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【箱根予選会】早稲田大学通過に黄色信号が灯る。臙脂のタスキが見られなくなる?名門校ならではの苦悩と葛藤

名門校故の苦悩

今年、名門早稲田大学は箱根駅伝総合13位となり、3年ぶりに10月15日の立川駐屯地で行われる予選会へ回ることになった。

そんな早稲田の予選会通過の雲行きが怪しい。臙脂のWが箱根駅伝で見られなくなる可能性がある。

早稲田大学は名門校たる所以部員数が少ない。また、ここ最近ではスポーツ推薦枠も減っており、箱根駅伝を強化している大学のように強い選手を多数スカウトすることができない。

部員数は選手32名。

早稲田部員リスト、自己ベスト

予選会ではこの中から14名が選ばれる。チームの約半分が選ばれるのである。

チーム内で出走できる可能性が非常に高いのは選手にとっては嬉しいことだが、故障者や調子の上がらない選手の影響をもろに受やすい。

現状予選会を余裕で確実に通過できる戦力は持ち合わせていないと考える。

主力の調子は如何に、

チームの直近の様子がわかる早大競技会が9月24日に行われた。
結果は以下。

20220924早大競技会リザルト

夏合宿明けの記録会で疲労もある中ではあるが、それを踏まえても満足いく状態ではないだろう。

タイム設定が設けられている中での競技会だったことは早稲田のスポーツ新聞の取材でも判明しているため、全力でのレースではない。

結果を見ると大きく2つのペース設定に別れていたことがわかる。

1つ目のグループは29分30秒前後の設定、2つ目のグループは30分10秒前後の設定でまとまってゴールしている。

おそらくハーフの最初の10kmを想定したペース設定だと思われる。

先頭グループで走った井川選手、山口選手、佐藤選手は余裕度からも好調が伺える。

調子が気になる選手は鈴木選手、北村選手、小指選手、菖蒲選手だ。鈴木選手は最初集団を引っ張るもそこから落ち、第2グループでフィニッシュした。北村選手は本調子とは言えない31分前後でフィニッシュしている。

小指選手と菖蒲選手は32分47秒50、33分11秒79で走っている。故障からの復帰段階だとすれば残り3週間で急ピッチで仕上げなければならない。

もう一つ気になる点はこの記録会では石塚選手、柳本選手、間瀬田選手が出ていないのだ。この3選手はいずれも10000mの持ちタイムがチームトップ10に入る。

主力はほとんど出走している中、故障明けであっても菖蒲選手や小指選手のように練習目的で走ることもできるはずだ。

故障だった場合には非常に厳しい戦いになる。

個の力だけでは通過はできない、全員がキーマン

予選会は井川選手、鈴木選手が2019年に経験している。

この時は太田智樹選手(現:トヨタ自動車)や太田直希選手(現:ヤクルト)を要するも中谷雄飛選手(現:SGH)が故障の影響で欠場し9位通過をした。ひやひやしたファンの方も多かっただろう。

逆に言えば予選会は1人削れるだけでチームはボーダーライン上で争うほど崩れるのだ。予選会は異質で経験値が走りやメンタリティーに影響することを知った大会でもあった。

今年の学生ハーフで予選会と同じコースを経験しているのは下記選手

▽ハーフマラソン学生
伊藤大志(スポ1=長野・佐久長聖) 1時間03分37秒 自己新
菅野雄太(教1=埼玉・西武文理) 1時間04分31秒 自己新
菖蒲敦司(スポ2=山口・西京) 1時間04分47秒 自己新
伊福陽太(政経1=京都・洛南) 1時間05分47秒 自己新
濱本寛人(スポ2=熊本・宇土) 1時間08分38秒 自己新

http://wasedasports.com/news/20220313_164535/

上記5選手と加えて井川選手、鈴木選手がコース経験者。

現在の状態をA好調、B普通、C不調、D調子不明で分けると

A:井川、山口、佐藤
B:諸冨、辻、伊藤、安田、伊福
C:北村、菖蒲、小指、菅野
D:柳本、石塚、間瀬田
(計15名)

となる。現在のままだとボーダー争いに絡んでしまう可能性は非常に高い。如何にCの選手の調子をあげられるかが鍵になる。

個々の能力が高い選手が多い早稲田だが本調子でない選手が多いのが今の現状だ。

予選会は12人走れる選手が必要だ。選手層の薄い早稲田にとっては厳しい戦いを強いられるが、臙脂のWの築き上げてきた歴史を止めるわけにはいかないのだ。








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