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#29 命日と誕生日を同時に迎えた日〜マインドの法則

3月24日は命日と誕生日だ。

今日は母の命日でもあり、我がチビ達の誕生日でもある。今から10年前の3月24日。わが母はなくなり、チビ達は生まれた。強烈に悲しい日であり、強烈に嬉しい日だ。

10年前、母は旅先で急逝した。脳梗塞だった。楽しいはずの旅行が一気にトラウマとなった。目の前で何が起きているのかがわからず、泣くこともできなかった。その時は母の死が突然すぎて理解できなかった。そんな体験をした3月24日、愛して止まないチビ達は生まれた。

母が亡くなってまもなく、この喪失感に耐えきれずペットが欲しくなった。そこで、ブリーダーさんから直接買えるサイトを発見した。なんとなく、トイプードルにしようとは思っていたけど、あまりにも膨大すぎる子犬たちの情報量に、何をどう選んでいいのかがわからなかった。そこで何か選定基準を設けようと思い立ったのだ。

メス、3月24日生まれ、トイプードル。母の生き写しの子に出会うことを願ってそう検索した。

そこで出てきたのが今のキナコだった。最初はメスのキナコだけを引き取ろうと思っていたのだけど、その隣に、あまりにも小さな、頼りなさげな男の子がいた。アズキだ。もう出会ってしまったら最後、きっと一人ぼっちでは寂しいだろうから、などとそれっぽい理由を作って、2匹とも引き取ることにした。

キナコは、本当に母の生き写しかと思うくらい、母に似ている。気が強くて、ビビリで、意地悪なところもあって、それでいて甘えたでべっぴんだ。他人ウケがやたら良いところもそっくりだ。外面が良くて得するタイプである。

犬と母を一緒にすると、母に怒られるのかもしれないけど、本当に母にそっくりだ。あの時、私は思わず「母の亡くなった日に生まれた女の子」と検索した。そして、母の生き写しのような子に会った。もしかすると、私がそう願っているから、そういう風に見えるのかもしれないけど。

話は変わるけど、私には理想の死に方がある。それは老衰で、もう食べ物も喉を通らなくなって、ゆっくりと静かに、徐々に死んでいく死に方。周囲の人に「婆さんまだ粘ってるなぁ」などと言われながらゆっくりと死んでいく死に方、いわゆる大往生だ。

母の死に直面するまでは、ピンピンコロリと突然死ぬのも悪くないと思っていた。誰にも迷惑をかけずに、痛い思いもせずに、急すぎて自分でも気づかない間に死んでしまうのも良いのではないかと。

でも、そんな思いは一掃した。母がまだ少しは意識があるとき、とても、それは本当にとても、不安そうな顔をしていたのだ。その時はもう、まともに話もできなかったけど、その顔が全てを物語っていた。

母にとってしてみれば、突然人生を強制終了させられたのだ。本人も、きっと理解できなかっただろうし、なぜそんなことになってしまったのか、理不尽な気持ちもあったはずだ。母はこの世に想いを残して旅立っていったのだ。

この世に想いを残して死ぬ、とはこういうことだと。

私はこの経験をしてから、ピンピンコロリは決して良いものではないのだと反省した。だから、私は老衰で死ぬ。この世に何の想いも残さず、あーよく生きたものだ、と清々しながら。この世に「お世話になりました、ありがとうございました」と言って人生を終わらせたい。

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さぁ、今日は母の思い出に浸りつつ、チビ達のお祝いをしようと思う。生まれてきてくれてありがとう。あなたたちは私の幸福の源泉です。

出会えてよかった。

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