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エコツミ作品集『歌詞を読む』シリーズ

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日本神話の価値観を軸に、様々な作品を発信するマルチアーティスト・エコツミ・。20年以上に渡って書き溜めたオリジナル歌詞を、少しずつ発表していきます。古代から今まで、連綿と受け継が…
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#短編小説

歌詞を読む91 「 蝿 」

「 蝿(はえ) 」 ある晴れた日に響くあのいやな音 外は歩けない どうなっているのかしら すぐ…

歌詞を読む85 「 警戒マーチ 」

夜の闇に つぶされて 上をみれば 月一人 走っても同じ距離 お前をみている さっきまでの…

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歌詞を読む84 「 カタワレ人 」

「 カタワレ人(びと) 」 鳥の髪をなでて舞い降りたこの地 誰にも受け入れられず彷徨った …

歌詞を読む83 「 直ぐの木 」

「 直(す)ぐの木 」 山の神と海の神に 祈った まったく 同じことを 幾年も生きたこの木の…

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歌詞を読む41 「 朝日の中 ねむる人よ 」

重なる木漏れ日 つづく社 見上げる秋空 残るしじま もろびと来たりて 讃えまつらん この世…

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歌詞を読む40 「 物語 」

禁断の国 もぎとられた果実 声をたてずに 転がる大地 その森の中 やさしい泉 紫色の花を咲…

歌詞を読む38 「 森の子 」

さよなら 愛しい人よ 何もいえずに終わった ゆっくり歩き去るには 心が壊れそう ずっと一緒にいたかった だけど私は知ってる 隣にいることは 二人のためにはならない 思い出は あなたをしばりつける 私をこえて この世界を羽ばたき行きなさい 一人で 誰からもしばられない 今こそ この世界の子 さよなら 愛した人よ 弱い私を許して 私を守るため いつかあなたは傷つく しがらみが あなたをつぶすだろう 誰の子でもなくなった時 羽ばたき行きなさい 一人で 何からもとらわれな

歌詞を読む37 「 私神 」

「私神(ししん)」 そうこの身に生まれたの 知らぬまま歩きだした 手探りの記憶では 顔はわ…

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歌詞を読む36 「 完熟 」

この身体 未だ熟れない 時は過ぎるのに この両手かざしつぶやく 「熟すまで待ってよ」 この…

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歌詞を読む35 「 私の中の小さなもの 」

過ちをおかせば 戻れない 気付いたときには 遅かった 自らを傷つけ 居場所を作り 悲壮感…

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歌詞を読む34 「 罪摘花 」

「罪摘花(つみつむはな)」 恋も愛も知らない だけど嘘は知ってる キスも愛撫もお馴染み 夜…

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歌詞を読む33 「 この痛みに口付けを 」

月の上に雨が降ってる 肩も ほほも 音も ぬれてる 少し前まで 温かかった ぼくの隣の き…

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歌詞を読む29 「 桜の先へ 」

咲き終えた桜の泳ぎ行く先 待っているのは何だろう すべての謎を月に託せば 答えは浮かび来…

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歌詞を読む28 「 八人の娘/Eight Daughters 」

english bellow 「八人の娘」 ひと山ふた山 越えた先 こわい化け物(もん)でるそうな やっつの頭に 赤い目鱗(うろこ) 毎年女子を 喰うそうな 娘八人 今年は七人 ひとつの命 消えゆくも 誰もなんにも できはせぬ 村はおびえる 八岐大蛇(やまたのおろち) 家に立つのは 白羽の矢 娘七人 今年は六人 一人の男 立ち上がり 娘救うと出て 消えた 二人の男も あとに続けど 誰も帰ってこなかった 娘六人 五四三人 雛菊枯れて 土地やせて 村から人がいなくなる こ