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神さま人生相談

(試運転)


えーと、久しぶりって設定でいいのかな?

あ、そこら辺ボカしていただいて。

あ、そう。じゃ、ま何となく。

ええ、どうも。
さ、こちら、神さまです。はくしゅー

あ、どうもどうも。いつもご迷惑かけてます。

いえいえ。こちらこそ。
じゃ、まあ、 何となく始めていきたいんですけど。

昨日の内容はなんじゃ、あれ。

お、いきなり辛口。いいですよー

もちょっと中身のあること書きなさい。

はい、すんません。

あれじゃ吉本隆明もがっかりじゃ。

あ、はい。
ちなみに何のことかというと、吉本隆明の『ひきこもれ』って本に「ひきこもるのはいいんだけど、毎日手を動かして、将来の仕事開始に備えなさい」ってあって、それがきっかけでこれを始めたんです。

でもあれって、若者向けの話だよね。

ってなんで若者文体になってるんすか。

「じゃ」とかいうのめんどい。

わかった。じゃそれでいいよ。

しっかし、こんなん書いて、なんかの足しになんのかね。

別に足しにしようと思って書いてるわけじゃないんです。

じゃなに。ひまつぶし?

いや、なんていうか。

うん。

あのー

うん。

このまま死にたくないな、っていつも思うんですよ。

ほお。
このままって? 今の毎日の感じのままってこと?

はい。

そのまま死なないんじゃないの?

そうなんですか?

いや、しらんけども。

神なのに。

は?

いや、なんでも。
このあと、なんかあるんすかね。

あんじゃないの? 希望をもとうよ。スピッツも言ってるじゃん、想像した以上に騒がしい未来がきっと待ってるって。

想像しい未来ですか。

でもさあ。

はい。

このまま死にたくない、なんてさ、そんなのみんなそう思ってるよね。

そうなんですか。

だからなに?って感じ。

はあ。

マイルス的には So What? ね。

ええ。

そのまま死にたくないから 、どうしたいのよ?

ってとこで、こういうの始めてみたんすけど。

だからその辺がよくわかんないんだけど。
なんで死にたくないとチラ裏ブログが始まっちゃうわけ?

チラ裏ブログ、っすか。
まあ、そうかな。
そうだよな、うん。
そんなもんだ。

うるさいよ

あ、すんません。

今日でやめたら?
大して楽しくないじゃん、これ。

そうでもないっすよ。

書いてて楽しいの?

楽しいって感じじゃないけど、なんつーか、すらすら書けるなあって。

だからそれがチラ裏なんだっつーの。

そうかあ。

ちょっとノート開きな。

え?

堺利彦。文章速達法。この間メモしただろう。

あ、はい。

要約。

はい。えー

感じたり知ったりしたことを率直に書く
書く前に腹案を立てる
気乗りがする時に筆を執る
語りかけるように書く
無駄を省いた文章を心がける

なるほどねえ。
僕はどれが駄目なんでしょうね。

あのさ、「こんな時はそもそも書くべきではない」ってとこ、あるよね。

ああ、はいはい。

引用しなさい。

はい。
えーと。
あ、先生。

はい、なんですか。って先生じゃないんですけど。

ああ、そうだ、神さま。

はい、どうしましたか。

引用のマークをあなたに使ってしまっているので、本当の引用の時にはどのマークを使うか、困るんですけど。

そっかー。どうしようか。

じゃ、しょうがないから、地の文でカッコに入れときます。

あ、はい。お手数です。

いえいえ。じゃ、引用。

「作文の第一の要件は真実を語ることである、嘘を云わぬことである。自分の考えた事、感じた事、知って居る事を、その儘に書き現すのが最も善き作文の方法である。故に別段考えた事もなく、別段感じた事もなく、別段知って居る事もない場合には、文章を書くべきではない」*1

あちゃー

ほれほれ。

あ、でも、次はこうですよ。

「苟しくも文章を書きたいと思う場合には、何か頭の中(或は腹の中)に出したいものが詰って居るに相違ない。其の詰って居るものを其儘にさらけ出せば、それが即ち文章になるのである」*2

そうだよ。だから?

いや、だから、僕のこれも、そんな感じじゃないですか。

腹の中に詰ってんの?

はい。

なにが。

え、だから、ここに書いてるようなことです。

こんなもんが詰ってるのか。

ええ。

なんつーか、あれだね。
グロいね。

そうすか。

こう、なんていうか、別段何も詰ってないように見えるんだけど、こういうのが詰ってる、ってのは、どうも、こう

なんすか。

人間の業っていうか、みっともなさっていうか

いいじゃないですか。自然主義みたいで。

高踏派的にさらっと粋にやってくれりゃ、少しは読めるけども、知識も感性も思想も何もないくせに、ただ「このまま死にたくないんだ」の一点張りでだらだら垂れ流してるわけでしょ。
だいたい、長いよ。すでに。このエントリ。

確かに長くなってきましたね。
やめましょうか。

うん、悪いこと言わないから、今日はこの辺にしといた方がいいよ。

はい。
じゃ今日もわざわざ天上から、ありがとうございました。

あどうもどうも、うんうん。がんばって。ちゃおー

*1, *2:
堺利彦 著『文章速達法』,実業之世界社,大正4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/954841 (参照 2023-12-03)