを減らす方向で、仕事環境を構築していきたい。それが現場のリーダーの仕事だと思う。






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