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信じているものは何(番外編)

思いとどまる

season1にて、家を追い出され、母に縁を切られた私、
自由になれた、とは言ったものの、実際は、
そのことに関して悩んでいた。

私は小学校の時、度重なる母の暴力に耐えかねて
自死しようと考えた事があります。

それは、大切にしていた本を破かれた事でした。 

そのことがきっかけで色々考えるようになったんです。
何を考えたかと言うと、

画像はイメージです 

なぜ、母は私にこんなに暴力を振るうのだろう?
なぜ、私だけ食事は別なのだろう?
なぜ、私だけ家族とは違う待遇なのだろう?
食べ物、お風呂、トイレ、寝る部屋、全てにおいて
家族とは別だった。

物心がついてくれば、自分で考えるようになります。
そうすると、なぜ?と言う疑問が次々浮かんでくるんです。

ひどい時は、外に連れ出されて、人気のないところで
壁に頭を叩きつけられたり、熱湯で火傷を負わせられたり
今思えば、よく耐えたものです。

で、トリガーは、本を破かれたことです。
私は、それで家を飛び出したんです。

そして、また考えました。なぜ?について考えました。
小学生の私の頭で考えられたのは、

「母の暴力の原因は、母の障害が原因だ。
 障害が相当なストレスになっているんだろう」

五体満足な私には、母の苦労は想像出来ませんでした。

そして神様にこう言いました。

「私が、死ぬことで、私の体を母の障害の回復に使ってください。」
まだよくわからない知識の中、神様にお願いしていました。

そして、マンションの非常階段から身を乗り出し
下を眺めました。手を離せば落下できる状態です。
その瞬間は色々考えるものです、一瞬で色んなことが
頭を駆け巡りました。
友達のこと、好きな事、親戚、従兄弟、妹、父、遠足、
病気、ご飯、電車、バス、そして、痛いかな?
体はどうなるかな?など、
ほんの数秒で、頭の中を通り過ぎたのです。

その時、母が見えたんです。
当時、幼い妹をおんぶしながら、私を探しているようでした。

その姿を見て、心が握られる感覚に陥り、
飛び降りるのをやめました。

母と和解

そう言う事もありましたが、結局家を追い出されたんですが、
気になることは妹です。妹が同じ目に遭っているのではないか。
とても気になり、追い出されてから何度か、家に帰り様子をうかが
うようになりました。

でも、最初は、
「何しに帰ってきたん?」

私は、グッとこらえ、
「べつに何もないけど、妹元気?みんな元気?」
とだけ話してすぐに帰りました。

私は、先輩からアドバイスを受けていたんです。
「母を超えろ」
たったその言葉だけで、意味もよくわからなかったけど
とにかく、『母より大きい気持ち』とだけ考えて行動しました。

そして、数回行くうちに、
「今度いつくる?今度カレー作るから、食べていき」
と母が言ったのです。

私は嬉しくて嬉しくて、いろいろな人に話しました。
「今度、実家でご飯食べてくる」

普通のことですが、私にとって、本当に特別なことでした。
そして、お互いの凍った関係も溶けつつあるのではと確信し、
母の作ったカレーをいただきました。

カレーはイメージです  

母のカレーです。
やっぱり、つらい中、食べてたカレーだけど
味は変わらず。
でも今は特別美味しい。。。

そしてついにその日が訪れたんです。

母「もうすぐ、誕生日やろ?ご飯食べに行こ」

え?誕生日にご飯?
私「ありがとう、でも無理せんでいいよ、大変やろ」
母「かまへん、かまへん、ほしいものは?」
私「ほしいもの??なんのこと??」

今まで、一度も聞かれた事がなかった私は、一瞬なんのことか
わかりませんでしたが、誕生日ということでプレゼントだと
理解しました。

特に欲しい物も思い付かず「特にないよ」と返答しました。

当日
「はい、これ」と言って、くれたのが
「リアルバタフライ」という蝶の置物と靴下。

初めて誕生日に母からプレゼントをもらいました。
それを見た途端、涙が溢れ、何を食べたかも覚えていません。

母と打ち解け合えた日でした。

その日の夜、そのプレゼントを見ながら夜通し
泣きました。

何を信じたのか、先輩の言葉か、神様か、
何かわからない何かを信じたのかもしれません。
信じて良かった。

今では、連れ子の私を、育ててくれた母に大変感謝しています。
お母さん、ありがとう。


では。


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