ワインコラム37:「私は貴方が嫌いです」
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Ryoko☆Sakata
好きとか嫌いとか、人は無責任に言っている。
個人の好き嫌いなど、大抵は重大な事態を引き起こすことも無いので、無責任で構わないのだが・・・・・・。しかし、それが自分に向けられると事は深刻になる。
「好き」は良いとして、「嫌い」は真剣に考えざるを得ない。
お互い熱くなって、相手から「嫌いだ!」と言われた時などは、口論の末であるからある程度理由は想像できる。しかし口論も無くお互い冷静な時に、顔見知りの人から「嫌いです」と言われると、衝撃を受け、次にその理由を必死に探ることになる。
皆さんはそんな経験があるだろうか? 殆どの人は無いと思うが、私には有る。
以前、たまに行くバーで、数回店にいらしたことのある男性(私より10歳ほど歳下)と隣り合ったことがある。
世間話をした後、彼がおもむろに口を開いた。
「私は貴方が嫌いです」
予期しない言葉に意表を突かれた。
(エ〜っと、この場合何と答えれば良いんだ? 私の想定問答集には無いぞ。)
一瞬の混乱が収まると、彼の正攻法の言い方が気に入っていた。こんな機会は滅多に無いので、(頻繁にあったらいやだけど)好奇心から聞いてみた。
「どこらへんが?」
彼によると「エラそう・・・・・・」ということだった。
「エラそう」にしていた訳では無いが、彼がそう思った理由は推測できた。
私は彼に自分と似た匂いを感じていた。そんなに話をしたことは無いが、考え方や性格に似かよったものを感じ取っていた。自分と似た人とは、何となく接しづらいので、親しい言葉もかけず、距離を置いて接していたのだ。
彼からすれば、私がエラそうに映ったとしても仕方がない。
残念ながら、それ以降彼には会っていない。次に会った時には良い関係が築けるような気がしたのだが・・・・・・。
まさに、一期一会。
人と会う時は、その機会が二度と訪れないと思い、誠心誠意接しなければならないと思い知らされた。
ワインの仕事をしているので、私が最も好きなお酒はワインだと思われていることが多い。
それは半分当たっている。しかし全てのワインが好きと言うわけではないのだ。私はブルゴーニュワインを偏愛している。
私がそう言ったところで、そんなに影響はないと思うので、無責任に言わせてもらう。
「私はブルゴーニュが大好きだ!」
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