V/Rマイセルフカンパニー 貸借対照表

今日はマイセルフカンパニーの「BS:貸借対照表」の話。 MBAの領域。要は自分の財産と借金のバランスの話ですね。 英語では「BS=バランスシート」 日本語より分かりやすいですよね。

貸借対照表とは?


 貸借対照表は一般企業で使っていますので、教科書的に説明すると
【貸借対照表からは以下の情報を読み取って、会社(自分カンパニー)の財政状況を把握できる。
会社(自分)が持っている「資産」
返済する義務がある「負債」
総資産から負債を差し引いて残る返済義務のない「純資産」
貸借対照表からは、会社(自分)がどのようにして資金を調達し(貯蓄だったり、ローンだったり)、調達した資金をどのように運用(消費・モノに転換したり)しているかを確認することができます】
一般的な簡単なものを添付しました。 見慣れないでしょうが「へ~」と思って眺めてください。

貸借対照表の例


気を付けたいのは、PL損益計算書(別日に投稿します)は「年間やある期間を通したお金の動き」ですが、BS貸借対照表は年間のある特定日(年度末や月末など)の「財産・お金の静止状態=結果」の状況です。 自分カンパニーを経営するための学期末の成績表みたいなものですね。 今回は分かりやすく2020年12月末としましょう。

臨床工学技士さんのモデルケース

透析クリニック院長時代にスタッフ向けに説明したものを使いますので、臨床工学技士さんをケーススタディにしますね。

モデル: 東名圭太さん、 35歳
職業:臨床工学技士
勤務先:某透析クリニック(=マイセルフカンパニーの臨床工学技士としての顧客)
給与:400万(分かりやすいするために手取りで)
家族構成:妻・小学校4年の長女と 1年生の長男
自宅:持ち家戸建て  月々5万円のローン 30歳から35年ローン
車:トヨタC-HR をディーラー中古で購入 現在ローンは終了
趣味:釣り パチンコ スペイン

を例に考えましょう。

流動資産

まず、流動資産。 単純に言うと現金ですね。
圭太さんは銀行預金を150万、それと賢い妻がやっている「株=有価証券」で一株1500円のA社の株100株で15万円。 そういえば圭太さんは先日の飲み会で会計を立て替えています。一人2500円で4人分の1万円です。 これは「売掛金:貰えるはずのお金」です。

固定資産

固定資産はどうでしょう。持ち家があります。車もありますね。 これは買った時の価格でなく「時価:その時の値段」で考えたのがいいです。 新築を2500万で購入しましたが、現在は2250万、 勿論中古の車も60万が現在15万円。 そのほかに趣味で買い集めた釣り竿が購入には10万したものが、2本で現在は3万。 そのほかに家財道具や家電製品があります。 もろもろ併せて100万程と考えましょう。これらは全て「有形固定資産」で合計2368万円となります。 
 無形固定資産は借地権や店舗などの営業権(暖簾)などを言いますが、圭太さんにはありませんね。 「臨床工学技士の国家資格」は残念ながら無形固定資産にはなりません。 今はありませんが「国家資格」が「暖簾」になる様な時代、来ないですいかね・・・・

負債

 自宅はローン返済中です。2500万の家に対して1800万のローンを組みました。購入に際して自分の預金から200万と親からかりた500万の合計700万を用意して頭金としました。 月5万で5年間返済しているので300万返済しています。 この際計算が面倒なので手数料や利息は無視しましょう。 ローン残高は1500万ですね。 35年ローンなので「長期借入金」と考えましょう。
 また日々の買い物はカード払いがほとんど。 クリスマスや年始の準備で12月は出費がかさみました。 今月末に8万円が引き落とされます。 「短期借入金」あるいは「買掛金=支払う必要のある未払金」と考えていいでしょう。ところで親から借りた500万はどうでしょうか? 本来でしたら返済義務がありそうですが、「居住用住宅購入資金」の場合、特例で3000万までは贈与税がかかりません。 生前贈与と考えて親に甘えて返済義務なしと考えましょう。 そう考えるとこれは「資本金」の中の「株主出資額」と考えられます。 「株主」に対する配当はしばらく未払いで「孫と一緒に遊ぶ優待券」「家族団らんの幸せ夕食優待券」を発行して「親という株主」には我慢してもらいましょう。
 また、自分で自宅購入に用意した200万も本当はちがいますが、自分カンパニー立ち上げの準備金とみなしてみましょう。 合計700万が資本金といえます。
これらを表に打ち込みますと、圭太さんの総資産額2534万となります。
結構な資産ですね。 

純資産


2534万円!!
これで喜んではいけません。 本当に2534万の資産を持っているわけではないのです。

「純資産」を見てみましょう。 純資産は「資産-負債」で計算します。 純資産は1026万です。 このうち700万は現在の財産を形成するためにすでに投資しています。 全てをチャラいしたら・・・。 
利益剰余金326万が純粋に残ります。 これが純資産ですね。

 

自分カンパニーで純資産を増やすためには?


 株式会社であれば株を発行したりして「純資産の株主融資」を増やせますが、「自分カンパニー」では無理でしょう。 また、単純に収益(給与)を上げるだけではダメなのです。 「BSの借方に記入されるモノ」に変えていかない限り資産は増えません。 
純資産のみを増やすのであれば、流動負債(借金・ローン)を減らす方法もあるでしょうし、一時的に負債を増やして「固定資産」に返還し総資産を増やすことも可能です。ちなみに左右の合計は同額にならないといけません。 流動負債を増やしすぎるとどうなるか? 純資産の利益剰余金がマイナスになります。 一般に若い時は利益剰余金がマイナスになりやすいです。 右側(資産側)にほとんど移行しませんから。

 先ほど言いましたが、「臨床工学技士国家資格」は無形固定資産の暖簾にならないので「資産」に勘定されないといいました。じゃ、「国家資格なんて財産に関係ないから要らない」 そう思ってしまいます。 「臨床工学技士国家資格」は財産でなく実は「圭太カンパニー」の「商品」です(https://note.com/el_duende/n/n51a45748ac76   参考ください)。 
 商品を売るから収益が上がり、それを運用するから「資産」が増えるのです。 いい「商品」を用意するためには「商品の研究開発」「学習・教育」は必要です。 圭太カンパニーの商品開発は「顧客の某クリニック」にとって重要な事です。 いいものを提供してほしいですから。

 しかしながら残念なことに「商品開発・研究費・教育費」はPLに「経費(消費される金額)」として記載されるのみで、PLにもBSにも目に見えたプラスの変化(数字)としては顕著に現れません。 その為、研究費などはどうしても重視されにくい。 実際、子供の教育費は別として「自分磨き」に出費するのは中々無いでしょうし、一般企業でも経費比率として軽視されがちです。 せめてBSの無形固定資産に乗れば投資するかもしれませんね。 
特許は無形固定資産に入ります。 ならば、本来のBSには乗りませんが、気持ちの上で「自分カンパニー」BSの借方に特許として「無形固定資産:国家士資格」を載せてみましょう。 「特許」が取れるぐらいの価値ある国家資格の内容であると自賛できる様になりましょう。 「無形固定資産:自分」と記入で切るぐらいのプライドは持ちたい、いや、記入できるぐらいの気概を持ってください。 

国家資格者の無い方も「医療従事者」としての「無形固定資産」として記載でるくらいになってみたらいいと思いますよ。

非医療機関従事者でも

 これは私がかつて院長をしていた時代に書いたものです。 国家資格を「自分の特技・技能」に置き換えたり「自慢できるもの」に置き換えてV/R
マイセルフカンパニーの商品とイメージして貸借対照表を作成してみてください。気づきがあるはずです。

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