小型キーボードについて
肢体不自由の学校では、手指の動きの困難さから、パソコンでの文字入力が課題になることがあります。
今は音声入力や視線入力もありますが、「音声入力は周囲に聞かれて恥ずかしい」「視線入力は機器が高価なのと目が疲れやすい」という短所があります。
「準ずる」の生徒を見ていると、文字入力はキーボードでやりたいと言うことが多いです。
微細な動きが苦手な場合、標準キーボードや、その上にキーの部分をくり抜いた板を乗せることで対応する方法があります。
可動域が小さい場合、小型のキーボードで対応できます。
1人1台端末のキーボードは標準より小さいので、それで対応できることもあります。
それでも大きすぎる場合は、小型キーボードを探すことになります。
GIGAスクール構想では、端末の他に入出力支援装置の予算もあります。
ただ、単価が1万円以上という縛りがあるので、小型キーボードだと対象にならないことが多いです。
各校で何とか予算を確保するか、教師の自腹になります。
いままでに自腹購入した2つの小型キーボードをレビューしてみたいと思います。
エレコム はじめてのキーボード KEY PALETTO
https://www.elecom.co.jp/pickup/contents/00098/
特設ページで詳しく説明されています。
子供が使うことを前提にデザインされたキーボードです。
一見してわかるのが鮮やかな色使いです。
自分はいつの間にかホームポジションを守らずに打つようになっているのですが、最初に色分けしてあるキーボードを使っていれば、使う指がわかりやすいのかなと思います。
backspaceキーとdeleteキーが程よく離れているので、押し間違えることも少ないかなと思います。
キーの表記が小文字なのも、アルファベットに慣れていない生徒(重複課程)にとっては便利です。
欠点としては、どの接続方式を選ぶかが悩ましいところがあります。
多くの機種に対応しているのはうれしいことなのですが。
つまり、
・USB有線(USB-A)
・USB無線(USB-A)
・Bluetooth
・Bluetooth(iPad用)
の4種類があるので、機器や環境に合わせて選択する必要があります。
私は息子にもパソコンを使わせたいと思っていたのでUSB有線を買いましたが、お古のSurfaceでもいいかなと思ったら、Cタイプしかないので使えません。USB-C-A変換アダプタはすぐ壊しそうですし。
本校でも悩ましくて、WindowsPC(Bluetooth無し)、iPad(Lightning)、Surface(USB-C)が混在する環境なので、1つに統一することができず、 USB有線とbluetooth(iPad用)を購入しました。
あと、これは欠点とは言えないのですが、大人が使うには小さいです。
この部分の記事はKEYPALETTOで打ってみたのですが、窮屈で指がこってきます。
子供の手のサイズだと気持ちよく打てるのではないかと思います。
EWIN ミニワイヤレスキーボード ES-KB01
https://www.amazon.co.jp/dp/B00WNRW9XE
KEYPALETTOでも大きすぎるという生徒がいたので、amazonで検索して見つけました。
ミニキーボードは限られたスペースにキーを配置するので、標準キーボードと配列が変わってしまうのは仕方ないのですが、日本語対応しているので大丈夫かなと思いました。
この機種は無線ですがbluetoothではなく、付属のUSB-Aのレシーバーを使います。
使ってみた感想ですが、良い感じです。
凹凸が少ないので、指を滑らせるように移動できます。
気付いた点はいくつかあります。
キーの配置について、横棒・イコールがAltの隣にあること、DelキーがFn+BACKなところに違和感があります。
でも、使っているうちに慣れてきました。
あと、説明書を見ないと独特の操作がわかりません。
例えば、全角半角切り替えのキーがありません。
ローマ字英数切り替えはCapsキーです。
初見ではわかりませんが、一度知れば問題ないです。
また、自分が混乱したのは、タッチパッドです。
ポインタを上に移動しようと思ったら左に進み、左に移動しようとしたらしたら下に進み・・・。
説明書を見たらFn+Altで90度切り替えができると書いてありました。
二本指でのスクロールは対応していませんが、矢印キーで移動すればいいかと思います。
底面にゴムの滑り止めがあると、机の上に置いて片手で操作しても本体が動かなくていいかなと思います。
まとめ
最良の入力装置は人によって違いますが、特に手指に不自由のある場合は個に合った機器が必要になってきます。
学校で様々な入力装置を試して、自分に合ったものが見つけられると良いと思います。
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