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水が合えば稼げる。働くためにわたしたちが投資する「資本」のマネジメント

こんにちは、いけかよです。

現在いけかよはフリーランスとして働いています。
フリーランスといってもいろいろいます。線引があいまいなところもある気がしますが、法人成りしてる1人社長の人もいますし、パラレルな働き方の人もいます。
わたしの場合は、個人事業主で、しかも屋号すらもないというかなり緩い?フリーランス。フリーターとなにが違うのって言われたら、青色申告してることくらいしか思い浮かびません。
突発的なアクシデントでフリーランスになった(=開業届を出した)ようなもんなので、屋号を考える暇もなく。その上仕事も「コレで食っていく!」と決めた業種があったわけではないので、屋号を考える余地もありませんでした。
そんなお気楽フリーランスのわたしですが、現在4年目。おかげさまでなんとか生き延びられていますし、会社員だったときよりも収入は増えました。
それは運が良かったこともあるでしょうし、基本的にはクライアントさんのおかげ。とはいえ今はそうでも来年以降は全くわからないという不安定さには変わりありません。

フリーランスで食えていることについて「すごい」とか「スキルが高いから」とか「努力したから」と褒めてくださる方もいて恐縮です。確かに、まったくスキルなしでは食っていけないでしょうし。

ただ、食えている=稼げていることについては、わたしはスキルの有無とか能力のあるなしではなくって「水が合う」からだけに過ぎない気がしているのです。

水が合わないと頑張っても稼げない

会社員時代は約14年。新卒のときから2つ3つ仕事を掛け持ちしていることがデフォルトだったわたしは、全て含めると30回くらいは転職をしていると思います。10年続いたものもあれば、1日で辞めたものも。
その間、かなり「努力」はした気がします。心身削って、身を粉にしてがむしゃらに働いた時期もあります。しかし、自分の能力の低さゆえでもあると思いますが、いっこうに生活は楽にならず、ずーーーーっとお金には苦労していました。

一方、現在はそこまで心身を削ることはなくなりました。
というか、そういう仕事を選ばないようにしているんです。

それは、仕事における「資本」についての考え方が変わったからです。

「体が資本」なんて言いますが、まさにそれです。
つまり、仕事をするときにわたしたちが差し出さなければいけないいくつかの「資本」があって、それが減りすぎると結局は「赤字」になるな、と思ったんです。

すべての人が持つ基本的な資本

わたしたちには「時間」「体力」「心(メンタル)」という資本があって、それらを差し出すことによって仕事をし、そして「お金」とか「経験」とか「つながり」とか、そういった資産を得ているというイメージです。そしてその資産をもとに、資本を強くしていくという循環があります。

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資本:富を生み出すちから=「時間」「体力」「心」
資産:富を生み出す方法=「お金」「経験」「つながり」など

ちなみにここでいう「資本」と「資産」の違いは、紙一重な感じなのですが以下書籍を参考にしました。本記事の内容とは直接関係ありませんが、とても興味深い本なのでぜひどうぞ。

この「時間」「体力」「心」、もちろん人によって強さがバラバラです。わたしは独身子なしですから、家族を持っているママさんより「時間」はあるでしょう。「体力」は、40にもなれば若干の衰えは感じますがまあまあ大丈夫。しかし「心」の強さは自信なし。

一方、例えば超ショートスリーパーの人なんかは「時間」も「体力」も強めだとか、メンタルの強さを自負する人は「心」の数値も高そうです。

そんなふうに、生活サイクルや個性、持って生まれた素養なんかがこの3つの資本を形作っているんです。

この3つの資本は差し出せば減りますが、いずれも休息することでリカバーします。時間は増やせないだろ、と思われるかもしれませんが、これもきちんと休んで心身が元気になれば次の日も朝からちゃんと働ける、心が死ななければ時間は生産的に使える、ということで、まあそういう意味だと思ってください。

しかし、これが減る一方で0になってしまうと、働けなくなってしまう可能性がぐんとアップします。

そもそも時間がなければそれを仕事にあてがうことができませんね。
体力もそうです。睡眠不足ですら大きなダメージ。
そして心も。「心を病む」「心が折れる」なんて言いますが、心を病んで働けなくなった場合、リカバーにはかなりの時間を要します。メンタルヘルスの問題は昨今大きくなるばかりですよね。

しかもこれらは1つでも著しくダウンすればあとの2つも自動的に引っ張られて目減りしてしまうという危うさを包括しています。

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しかしこれらの資本って、つい最近まで「枯渇することはない資源」として扱われてきた気がします。同年代の方はリアルタイムで見ていたであろうCM「24時間戦えますか」に象徴されるイデオロギーがそれです。
とくに心の問題はないがしろにされてきましたよね。
「それは心が弱いからだ」と非難されてきたわたしたち。でも最近ほんのちょっとずつ「弱くてなにがアカンねん」と言えるような風潮になってきたのを感じていて、これは「進化」だと思うんです。

で、最初に言った「水が合う」に話を戻します。
これらの資本が減る一方だと働くことができず資産が増えない(なんなら減っていく)わけですが、「水が合う」というのは、この3資本が削られにくい、赤字になりにくい仕事・職場である、ということを意味します。

会社員だったときも含めて、水が合わない職場・クライアントとの仕事は、稼いでも稼いでもお金が溜まっていきませんでした。あとから気づいたことですが、赤字になるほど資本を削って働くと、そのストレスで飲んだり食べたり散財したりで、けっきょくリカバーのためにお金という資産を切り崩すことになってしまうんですよね。

経験もしかり。必要以上に苦痛な経験は「トラウマ」という負債にもなりかねませんし、厄介な人とのつながりなんてまっぴらごめんです。

自分に合う水場を求めて

人間には向き不向きがあって、仕事もそうですし、会社員であることとかフリーランスであること、経営者であることなどの属性は多分にその影響が大きいと感じています。
会社員として大成し、自己実現できている人もいます。その人たちは、その会社や環境の「水が合う」んだと思うんです。

世の中的には会社に属さず働いている人がスゴイみたいな風潮がなんとなくありますが、フリーランスや経営者なんてダメ人間と表裏一体だと思っています。

誤解していただきたくないのは、ここでいう「ダメ人間」は、人間性に問題ありという意味ではなく、「組織という枠のなかで他者が作ったルールを守って働くことが苦手」という意味です。朝起きられないとか、毎日同じ時間・場所に行くことができないとか、ムカつく上司の言うことはきけないとか、そういう素養を持つ彼ら・彼女らはきっと「一般社会」ではダメ人間の烙印を押されるはずです。ていうか、いけかよはそうでした。

これが「水が合わない」という状態。
きゅうくつだったり、理解できなかったり、逸脱しちゃったり、浮いちゃったり病んじゃったり。

つまり彼らは「会社員でいることに向いてないから自分でやってる」という要素が少なからずあるはずです。(あ、もちろん円満退社で独立している人もたくさんいますけどね!!)
そんなフリーランスや経営者たちは、独立することで文字通り「水を得た魚のように」働きだし、結果的に稼げるようになっていく、ということがあると思っています。

しかしもちろん組織を飛び出せばそれだけで水が合うわけではない。
自分に合った水場を求めることは常に必要で、そこでふたたび3つの資本を考えなければなりません。

フリーランスだろうと会社員だろうと、3つの資本があるというのは同じ条件ですから、このうちどれか激しく目減りすると、結果的に仕事がうまくいかなくなるのは目に見えていますよね。

フリーランスのメリットは、会社員よりも比較的自分の働き方をコントロールしやすいことです。だからこそ、自分がどの資本が弱いかを考え、それが減りにくい仕事(≒クライアント)を選ぶということが重要になってくるんです。

時間がない人なら時間に融通がきくものとか、短い時間で完結できる仕事、断る勇気を。
体力がない人なら、詰め込みすぎを避け、単価を上げ、在宅OKなものを。
心が弱い人は、怖い人、意地悪な人、理不尽な人、シビアな現場は避ける。

偉そうに言ってますが、わたしもフリーランスになって3資本が安定していることばかりではありません。蓋開けてみたら大変だったとか、自分の読みが甘くてめっちゃ迷惑かけたとか、スキルが足りなかったとか、あります。だからこそ、会社員のときよりもこの3資本の重要性が身にしみています。

なぜならこの3資本は減りこそすれ枯渇さえしなければリカバーできるし、やり直せるし、新しい水場を探しにいけるからです。枯渇しないことが大事なんです。

そのために理解すべきは、自分の個性や性格です。
なにがモチベーションになり、なにがダメージになるのか。仕事において、何に最も重要性を見出しているか。

いけかよは、心の強さには自信がないと言いました。それは恥ずかしいことだという意識がないわけではありません。でも、実際そうなんやからしゃあないやん!と思っていますし、HSPの概念を知り、それを認めることでやっと自分の働き方を考えるスタートラインに立った気がしています。

きっつい一言を言われたらもうそれだけでエネルギーが奪われてなにも手につかなくなってしまう。
納得いかないやり方に対しては怒りすぎて眠れなくて消耗してしまう。
理不尽な相手に対して毅然とした態度に出ることが苦手で怖くて我慢してしまう。

これらの症状から自分のウィークポイントである「心」が目減りすることがいかに大きな負債になるかを理解したので、コミュニケーションに難があるクライアントを避けるようになりました。仕事内容ではなく、オープンに対話できる“人”こそが自分にとってもっとも重要なモチベーションになるとわかったのです。
結果的に、自分をエンパワメントしてくれるクライアントにも出会えるようになりました。
そして、お金や経験やつながりなどの資産も安定してきた気がしているのです。

もちろんこれはあくまでわたしの場合。わたしは弱みに着目して、そこを守るという方法をとったけど、逆に強みを活かす方法でもいいかもしれない。いずれにしても、3資本、あなたの強み、弱みはどれかを考えてみるところからスタートです。

全部がめちゃめちゃ強いっていう人はいないと思います。かといって、全部がめちゃめちゃ弱いっていう人もいないと思うんです。
でもとにかく、苦しい思いしなければ稼げないっていう呪縛はもうおわり。
言い方を変えたら、楽になるからこそ稼げるともいえる。

「働く」は楽しんでいいはずやと思うから。
そんな意識こそが、より稼ぎやすいおおらかな世界をつくっていくことにつながるって信じているんです。

では、また!

Text by いけかよ(よむエラマ編集長/エラマプロジェクトCPO)

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