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2019年3月28日 今朝の一枚

数々の記録会や地方でのレース会場に行ってるうちに、
「誰か撮らねば、誰にも知られないままとなってしまう」
と思ったことが、きっかけで写真を撮り始めました。

「日体大は暗くて写らないですね。。。」
「1コーナーの照明を利用すると2コーナーは選手に光があたるから
 シャッタースピードを稼げますね」
「世田谷はスタートが暗すぎる」
「横よりも正面のほうが被写体ブレがないですね」

と、マニアさんとセッティングをつめていきながら
カメラの扱いを覚えていきました。
ただ、日体大や世田谷は撮れるようになったけど、
かわいい女性や風景やおいしいものは、
まったくうまく撮れません(涙)

あるとき、マニアさんと話しているうちに
「これだけ日本人選手がアメリカやケニアに行って飛び出していって
 戦ってるのに、ぼくらもぼんやりしてるわけにはいかないんじゃないか」
なぜかそういう結論になりまして(笑)
それ以来、積極的に海外のレースにプレス申請し、とぼしい語学力をグーグル翻訳で補いながら、スタッフとコミュニケーションをとり、グーグルマップとAirBnbとUberの助けをかりて現地に入り、長期滞在は自炊しながら現地に住みこみ、朝はSTRAVAを使ってジョギングしながら地元ランナーと競い合う。そのような志向に変わっていくうちに、隣で写真を撮っている海外のカメラマンたちがどういう写真を撮っているのか?ということが気になってきました。
海外のスタジアムに行くと、ロイターやゲッテイイメージなど世界中に配信する職業カメラマンはバズーカーみたいなレンズに一脚をつけて、どっしり構えてゴール写真を撮ってますが、ほとんどのカメラマンはカメラに短いレンズをつけてブラブラブラブラ歩きまわっているのです。
日本とは違ってゴールエリアが空いてるのです。

写真に対する文化の違いなのかな。と考えていたのですが
これは「ストリートスナップ」を競技場でやっているんだな。
ということに気づいたのです。

んで、ニューヨークのストリートフォトグラファーを描いた映画、
「フォトグラファーズ・イン・ニューヨーク」を観てまして。


数々のフォトグラファーが紹介されているのですが、
皆が一斉に「チャンスは一瞬。だからカメラは片時も離さない」と言うのです。でもさ、カメラぶらさげて常に行動するってなかなかこっ恥ずかしい。
あれはニューヨークであるから絵になるんであって
職場である渋谷で、同じことをやると
金髪の頭もあいまって、アジア系のイキった観光客にしか見えないのです。

でも、皆が一斉に言うわけですからやってみようと思いました。
玄関を出るときからカメラをぶら下げて駅に向かいます。
何年も通いなれた道ですから、わざわざシャッターを切るような
貴重な瞬間なぞ訪れるわけなく、駅に入ろうとしたら、
「こんにちは!」と大きな声が。
声の方向をみると、スーツ姿の若者二人が
こちらに向かって笑顔で近づいてきます。
世田谷のはずれでスーツを着て働く知り合いなんて思い浮かびませんから、
誰か別に人に挨拶してるんだろうと思ったら
ひときわ顔立ちの濃い若者がもう一度
「こんにちは!」とこちらに笑顔を向けるじゃないですか。
あれ、誰だろう。全く思い出せない。

「?」

「平です!」

ああああああああああああああああっ!
というわけで、今朝の一枚はそのときの写真。
カメラを片時も離さないことは、本当に大事なのです。
ありがとう。ニューヨークのひと。
それでは今日もよい一日を。

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