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駒澤考

全日本大学駅伝の優勝がきっかけで2021年の箱根駅伝の優勝争いは駒澤大学に注目が集まることになった。筆者が箱根駅伝に興味をもつきっかけは自宅近所の砧公園でジョギングをしている最中、ひとりのぴょんぴょん跳ねながら走る駒澤大学の学生にすっと抜かれ、「あれくらいならついていけんじゃね?」と坂道をついていったら肉離れを起こして離脱。その翌年の箱根駅伝2区を保土ヶ谷駅前で観ていたら、自分を肉離れに追いやった選手が2区を走っていることに気づき、「あいつエースだったんだ。そりゃ、追いつけないはずだ」それが北京オリンピックが開催中の2008年の夏のこと。そこから、その選手が出てるレースを見るために日本中いろんなところに出向いていった。今年の1月はヒューストンまで。

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思えば、あれから12年、駒澤大学の箱根駅伝をご近所さんとして見続けているのだけど、出雲や全日本では優勝することがあっても、箱根は一度も優勝することがなかった。この12年間、優勝しそうだなとご近所さんが感じたタイミングが2回あったような気がする。ひとつは「宇賀地・高林・深津・星」が揃ったカルテット期。もうひとつは「村山謙太・中村匠吾」がいた2013-2014期だ。2014年の5区、箱根湯本の駅前を馬場翔大がトップで通過したときは、毎年、箱根駅伝の翌日の1月4日の朝6時から多摩川の河川敷で駒澤の朝練を見に行くという優勝を逃したがゆえの恒例行事も今年で打ち止め、さすがに「こりゃ、いった」と思いましたよ。

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しかし、その年の箱根の山には三代目山の神が箱根に降臨。
駒澤大学、悲願の優勝はここで見事なまでに打ち砕かれた。

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出雲・全日本にないもの。それは「山」。だから、5000m13分台やいくら連発しようが、全日本で強さを見せようが、山の神一発で吹き飛んでしまうということを忘れてはならない。と死んだじいちゃんが言っておった。(嘘)

毎年、やみくもに箱根で優勝を狙うことできないわけで、「ここは育成の年、ここで優勝を狙う」というタイミングみたいなものが、ファンもうっすらわかっているわけであるが、大きな2回のタイミングを逃した駒澤大学はそこから、かろうじて上位、たまに中位。みたいなところにとどまることになった。ここ数年の「かつて平成の常勝軍団呼ばれた」という枕詞に枕を濡らしたファンも多かったことだろう。

つまり、「勝って兜の緒を締めよ」「ぬか喜びは禁物」と全日本を勝ったくらいで一喜一憂することなかれ、ということを、いいたくなるわけであるが、今年の駒澤はちょっと違う。いやかなり違うのだ。そういうことをここから書いていこうと思う。

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