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恐れを求めて三千里

ここ数日でホラー映画をいくつか観た。
観たのは「女神の継承」「仄暗い水の底から」「残穢」「コンジアム」「この子は邪悪」「ヘレディタリー」。怖いと思う作品は特になかった。
「女神の継承」「コンジアム」みたいに人間が人間らしくなくなったり異形が出てくるとちょっと面白くなってしまう(笑えるほう)。「仄暗い水の底から」は霊が物理的に強すぎて笑ってしまった。でも2002年の映画ということもあって雰囲気は怖くて良かった。「残穢」はストーリーは良かったけど映像が怖くないのとキャストが知ってる人たちすぎて没入感が足りなかった。なので原作はちゃんと怖いのかも。「ヘレディタリー」はふつうに面白かった。トラウマって言われてる作品だったので怖さに期待していたけど、特に怖いところは無かったので残念。「この子は邪悪」はホラーというよりミステリーというのか、「世にも奇妙な物語」的なテイストだった。思ってたよりファンタジー。
この中では「この子は邪悪」が一番好きかな。まともに見えて狂っている人間が好きだから玉木宏の役のキャラクター性がとても良かった。

ホラーではないけど「告白」も観た。これが一番面白かったな。思春期の子供の描写、追い詰められた人間の描写、話の構成が良かった。松たか子さんと木村佳乃さんの演技が特に良かったなあ。木村佳乃さんが演じる狂人はぞっとするので好きだ。

なんだか最近、怖く感じるもののハードルが上がっている。ホラーゲームをプレイするのはちゃんと怖いんだけど、映画みたいに見るだけだと微妙だ。映像で言うと今までで一番怖いと感じたのはテレビ東京の「このテープもってないですか」かな。ああいう昔のホームビデオ的な映像ってやっぱり怖い。スタジオの段々おかしくなっていく感じとか理解不能な言動が気味悪くて良い。怖すぎたので二度と見ないけど。あと考察の余地があるのも良いね。
同じテレビ東京だと「SIX HACK」も面白かった。昨今の人間に対する"毒"を感じられて、番組終盤が不気味で良かったな。途中で打ち切りになったっていう演出なのかと思ったらマジのやつだと知って驚いた。一体なにをやろうとしていたんだろう。最後まで見たかったな。

最近謎解きにハマっていて、「くびつかゐ」というオンラインで出来る謎解きがとても怖くて面白かった。子供のときにホラーフラッシュで怖い思いをしてきた者としては不気味なサイトとかのインターネットのこわいやつが一番苦手なので、めちゃくちゃ効いた。あと謎解き自体は初心者向けだったので良かった。他にも怖い謎解きがあったらやってみたいな。

怖いものは好きだけど、お化け屋敷とかの体験するやつは行きたくない。ビビリだから。現実で脅かされるのは本当に苦手だ。以前、北海道の家にいるはずの友人からマンション下のポストを確認してほしいと言われて、ポストに何も無かったから帰ろうとしたら隣にその友人が立っていたときは本当に本当にびっくりして怖すぎて泣いた。本気で幽霊かと思ってめっちゃ触って確認した。何も言わずに愛知に帰ってくるとは思わないじゃん。このときが人生で一番ビビった瞬間だと思う。
私は安全圏でみる怖いものしか好きじゃないので、車で心霊スポットとか墓地の近くを通るのも嫌だ。ごく稀に霊的な体験をするからこそなるべくリスクを避けたい。。。

もしかしたらがっつりホラーよりも不気味なやつの方が好きなのかも。品田遊さんの短編集「名称未設定ファイル」はSFとしても面白いけど、不気味な話もとても良かった。掲示板のやつが特に好きで、よくあるスレの流れとかレスが描かれていて「これあるなあ」っていう面白さはあるんだけど、何でもない1人の人間についてひたすらコメントしている人たちがなかなか気味が悪くて良い。でもこれほどではなくとも今のネットで近いことは起きてるんだよな、とも思う。公衆の面前に出た者は一公共物だと認識され、根掘り葉掘り調べられ、共有される。なんだか、技術が発展するにつれて人の他人への興味って増しているように感じる。それとも人の興味関心は変わっていないけど知る手段や共有する手段が増えたからそう見えるだけなのかな。有史以前もご近所さんを観察しては噂話をしたりしていたんだろうか。そんなことを考えていると、この話も絵空事ではないような気がしてくる。

こういう不気味な話がある短編集、もっと読みたいなあ。
映画のほうもいろいろ観てみようかな。

今日こそはやく寝なくちゃ。

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