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ミーティング#002~お金の集め方~

こんにちは!
この記事を見つけてくださりありがとうございます。

糸魚川駅北ラボのミーティング#002を、2021年6月22日に駅北広場キターレとオンラインで開催しました。

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5月に引き続き第2回となる今回も、糸魚川で面白い活動をしたい、している参加者がたくさん集まりました。

その様子をお伝えしていきます。

オープニング

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本間マネージャーが、駅北ラボとは、駅北ラボが目指すところの話をしました。

こちらの記事に詳しくありますので、ご参照ください。

その後、チェックインを行いました。

小林マネージャーから、今回のテーマであるクラウドファンディング(以後CF)についての説明がありました。

CFについて知りたい方はこちらをご参照ください。

アイスブレイクとして、4~5人のオフライン3チームとオンラインに分かれ、「名前」、「CF支援したことあるか」、「今回何を知りたいか」をそれぞれ書き、チームで共有しました。

ゲストであるゆとり館、糸魚川高校野球部が行ったCFを支援したことがある人が多く、他にも友人がしていたものなど、支援したことがある方がほとんどでした。

「今回何を知りたいか」では、資金調達方法、CFのメリットデメリットなどがあがりました。

ゆとり館屋村さんのCF体験談

長者温泉ゆとり館を営む屋村祥太さんから、CFの実体験に基づくお話をして頂きました。

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屋村さんは2021年2月~3月にCFを行い、目標金額300万で117パーセント集め、成功しています。

ゆとり館を引き継いだ経緯

屋村さんの妻である屋村靖子さんが、先に糸魚川に移住してきていました。

糸魚川や、ゆとり館のある木浦地区、そこでの暮らしに惹かれた靖子さん。

空き家を買って農家民宿をするという話が、いつの間にか後継者問題に困っていたゆとり館を引き継ぐということに。

東京で飲食店の店長の経験のあった祥太さんが合流し、屋村家族と地域の方々で経営していくことになりました。

CFをしたきっかけ

旅館業において、お客さんと接することのできる時間は意外とわずか。

屋村さんや地域の方々の人間性やつながりより、温泉や設備、食事の味などで勝負していくことに違和感を感じていました。


オンラインサロンならぬオフラインサロンのようにしたい


「長者温泉ゆとり館」という場所を通して同じ好みの人が集まっていく、そんな居場所としての宿を目指すことにしました。

そこで考えついたのが定額制。年間3万円で12泊できるというプラン。

また、当初はお客さんの年齢層が高めでした。長い目で見た時、20代~40代のお客さんがもっと増えて欲しい。

ターゲットをそう設定したとき、情報感度の高い人の多いCFという媒体は適していました。

さらに、全国的に周知したいという思いから、CAMP FIREという当時最大手だったCFのプラットフォームを使うことにしました。

利益の出方

ゆとり館は1泊4,500円。

12泊3万円のプランだと、一泊2,500円となります。


安売り・・・?


いいえ。

このプランを100人限定とし、さらに12泊すべて使い切る人が5~7割だと仮定すると、使い切る人が5割の時、全体としては一泊4,500円となる計算になるのです。

安売りしているように見えて、トータルで見たときには実際はそこまで安売りしていない、そんな計算になっています。

CFの準備

CFのページをつくるときに、大切だと思ったのはカテゴリー選び。

屋村さんは「まちづくり」にしました。

しかし、「まちづくり」をしたいわけではありませんでした。

「まちづくり」と設定することで、田舎暮らしに興味がある人や、ゆとり館の雰囲気に合った人が、見てくれやすくなる


カテゴリーが決まり、リターンを考えたり、ページを作っていったりする中で、CAMP FIREの担当の人とたくさん話しました。

もともとは、3万円12泊プランだけを考えていましたが、もう少し支援しやすいように、価格に段階をつけると良いとアドバイスを頂き、野菜やお礼の手紙のリターンを作りました。

お礼の手紙のリターンは500円や1,000円という手軽なもの

この支援しやすいリターンを設定したのも、

リリースしてから24時間以内に1件の支援で成功率50%、10%以上の支援で成功率82%、20%以上の支援で成功率90%という統計結果があり、

実際に支援しやすいリターンが一気に売れ、24時間で80%を達成しました。


次に掲載期間。

短すぎると見てもらえない、長すぎるとダレて支援が入りにくい、1ヶ月前後がいいということで、28日間にしました。


さらに、All or Nothingという形式にしました。

目標金額を達成したら支援金をもらえるけれど、達成しなかったらゼロというものです。

一番売りたい12泊3万円の定額制のプランは、少なくとも100人から買ってもらえないと、利益にならない。

心臓に悪い形式でした笑


また、自己紹介をしっかり書きました。

他のCFでは名前、出身、年齢くらいしか書いてないところを、経歴や思いなど、ひととなりが分かるように書きました。

自分たちと考え方が似ているような人に来て欲しかった。

ゆとり館についても、温泉、かやぶき屋根・・・よりも、これまでこの宿がどのように地域で生きてきたのか、というストーリーや思いなど、内面が伝わるように書きました。

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「CFをしている」ということを知らせる方法

CFはリリースして24時間、スタートダッシュが肝心

まずは友人知人に連絡を送りまくりました。

申し訳ないと思ったり、ちょっと腰が引けてしまったりしましたが・・・


失敗したかな、と思ったのは新聞という媒体を使ったこと

新聞を通して知ってもらい、上越地区の60代前後の方から多く支援して頂きましたが、理由は「その安さに惹かれたから」というものが多く、

屋村さんの望む、ゆとり館の雰囲気や地域での暮らしに惹かれて支援したわけではないようでした。

しかし、狙い通りの人や、実際に糸魚川に移住を考えていた人とも出会うことができました。

思わぬメリット

想定はしていませんでしたが、12泊泊まるということが心理的に何か働いたのか、お客さんも丁寧な接し方をしてくれました。

部屋の使い方がきれいだったり、屋村さんたちと積極的に話してくれたり。


また、シェアしてもいい、買った本人がいなくてもいい(例:3人で4泊する、友人や家族が泊まる)ことにしたことで、結果としてお客さん一人一人が広報活動をしてくれるような状態になりました。

CFの手数料

CFは手数料がかかります。

CAMP FIREでは通常、掲載手数料に12%、決済手数料に5%で合計17%かかります。

手数料が低いサイトは、閲覧者数が少ないなどの理由があります。

屋村さんが行ったときは掲載手数料が5%のキャンペーンの時だったので、合計10%の手数料が引かれました。

手数料高いなと思っていましたが、アドバイスをくれたり、個人情報やお金を管理してくれたり、終わってみれば17%だとしても払っても良い値段だったと思います。

All or Nothing という形式を利用していることもあって、CFの1ヶ月は心臓に悪かったです笑 デメリットメリットありましたが、やってよかったなと思っています。来年もまたやりたいです。

参加者からの質問

地域としてはどこから買ってくれる人が多かったですか?

ーーー友達の多い関東圏、その次に糸魚川の人でした。


最後にぐぐっと支援数が伸びたと言っていましたが、そのためにしたことはありますか?

ーーー毎日そのページに日記のようにメッセージを書いていくことで、検索されやすくなったり、終盤に向けて達成率を上げておくことで、ページを見つけてくれた人が支援したくなったりします。

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次回のCFに向けて、改善点として考えていることはありますか?

ーーーテレビや新聞はしなくてもいいと思っています。


お客さんとのつながりの深さをとても意識されていますが、その先に望むものはなんですか?

ーーーお客さんから友達になり、さらに一緒に企画したりビジネスしたり、仕事仲間になれるのが理想です。同じような考えを持ってると思うので、チャンスは巡ってくるような気がしています。


コロナ禍において工夫されていることはなんですか?

ーーーそもそもこのCFもどうコロナ禍を乗り越えるかで始めたところがあって、お客さんとの関係性をしっかり築くことはこれからもっと大事になっていくと思います。

もしもCFをやるとしたら?

参加者のアウトプットワークとして、「もしもCFをやるとしたら?」を行いました。

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まず、個人でタイトル、目標金額、お金の使い道、リターンを考えました。

その後4~5人のチームで共有し、それぞれフィードバックやアドバイスをしあい、チームの代表者を決めて、全体で共有しました。

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最後に全体で発表した4人に対して、屋村さんからコメントを頂きました。CFの実践者として、具体的で的確なアドバイスをしてくれました。

たとえば、「ツリーハウスで過ごすほぼ野生生活~小滝再生プロジェクト~」と題したCFを考えた三熊さん。

目標金額は200万円。

お金の使い道は、実際に現在造っているツリーハウスや空き家を活用して民泊をしていくための資金へ。

リターンとして、山の区画のレンタル権、民泊のチケット、開発中のコゴミキムチを挙げました。

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屋村さんからは、ツリーハウスと空き家と、メインがばらついて分かりにくくなるより、どちらかをメインに持ってきて、もう一つは補助的なポジションでもいいと。

また、山の区画貸しをリターンの柱にするのが良いということでした。

まとめ

屋村さんのリアルなCF体験談のあとに、それぞれがCFを具体的に考えたことにより、お金をどうやって、誰から集めて、何に使うのかという流れを強く意識できたと思います。

また、この会で知り合えたことにより、誰かがCFをするとなったときに、支援の輪が広がるのではないかと思います。

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(文・写真:磯野絵里)

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